「ただより高いものはない」の本当の意味とは?
以下、無料メルマガ【ふくしま国語塾・福嶋隆史の教育情報局】(2020/05/09 No.189)の転載です。
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このメルマガの読者の方々の中には、いわゆる教育産業の方も多いと思います。
特に、中小の学習塾を運営している方。
みなさんにとって、最近1つの「脅威」がありますね。おわかりですか。
そう、次々と登場する「無料」サービス、「無料」コンテンツです。
たしかに、経済的に苦しい人々が増えている中で、これは大変ありがたいことです。
しかし、単純にバンザイしていてよいのでしょうか?
こういう記事も出るようになりました。
【外出制限で増える無料コンテンツ、文化産業への脅威に 国連機関が警告】
これは幅広く文化・芸術分野について述べているものですが、当然教育コンテンツにも言えることでしょう。
そして、この記事を受けて、評論家の東浩紀氏はこう言っています。
【「文化は無料」を前提にすると、国あるいは大資本がバックについた巨大作品(ハリウッドもオペラも同じ)か、あるいはYouTuberかに二極化していき、「数千~数万規模の顧客がついた中間層」(サブカル含む)はたいへん弱くなる。じっさいそれがこの10年でジャンル問わず起きていたことだと思います。】
かなり規模の大きな話をしていますが、もうちょっと小規模な、身近な例に置き換えることもできるでしょう。
すなわち、大手企業だけが価値を無料放出してもやっていける。しかし中小は、そうはいかない──という話です。
価値を生み出す手間には、当然、対価が必要なのであり、中小には無料は無理なのです。
特に今は、オンライン上での戦いが求められています。
大手教育産業が無料オンラインコンテンツを次々出せば、中小の私塾などは、オンライン上で打ち勝つのが難しくなります。
「安くてそれなりの品質」のものに打ち勝つには、「高くて最高品質」のものを出していくしかありません。
私はそれを目指していますし、その自信がありますが、それでもやはり、昨今の無料無料の波には、苦言を呈したくもなります。
ところで。
よく、「ただより高いものはない」と言いますね。
辞書的には、こんな意味です。
「ただで何かをもらうと、代わりに物事を頼まれたりお礼に費用がかかったりして、かえって高くつく」(デジタル大辞泉)
これは間違っていないと思いますが、抽象化不足のような気もします。
〈具体〉……〈代わりに物事を頼まれたりお礼に費用がかかったり〉
〈抽象〉……〈 ? 〉
みなさんは、ここにどういう言葉を入れますか?
私は、こうします。〈予測できない、選択の余地のないところで損害をこうむる〉
つまり、こういうことです。
「ただで何かをもらうと、〈予測できない、選択の余地のないところで損害をこうむる〉ことになる」
これが、「ただより高いものはない」の本当の(リアルな)意味でしょう。
ここでまた具体化しますと、たとえば、知らぬ間に個人情報を盗まれ、売りさばかれてしまうとか(*)。
しつこいダイレクトメールが毎日のように届くようになるとか。
見えないほどの小さな文字で「本体の購入が必須」と書いてあったとか。
(*)こんな例もありましたね。
要は、予測できないデメリットを負わされるということです。
逆に言えば、「予測できるところで対価が発生し、選択できる」などといったケースであれば、それは問題ありません。
たとえば前号でお知らせした(このあとも書きますが)「桜蔭答案の無料添削」。
たしかに、動画や本で紹介されればその動画や本を買いたくなるわけで、見ようによっては「買わされている」とも言えます。
しかし、サイトを見ていただければおわかりのように、決して押し売りはしません。
買いたい人は買ってください、買いたくなければけっこうです、ということになっています。
これは、〈予測できる、選択の余地がある〉ところで対価が発生しているだけです。
ですから、これを「ただより高いものはない」という言葉の例であると言うのは、間違っています。
話を戻しますが、昨今世間を賑わしている「大手企業による無料コンテンツ」は、どう考えても、その大手企業にメリットがあるからこそ、無料で放出しているのです。
そこには、あなたにとって〈予測できない、選択の余地のない〉デメリットが含まれているかもしれませんから、気をつけましょう。
良心的な「ただ」と、あやしげな「ただ」を見分ける能力が、消費者には求められています。
ちなみに、私がこれまで14年、一度たりともやったことがないことがあります。それは、「1ヶ月、授業料無料!」のようなキャンペーンです。
冗談じゃない、と思うからです。
そんな安売りキャンペーンをしなくても生徒は集まる。それだけ質の高い授業をやっている自負がある。
そういう気概を、感じ取ってほしいわけです。
(コロナによる最近の新規入塾者ゼロ状態はさすがに痛いですが、それでも無料キャンペーンはやりません)
そんな私も、以前は「無料体験」くらいはやっていましたが、それとて45分間の面談1回にすぎません。
それが数年前からは「入塾審査(5,000円)」になり、今年からは「入塾審査(10,000円)」になっています。時間はどれも45分間、1回限りです。
というわけで、私は無料が嫌いです。
そんな私がYouTubeを昨年2月に始めたのは、ある程度の「無料」を用意しないと打ち勝てない世の中になってきたからです。
まったく、困ったもんですね。
ということで、桜蔭の話から。
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☆ 添削応募の締切延長、説明文追加 ☆
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前号でお知らせした「桜蔭中学校」の最新過去問の答案〈無料〉添削。
2020年の説明文も対象に加えました。
そして、締切を延長します。
5/11までとしていましたが、
5/18までにします。再延長は、たぶんありません。
著書の締切も遠くありませんので。
【桜蔭中学校過去問(2020年2月実施)の添削応募受付中!!】
単に、最新すぎて過去問持ってない! という方もいらっしゃるでしょうけど、アマゾンまだ在庫ありますよ?
メール冒頭にも書きましたが、品切れも時間の問題だと思います。
アマゾンが物流態勢を「生活必需品」優先にした影響で、本という本が軒並み在庫薄になっているのです。
(本だって立派な必需品なんですけどね)
あるいは、四谷大塚データベースなら、登録・閲覧・ダウンロード無料で、実物問題のコピーがゲットできますよ?
過去何年分も。これどうやって著作権とってるんだろうと思うくらいに、揃ってますよ?
桜蔭受験生じゃなくてもいいんですよ?
中1でも、男子でもいいと言っているのですよ?
塾の先生方! ぜひ、生徒のみなさんに呼びかけてみてください。
あるいは、お母さんお父さん。
お知り合いに、桜蔭に興味のある子はいませんか?
よろしくお願い致します。
そして、新作動画の話。
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☆ 国語技能検定(R)(3)5/06 UP済! ☆
☆ この動画のサンプルも昨夜UP済!! ☆
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国語技能検定(R)(3)の動画を、5/06にUPしました。
動画は、あの有名な「アミラーゼ問題」(※)の類題から始まります。
(※)「中学生 正解率9%の「一文読解」をどう教えるか?~新井紀子氏によるRSTの結果を受けて~」
国語技能検定を受けた方も、受けなかった方も。
検定自体には興味はないが、基礎的かつ本質的な国語の問題をわが子に与えたいという方も。
今すぐ、サンプルをチェック!!
5/08に編集した、できたてホヤホヤです。
→ https://youtu.be/UGAQt4odcPs
他の動画も含め、「そろそろ買ってやろうじゃないか」という方、こちらへ。
ふくしま式 授業動画[プレ販売]
あくまで有料、あくまでハイクオリティ。
それが、「ふくしま式」です。
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