#137 海外スタートアップと連携してオープンイノベーションを成功に導きませんか?
今日のnoteは以前ネタに困ったときにtwitterでネタ募集をしたら、最近の技術動向というリクエストがありました。
あまりダイレクトに興味がある技術を書いてしまうと、やりたいことがばれてしまうので広い視野で色々と記事を見ている中で最近気になっている技術をいくつか紹介します。
今回は特にイスラエルのスタートアップの技術がメインです。
スタートアップとのオープンイノベーションは必要か
大企業での新規事業は成功したときの市場に与えるインパクトや既存企業で培ってきた地位とノウハウなどが活かせます。そのため、真正面からスタートアップと大企業が勝負したら、話になりません。
一方でスタートアップの最大の利点は、スピード感です。
大企業の社内稟議に数か月から数年かかるようなところを、思い立ったらすぐに行動に移せるという点では大企業は決して真似できません。
そういった意味ですみわけができているので、両者のすみわけがしっかりとできていればコラボレーションをした新規事業は成功することもあります。
ただ、気を付けないといけないのは、時間軸があまりに違っていて、お互いのことを理解できないままですれ違っていくことですね。その辺の話は別の機会にさせてもらいます。
私自身の感覚として、大企業とスタートアップの連携は今の変化の速い世の中では必須です。あくまで連携が目的ではなくて、連携という手段を使って新事業創出につなげていくという目的になります。
また、スタートアップとのオープンイノベーションが新事業開発の重要な手段となってきた昨今ですが、やはりイスラエルを無視できません。
なぜイスラエルなの?
前置きが長くなりますが、もう少しお付き合いください。
なぜ、スタートアップの連携歳としてイスラエルかというと、優秀なスタートアップが次々と生まれてきている国なんです。そのため、この界隈ではコラボレーションパートナーとして外せない選択肢です。
ただ、一方でイスラエルの企業は事業を大きくしていくことには苦戦しているケースも多いです。そういったときには我々日本企業の出番ですね。
多くの日本人にとってイスラエルは遠い存在で、どんな国かも想像できないのではないでしょうか?ただ、イスラエルでスタートアップが盛んな理由として、地政学的な歴史があると言われています。
イスラエルにいるユダヤ民族はローマ帝国をはじめとして様々な国に支配され、1948年の国連提案でこの地に「自分たちの国」を獲得しています。強い自国を守る精神を持っており、そのためには経済成長により国力を維持することが不可欠であるという思想を持っている人が多いです。
例えば、食料やエネルギーを含めて自己解決せねばならないものは多く、飲料水の80%は海水から低コストで作っていると言われている。つまり、他者に頼ること無く、自分たちに必要なものは自分たちで工夫するのが基本的なスタンスです。
そのため、多くの自立型のスタートアップが存在していると言われています。
スタートアップとうまく連携するコツ
別媒体で私が書いたインタビュー記事ですが、ATRの鈴木さんが素晴らしいことを言っています。
海外のスタートアップを連携して、イノベーション創出を成功させるためには必ず現地に行って、実際に作業している場所などを自分の目で確認することです。
下記はインタビュー記事ですが、全5部作の大作になっているので、一度読んでみてください。色々と興味深い指摘がされていますよ。
ワクワクする新技術
①binah.aiの健康状態
医療関係の技術は欠かせません。
Appleのコマーシャルで似たような技術が紹介されていますが、こちらの技術はスマホカメラを用いた心拍数、心拍変動、酸素飽和度、呼吸数、メンタルストレスを測定できる優れモノの技術です。
やっているのは基本的に顔の血流変動のモニタリングですが、体動と脈変動の区別とかのデジタル処理技術が素晴らしいのです。誰もが簡単に自分の健康状態を定期的に確認できる時代はもうすぐです。
あとは、長期的変動をスマホアプリで確認できるようにしておくことは、あまい自己評価でなくて、しっかりと健康管理するためには大事になってきます。
こういった情報が健康保険と連動するような社会もやってくるかも知れません。
②Notrafficの渋滞管理システム
最近流行りの5Gとか自動運転に絡めた技術も見逃せないです。
ここで紹介するNotrafficでは道路の交通量に応じた信号機をアクティブに制御するシステムを開発しています。
要はたくさん通る道を青信号にする時間を長くして、トータルで交通渋滞を防ごうという取り組みです。
言っていることは単純ですが、これから車の自動運転で全ての位置情報が共有化されてくると、こういった技術で車の流れがスムーズになりそうです。
③FiredomeのIoT技術
どうしても現状維持で十分という発想になりがちですが、近い将来は無人化技術が必須です。
そもそも働く人がいないのです。今はコンビニなどで店員がいないという程度が騒がれていますが、そんなことは何年も前から指摘されてきたものが表面化しただけです。
2030年になったら間違いなく人の奪い合いか、無人化対応できない企業が淘汰されます。だって、人を確保するために莫大な費用が必要になるのです。
そんな中でFiredomeの24時間監視できるIoT技術には注目しています。
スマートホームは工場のIoT化など今後急速な進展が期待される分野に対して、24時間体制でIoTデバイスの脆弱性や不正ネットワークなどの脅威をモニタリングして問題を検出します。
これだけネットワークが進んでくると我々一般ユーザーが分からない領域で不正アクセスなどがはびこってきます。それをしっかりと守ってくれる技術はやっぱり大事です。
④hi.autoの音声認識技術
最後に紹介したいのは音声認識技術です。
最近は人間の感情や健康状態などまで音声認識できるようになってきており、個人的には音声認識技術に強く注目しています。
この会社のすごいところは、音声スピーカーだけでなく、音声認識システムにはカメラが搭載されており、話者の唇の動きを撮影しています。
また、ディープラーニングアルゴリズムを活用して、話している人の会話内容だけを音声認識できるという優れものです。
車内での会話やビデオ通話などにおいて、雑音を遮断して話者の音声のみを正しく拾うための用途で活用できます。
アレクサなどが誤作動してしまうのを経験した人も多いと思います。今後はそういったことも気にせずに、音声認識で色々なことができるようになるといいですね。
今日はオープンイノベーションパートナーとしてのイスラエル企業をいくつか紹介しました。たくさんのスタートアップがあるからといっても全てが成功例ではないのも事実です。
ただ、ある程度の数がないと成功する企業も出てこないので、そういったパートナーをうまく探し出す術は身につけていきたいですね。そのためには、対面でのコミュニケーションが最重要です。
口八丁手八丁の手練れにくれぐれも騙されないように。人の好さだけではビジネスの世界では成功できませんよ。
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