福嶋隆史@ふくしま国語塾

ベストセラー「ふくしま式」著者◇株式会社 横浜国語研究所◇著書28冊95万部→amzn…

福嶋隆史@ふくしま国語塾

ベストセラー「ふくしま式」著者◇株式会社 横浜国語研究所◇著書28冊95万部→amzn.to/3WBj9cL◇YouTube→youtube.com/@fukukoku◇無料メルマガ→mag2.com/m/0000193452◇元小学校教師

最近の記事

マスクについての考え方

マスクは感情交流・意思疎通を遮る壁であり、教える者・教わる者が互いに素顔で表情が見えたとき初めて、指導というものが成立します。 「指導」を成立させるには上下関係が不可欠ですが、生徒がマスクを着用すると「生徒が上、教師が下」という関係性が生まれます。文化人類学者・吉田憲司氏は読売新聞紙上でこう述べています(2023/05/09):【マスクの着用は、視線の力学に変化を及ぼす。自分だけが視線を感じない状況を作り出せば、「相互に見る/見られる関係」ではなく、視線の力学を一方的に支配

    • 重松清『カレーライス』を「ふくしま式」で読み解く!

      『ふくしま式「大人の学び直し」BOOK 「読解力」がほしい大人が小学1~6年の国語教科書でやり直す本』(内容詳細ページ)に掲載できなかった*原稿をPDFとして販売するものです(*著作権許諾の関係上)。物語本文は掲載していません(一部引用あり)。オリジナル設問と解説、計11ページのPDF(B5縦)です。設問は8つ(記述式のみ)。前半4つを、紹介しておきましょう。(なお、『カレーライス』(短編集)は新潮文庫から発売されていますので、教科書をお持ちでなくとも今回のPDFを活用できま

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      • 「電車の遅延で遅刻しました」「体調不良で休みます」…このときどんな態度をとるのかが人間性を分かつ

        電車が遅延した。その結果、遅刻した。 このとき、2通りの態度がある。 1つ目。「電車が遅れていたので」という原因を重視し、悪びれずに振る舞う。遅れたのは自分のせいではないのだ、と考える。 2つ目。「遅刻した」という結果を重視し、待っていた人間に対し「遅くなりました」と伝える。自分が遅くなったという事実は事実なのだ、と考える。 どうも体調が悪い。新型コロナだとまずいから、欠席することにした。 このとき、2通りの態度がある。 1つ目。「体調が悪いので」という理由を重視し

        • 五輪組織委 森喜朗氏の「失言」追及に対して抱く違和感と危惧

          以下、無料メルマガ【ふくしま国語塾・福嶋隆史の教育情報局】No.207(2021/02/11配信)の転載です(一部加筆修正済)。 ―――――― みなさまおひさしぶりです。福嶋です。 感染者数もようやく減ってきて、11月半ば以来の対面授業再開がようやく見えてきました。 オンライン授業にはオンライン授業のメリットがありますが、やはりリアル授業の良さを越えることはできません。 早く教室で授業したいものです。 ただ、当塾は「対面オンライン同時並行授業」を永続的に行っていきます。 せ

        マスクについての考え方

          2021年 大学入学共通テスト(国語)第1問ピンポイント解説

          全体的な感想などはYouTubeで語ったのでぜひごらんいただきたい。このページでは、もう少し具体的な話をする。 1.17の夜にLIVE配信した、共通テスト国語に対する概観解説YouTube 私はひごろ初見の入試読解問題に当たるとき、ヨーイドンで時間を測って取り組むということはしない。少なくとも「授業で教えるために読む」ということが習慣づいてからは、そういうことをしなくなった。 授業で教えるために読む。それは、「設問に向き合う」だけでなく、「文章に向き合う」ことを意味する

