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1人百人一首

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#散文

1人百人一首〜血潮〜

今日もまたたくさんの人に愛されて新門司港の夕日を見ている

閉ざされた愛の記憶に潮が泣く血の繋がりは血の祈りなり

九州の匂いがするような田舎道かっ飛ばすわよ95キロ

もう一度何度でもって旅だった港の球体あれはなに?

またねって大きな影が映ってるとりかじいっぱいいざ人生へ

変わらないものもあったりなかったりバイキングでは上手に盛れない

九州(ここ)でしか見れない店が並んでるミスターマックス

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1人百人一首〜蛇含草と年の瀬〜

「服くらい着ろよ」「一服しているの」二人の終わりを纏った1K

年の瀬に買わない番号言ってみる白い煙とあなたの香り

わたくしは誰かのために生きている見つけれてないけどそのうちいつか

優しさを誰かにあげたりもらったり私は生きたこの1年を

来る年はどんな1年こうしたいああしたいとか若さの息吹

依存性チェックをしながら飲むチューハイ「大将おかわり」もう一杯

後朝の別れも惜しまぬ誰そかれ

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1人百人一首〜喫茶店にて〜

わたしとて馬鹿じゃないのよ分かってる口づけだけは最後にさせて

それでもねどこかで祈る願ってるあなたが間違いこっちに来ること

まっすぐにダメであることわたくしは人間くさいと思ってしまうの

わたくしの悪い所もわかってるニヤリと笑うあなたが好きよ

振り返ることは許さぬプライドかいたずらっ子の純情か

後ろ手のピースは遊びかサヨナラの精いっぱいの想いの丈か

ハイライト吸い込む度に想い出すたのしく

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1人百人一首〜憧憬〜

越えられぬ壁ならすり抜け遠回りなんでもいいけどなんにもできない

半袖のあなたに会ってみたいのよ聞きたい触れたい脱がせたい

家飲みは奴ケチャップが1番だそんなお酒をあなたと飲みたい

恋心隠して熟れる繊細な実であるけれど摘んだら終わり

もう少し黙っていればその心我と少しは近づいたのか

忘れない夜中に歩いたこの道をもうないふたりの小さな思い出

他愛もない仕草も癖も横顔も永遠にきらめく北斗七星

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