#みんなの2000字 参加記事紹介①

一気に寒くなってきた今日このごろ。皆様いかがお過ごしでしょうか。
僕の家では今日、石油ストーブ、はじめました。


はじめましての方、はじめまして。
いつも遊んでくださってる方、こんにちは。

嶋田智駄伽(ちたか)と申します。

今回、#みんなの2000字 企画のお手伝いをさせていただいてます。どうぞよしなに。

さて、ふみーさんの一言から始まったこの企画。

一週間という短い募集期間ではあったものの、のべ40本以上の作品が集まりました。
参加してくださったみなさん、素晴らしい作品をありがとうございます!

公式サポーターとして、僭越ながら投稿してくださった皆さんの2000字作品を、その1/10の200字程度で一つ一つ紹介していきたいと思います!


1. 足利義昭さんについて / kazuo dobashiさん

情けなく負けた先にも、おそらく、その先の人生がある。

群雄割拠だった戦国の世は、何かと文学や映像作品の舞台になる時代。
三英傑に代表される"時代の覇者"の影には、必ず敗者が存在するわけで。
「仕事に関する気力を維持するため」に、自身のPCの背面に戦国大名の家紋シールを貼っているというdobashiさん。
大河ドラマの主人公になった真田幸村や、織田信長の前に討死した今川義元を取り上げながらも、「自らは戦わず(中略)信長に敗れた」足利義昭のような「情けなく生きる覚悟」が欲しいと述べています。

社会の様々なシーンで戦う人々へのメッセージです。


2. 人に「質問」するときは「準備」しよう / 北村有 Kitamura_yuさん

何はともあれ、人にアドバイスしてほしいとき、
もしくは質問したいときは、最低限の「準備」をしような。
約束だぞ。

ご自身の仕事や経験上、質問を受けたり話を聞きたいと言われることが多いという北村さん。
その際に慎重になるべきなのが、『相手が本気かどうか』を見極めることだそう。
質問者の背景や求めるものによって、受け手は回答の中身やどこまで話を踏み込むかに神経を尖らせています。
そうした受け手に対して、質問者ができることは「準備」をすることだとおっしゃっています。
ひいては相手を思いやる姿勢とでもいいましょうか。

わかってはいても疎かにしがちな姿勢、読んでいて身が引き締まる思いがしました。


3. あをがすみ / もえりさん

なんだか夢が打ち砕かれたような切なさと、同時に、苦手だと感じていた「青」から解放される喜びがこみ上げる。

「青が嫌いだった」という「私」と、青が「好きな色だった」という「妻」。
「私」は、妻との日々の回想と、旅先で出会う様々な「青」が交錯しながら、彼女がどうしてそこまで青にこだわり続けたかを自問します。

随所に現れる青の描写や主人公の心の動きが手にとるように感じられ、
タイトルの不思議な響きも相まって一気に読み進めてしまいました。

一つ一つの青が鮮明に浮かぶ素敵な文章です。


4.「お弁当はミクロコスモス」 / ちゃんめの食生活 さん

しかしこの「弁当はミクロコスモスだ」という言葉はなんだろう

とある企画展に出向いた際に、この言葉を目にしたという"ちゃんめの食生活"さん。
この言葉に出会うまで、自身の弁当作り経験もあって「お弁当に対する印象はネガティブなものだった」そう。
一方で、これをきっかけに専門書を手にしたり、自身のお弁当にまつわる思い出などを回想していく中で、少しずつその意味を理解するようになってきたそうです。

なんだか昼にお弁当を食べたくなる一本です。


5. 変化の波を超えたら / ルミさん

振り返ってみれば、この1年は、そんなふうに変化の年で、
その変化になじむ1年だった気がする。

今月誕生日を迎えられたのを機に、この1年を振り返る一本。
「とても濃い1年だった」と語るように、あらゆる面での変化を経験されたルミさん。
noteを通した新たな出会いを体感する一方で、かなしい別れも経験したり、今までに無い社会の変容を目の当たりにしたり。
そんな、時の目まぐるしい流れを経験しても、自分自身への変化がどうだったのか。
1年前の自分には、今の自分はどう映るのか。