          2021年 大学入学共通テスト(国語)第1問ピンポイント解説

          価値を相対化することは教育の使命である

          以下、無料メルマガ「ふくしま国語塾・福嶋隆史の教育情報局」No.203の一部転載です。 ========== きのう・おととい、私が中高生に考えさせたネタをご紹介しましょう。 「学校と、塾・予備校はどう違うか。〈自他の観点〉で整理しなさい」 学校は強制されるが、塾・予備校は自分から行くものだ。 学校は義務だが、塾・予備校は義務ではない。 などと書いた子がけっこういました。 他人から強制されて取り組む場と、自発的に取り組む場。ということです。 もちろん、それは間違って

          価値を相対化することは教育の使命である

          中学入試国語の“超矛盾あるある”

          以下、無料メルマガ「ふくしま国語塾・福嶋隆史の教育情報局」No.202の一部転載です。こちらの記事とも共通した内容です。 ========== 今日は「中学入試国語の“超矛盾あるある”」をお届けします。 筆者の主張「唯一の正解を求めるな。正解のない問いを考え続けよ。それが賢さである。いわゆる頭のよさとは異なる」 問い「筆者のいう頭のよさとはどれか、適切なものを1つ選べ」 答え「テストで適切な記号を選べること」 (鷲田清一の文章の主旨/早稲田中学校2017年の設問主旨)

          中学入試国語の“超矛盾あるある”

          「なぜですか」はもう怖くない! 最新刊の最大の特長はこれ!

          以下、無料メルマガ「ふくしま国語塾・福嶋隆史の教育情報局」No.201の一部転載です。 ========== 最新刊『ふくしま式で最難関突破! 男女御三家・難関校 中学入試国語を読み解く』の最大の特長は、なんといっても「三段論法」を活用した読解法の徹底にあります。 「なぜですか」と問われたとき、いつもこの型を意識的に用いることによって、答案の【骨組み】を構築できる。 骨組みさえ正確に作ってしまえば、それで得点の半分ほどは稼げる。 そうやって、まずは合格者最低点をゲットす

          「なぜですか」はもう怖くない! 最新刊の最大の特長はこれ!

          最新刊11.28発売『ふくしま式で最難関突破! 男女御三家・難関校 中学入試国語を読み解く』福嶋隆史著/JMAM

          本書をアマゾンでチェックする 掲載過去問一覧(入試問題本文及び設問、完全掲載) ▼御三家 開成2019 松村圭一郎『うしろめたさの人類学』説明的文章 開成2020 朝比奈あすか『君たちは今が世界』文学的文章 開成2018 グラフ・文章の読み取りと短作文 桜蔭2020 まはら三桃『思いはいのり、言葉はつばさ』文学的文章 桜蔭2018 押井守『ひとまず、信じない 情報氾濫時代の生き方』説明的文章 麻布2020 宮下奈都「まだまだ、」『つぼみ』文学的文章 女子学院2020 阿純

          最新刊11.28発売『ふくしま式で最難関突破! 男女御三家・難関校 中学入試国語を読み解く』福嶋隆史著/JMAM

          いかにも入試に出そうな新聞記事を発見

          (このnoteは、無料メルマガ「ふくしま国語塾・福嶋隆史の教育情報局」の一部を転載したものです) 最近、読売新聞のなかに、いかにも入試問題(中高大問わず)に出題されそうなテキストを見つけましたので、ご紹介します。 ━━━━━━━━━━━▼ 2020/07/12(日)朝刊 9面 [あすへの考]【教育の中での読書】 紙の本「深く読む脳」育む…神経科学者 メアリアン・ウルフ氏 リード: 新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、仕事や学習、買い物や余暇など暮らしの中でオンライン

          いかにも入試に出そうな新聞記事を発見

          「ただより高いものはない」の本当の意味とは?

          以下、無料メルマガ【ふくしま国語塾・福嶋隆史の教育情報局】(2020/05/09 No.189)の転載です。 ―――――――――― このメルマガの読者の方々の中には、いわゆる教育産業の方も多いと思います。 特に、中小の学習塾を運営している方。 みなさんにとって、最近1つの「脅威」がありますね。おわかりですか。 そう、次々と登場する「無料」サービス、「無料」コンテンツです。 たしかに、経済的に苦しい人々が増えている中で、これは大変ありがたいことです。 しかし、単純にバン

          「ただより高いものはない」の本当の意味とは?

