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新規事業創出の極意⑥人間関係力の向上

今までに、民間企業、大学、NPOの立場で新規事業創出にそれぞれ携わってきました。個別の具体例は色々と問題になってしまいますが、折角の経験なので考え方などをまとめて欲しいと知人に勧められました。もちろん、公開可能な範囲の内容だけです。

前回は「幅広い知識」と「高度な専門性」について記事化しました。

6回目のテーマは「人間関係構築力」です。ただ、今回は今までの連載記事とは違って新規事業創造に限定する話というよりは、仕事をする上で心がけることといった方が良いかもしれません。

新規事業創出における人間関係とは?

個人的には既存の事業を担当するとき以上に、新規事業担当者になったときは社内外の人間関係が重要だと思っています。ただ、人間関係は一朝一夕には築けないので、日々の心がけが重要です。

当然、既存事業を担当した場合でも開発、生産技術、製造、営業、品質保証、企画といった多くの部門が関与してきます。そのため、業務を効率的に進めるためには、関連する人たちとの人間関係は非常に重要です。特に同じ事業を長く担当する人も多いので、一度相性が悪くなった人とずっと仕事をしなくてはいけなくなります。それはそれでしんどいですが、今回の記事の主題ではないでの深くは突っ込みません。

既存事業を担当している場合には、多くの情報が出来上がった枠組みの中で流れます。例えば、部署内で上司から部下への伝達や隣の部署に業務連絡といった形の情報伝達がメインになります。最もこの部分の情報も流通も人間関係に依存するので、影響は0ではないです。

一方、新規事業を担当する場合には、どういったところで情報がやり取りされるかが全く予想できないことが多いです。感覚的には既存事業よりも圧倒的にこういったケースが多いです。

もちろん、上司からの指示はありますが、今まで想定していなかった部署の人から新しい提案がある、たまたまゴルフで一緒だった関係なかった人から有益な情報がもたらされるなどがあるかも知れません。また、社内で有識者を探したときに、今まで知らなかった人にたどり着くことなんて日常茶飯事です。

それは当然でどういった方向性で何を目指していくかが、朝令暮改のように大きく変わることが多々あります。何をやるかによって相談する人が変わりますので、その都度新しい人とのやりとりが必要です。

では、そういった人とどうやって良好な信頼関係を作っていけば良いのでしょうか?

答えはシンプルです。
よほど評判が悪く、社内で悪評がたっている人でなければ、最初から嫌われることはないです。

後は最初のやり取りの中で一般的に人に嫌われないような対応をすれば良いのです。簡単なイメージとしては下記のような内容を心掛けておけば大丈夫です。ましてや、今まで接点のなかった人が相手です。いつも以上に丁寧な対応が大事です。でも、これが実際には出来ていない人は、私の周りにも一定数います。わざと嫌な印象を与えようとしているかと思えるくらいの対応をする人もいます。

・わがままを言わない。
・高圧的な態度をしない。
・答えてもらって当たり前と考えない。
・分かりやすく要望をまとめる。
・回答をもらったらお礼を最優先でする。
・対面であったときには改めてお礼する。

これらは当たり前のことですよね。悪い印象を持たれることはないでしょう。さらに出来ることなら、下記の内容が追加されると良い印象につながります。

・相手に有益な情報を提供する。
・今回助けてくれたら後で良いことが起こりそうな雰囲気を醸し出す。
・対応してくれた人のことを会議の場で説明する。また、身近な人に感謝していることを言っておく。

ただ、今までの経験では良い噂も悪い噂も流れていくので、常に相手に悪い印象を与えないことを継続するのが大事です。さらに、Give、Give、Give、Give、Takeくらいの精神で常に相手に対して価値を提供する姿勢が大事です。

そういったことが相手にも分かりますし、良い噂にもつながります。「同じ社内なんだから、こっちの質問に答えるのは当然だ!」という感じで接したら、最低限の対応してくれないです。言葉ではどんなに丁寧にお願いしていても、態度に出てくるので、やっぱりそこは敏感に感じ取ってしまいます。

良い印象が崩れるのは一瞬ですが、悪い印象を覆すのはその10倍以上は大変です。毎日顔を合わせる関係でもないですし、よほどのことがない限り無理だと思った方が良いです。

何にしても日々の心がけが大事ですね。そんなに都合よく態度って変えられないですし。

外部との人間関係も同様に大事!

新規事業担当者にとって外部との人間関係も、社内の人間関係と同様かそれ以上に重要になってきます。特に外部との接点があると、視野を広げられますので、新規事業ネタを色々な視点で検討できるというメリットもあります。

学生時代の友人、学会や外部委員会、プライベートなど、何でも良いですが、常に外部の人間との交流を継続しましょう。忙しくて、社外の人と会う機会なんて作れないっていう人もいますが、そんなことはいい訳です。このご時世、移動しなくても連絡する手段はいくらでもありますし、最近だとSNSでつながれないのはできない理由を探しているだけのダメな人です。

また、そういった外部の友人に何かの時にお世話になるケースが非常に多いです。もちろん、普通に付き合っているときには、そんなことは考えていないですが、全く別の分野でお世話になることもあります。例えば、釣り仲間で一緒に遊んでいた人と一緒に新しいビジネスを始めるなども良くある話です。

そのため、どんな状況においても、継続的にコンタクトを取っていて、何かあったときに相談できる友人を一定数確保しましょう。学生時代のように毎日ずっと一緒だったとかなら話は別ですが、付き合いがそこまで深くない人とは頻繁に連絡を取ることが必要です。やっぱり連絡をもらうということは、こちらの事を少しでも気にしてくれたと嬉しい気持ちになります。

今はTwitterやFacebook、Instagramなどで定期的にupやコメントを送れますし、非常に簡単に交流することができます。何かあればダイレクトメッセージで気楽に相談もできます。実際にはSNSをちゃんと継続できる人は少数という話がありますが、どういった手段にしても、外部の人との交流を継続・発展させられるネットの活用が出来る人が有利な世の中になりましたね。

そういった地道な努力を継続できるというのが大事です。一つ一つの作業は大した手間ではないですが、そこを緻密にフォローできている人は実は少ないです。新規事業担当者だけに限りませんが、そういったことで人と差別化することで、これからの社会で生き残っていく一つの要素になると私は思います。

良好な人間関係が質の高い情報収集網につながる

結局、誰でも好きでない人にとっておきの情報は提供しないですよね。もちろん、仕事なら聞かれた最低限のことは教えてくれますが・・・

ちょっとしたときに、「こういった情報があるけど・・・」、「最近は新しくこんなことを考えていてね・・・」などプラスアルファの情報を提供してもらえるのは、相手から好かれている証拠です。人間なんて、所詮感情が優先される生き物なので、よほどの成人君主でなければそんなものです。

ただ、相手から情報を提供してもらうには、こちらも定期的に良質な情報を提供して相手のことを好印象だということを認識されることが重要です。最後は情報が価値を持ってくる場合が多いので、「質量ともに優れた情報提供者」→「質の良い情報」→「仕事のアウトプット向上」という好循環が生まれます。また、一度このループにはまったら、さらなる好循環にもつながっていくので、是非常に相手に好かれることを意識しておきましょう。

今回は、新規事業創造における人間関係の重要性をまとめました。ただ、新規事業を進めるだけに重要なことではないので、多くの人に当てはまります。一番強く主張したいのは、「誰からも好かれるように行動すること」です。それが何事にもプラスに働きます。


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