小学5年生15キロ無一文の旅
ガタン、という振動で起きた。
どうやら県境を越えたようだ。橋と陸との鉄のつなぎ目。それを超えた振動で起こされたようだった。車窓からは、風になびくススキに両岸を挟まれた大きな川が見下ろせた。たゆたう川の流れは長い道のようにも見える。大きすぎて流れているのだかわからない。すいすい流れる車道の方が川のような気もしてしまうほどだった。
土日とはいえ、下りの道だから空いていた。今日はオープンキャンパス。ちょっと田舎の進学校へ見学へ行くのだ。父の運転で学校まで送ってもらい、母と回って