          ちゃんと手を洗わせたければ、「手を洗うな」と呼びかけよ。

          最近私は塾において、子どもたちの手洗いが「しっかり」できているかどうか、その場でチェックしている。 すると、驚くほどに、できていない。 小学生だけでなく高校生でも、まともに手を洗えていない。 「指先まで丁寧に洗いなさい」などと言っても、効果はイマイチ。 困ったもんだと嘆いていたわけだが、今さっき、有用と思われる声かけを思いついたので、noteしておく。 × よく手を洗いなさい。 × 丁寧に手を洗いなさい。 × しっかり手を洗いなさい。 × きちんと手を洗いなさい。 ○ 手

          ちゃんと手を洗わせたければ、「手を洗うな」と呼びかけよ。

          「家でゲームばかり…ゲームくらいに勉強・運動もしてくれたらいいのに」という願いを叶える方法

          新型コロナウイルス対策で一斉休校となり1週間が経ちました。 これまでに例のない、長い長い春休みです。 春休みとはいっても、基本は自宅にいるようにと学校から指示されています。 外に出てもイベントもほとんどやっておらず。友だちとも思うように会えなかったり。 子どもたちにとっては、実に張り合いのない日々だと思います。 とはいえ、ゲームをやるときだけは、目が輝いている。 そんな光景、目に浮かぶようです。 ゲームは、なぜ面白いのか? それはズバリ、目標・方法・評価がはっきりしている

          「家でゲームばかり…ゲームくらいに勉強・運動もしてくれたらいいのに」という願いを叶える方法

          私の嫌いな 教育界の言葉(4)知識の「詰め込み」

          「知識」を「詰め込む」という表現にこそ、問題がある。 「詰め込む」という言葉には、その対象に整理・関連付けを行わない状態で、ある空間に無秩序に放置するイメージがある。 そのとき、対象を取り出すことは想定していない。 「詰め込む」の反対語は何か? 「収める」あるいは「収納」といったところか。 「知識を収める」とき、そこでは、知識の整理・関連付けが行われている。 それは、知識を再度取り出すという前提で行われる。 「収める」知識は、線的である。「詰め込む」知識は、点的である。

          私の嫌いな 教育界の言葉(4)知識の「詰め込み」

          私の嫌いな 教育界の言葉(3)「おともだち」

          私は、「おともだち」という表現を、一度も使ったことがない。 使うとしても、「ともだち」だ。 「おともだち」なんて、気色悪くて使いたくない。 低学年の担任だったとしても、絶対に使わなかっただろう。 世の教師は、「みなさん」の代わりにこの言葉を使うことが多い。 「はあい、じゅんびができたおともだちは、手をあげてみてくれるかナ~?」 こういう使い方、私は絶対にしない。 なぜ、単に「みなさん」や「人」と言わずに「おともだち」なんて言うの か。 どうしても違和感がある。 私なら、こう

          私の嫌いな 教育界の言葉(3)「おともだち」

          類似したものごとの相違点(4)「戦う」と「闘う」はどう違う? ~ #箱根駅伝 が面白い理由~

          箱根駅伝は「戦い」と「闘い」のバランスがよい。だからこそ面白いんだろうな――2日間の箱根駅伝を見ながら、私はそう思いました。 国語審議会漢字部会 「異字同訓」の漢字の用法(昭和47年6月28日)によれば、次のような書き分けが示されています。 たたかう 戦う─ 敵と戦う。 闘う─ 病気と闘う。 文化庁『言葉に関する問答集 総集編』では、一般の国語辞典に掲げられた意味として、次の3つを挙げています。 たたかう ① 武器などを用いて相手に勝とうと争うこと。 ② 互いに力や技

          類似したものごとの相違点(4)「戦う」と「闘う」はどう違う? ~ #箱根駅伝 が面白い理由~