読み手が個々の1年を振り返りながら読むと、更に深まるかもしれません。


6.「不器用な贈り物」 / 草野 遼河さん

しかし、私は妻の他にあるものを見て目を丸くした。

妻の誕生日であり結婚記念日である大切な日を、研究室で越してしまった「私」。
慌てて職場をあとにして、ケーキ屋と花屋に足を運ぶものの、口々に「昨日届けた」と言う店員。
「私」は、「名前を偽って妻に近寄ろうとしている阿呆がいる」という疑念を膨らませ、帰宅すると.....。
日常1ページを切り取った物語かと思いきや、途中からの展開に驚かされます。
ラストまで一気に読んでしまうこと請け合いの一本。

白状すると、僕は3回読み直しました.....。


7. ゴールデンマン事件 / 電楽サロンさん

おとろしいとは、方言で恐ろしいの意味だ。
つまりは巣等々山の向こう側から恐ろしいものがやってくる……。

『南に耳で「なみ」と読む』南耳団地の過去を知る語り手。彼の独白からなるミステリー掌編です。
集落の長老の反対も虚しく建設された南耳団地。
最初は『長閑で平和な日々が続いていた』ものの、突如現れたゴールデンマンによって一変します。
まるで実際に存在した団地であるかのような細やかな描写が素敵です。
ただ、結末が明らかに続きがありそうな気が...。

物語のその先が気になる一本です。


8. 「あたしってなに着ても似合う」と、母は言った。/ 椎名トキ/都基トキヲさん

だからこそずっと苦手なのだ。

嫌いにはなれない。
だって忘れられないから。

表題の一言が口癖で、それを裏付けるように「きれいな人だった」というお母さん。
思春期に差し掛かり、少しずつ「自分の性に違和感を覚えた」トキヲさんはそうした姿を見せるお母さんに対し、複雑な感情を抱くようになります。
時間と共に、双方の様々な出来事を経て、言葉を交わしたことで、少しずつ自分の「なりたい姿が定まった」というトキヲさん。

読後に、「なに着ても似合う」というフレーズが心地よく感じられる一本です。


9. 2000字くらいのお話 / HCCMONO/新棚のいさん

私はこの男を愛している。そしてこの男は私が愛おしくて仕方ないらしい。

とある男女のプロポーズ模様を描いた掌編小説。
「普通の人間が恥ずかしくて出来ない振る舞いが平然と出来る男」だというパートナーに、まさにそうした状況で求婚される「私」。
あまりにちぐはぐな状況に直面し泣き出しそうな「私」に答えを迫るパートナー。結末は....。
序盤から説明なしに展開される男女の物語ですが、あとがきを読むとその疑問が晴れます。

登場人物の背景も想像しながら読むと面白い一本です。


10. だって幸せなんだから幸せって言って何がわるい /  北村有 Kitamura_yuさん

きっと想像以上に、「言いたいことを言えずに苦しんでる人」って多い気がする。

ホンネとタテマエのしがらみから逃れ、「ある程度自分ファーストで生きるようにしたらむしろ前より生きやすくなった気がする」という北村さん。
「言いたいことを言えない」人は、「優しすぎる人」とも。
大人になって得られる自由さを知らない子ども時代から、知らず識らずのうちに身についてしまった「癖」から抜け出すため、おすすめの書籍を交えながら諭してくれます。

なんとなく生きづらさを抱える人にオススメしたい一本です。




いかがでしたでしょうか。2000字という制限の中でも、それぞれの文章に輝くものを感じられて、とても楽しく拝読させてもらってます。

今後もこんな感じで、参加作品を紹介したいと思っています。
次のまとめをお楽しみに!


それでは、今日はこの辺で。

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