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歯科医師の『技術』は『トーク力』か?
大学で学生に教えることと臨床は全く違います。泳ぎを教えても泳げるようにはならないのと同様ですね。総義歯治療も、教科書で学んだことと患者さんでは何一つ共通点がなく、途方に暮れることもあります。
典型的な歯牙の形態が分かっていても、歯列の中の1本、臨在歯や対合歯で形態の変化を起こしている場合もあります。❝経験❞が補ってくれるとは言え、どのくらいその❝経験❞を積む必要があるのか、歯科医師として50年の
パイロットデンチャーシステムで医療をマネージメントする戦術と戦略
殆どの歯科医は開業医ですから、医療人としての哲学と経営の両立は共通のジレンマです。私は大学で専門に総義歯を扱っておりましたので開業の際は『大学病院で行う治療を開業医でも同様に行う』ことを実行しました。
それは即ち、審査診断に時間をかけ、記録を取り、器具材料に出費を厭わず、最高級の技術を持った技工所とお付き合いをすることです。そんな時間と経費をかけた診療は現在も患者さんの望まれるものでありますし
総義歯治療の現状打破に立ちはだかる3つの壁
①知識の壁総義歯を作る上で重要な知識とは何でしょう....?
解剖学的知識?病理学的知識?生理学的知識? どれも知らないよりは知ってるに越したことはありません。
一番知っておきたいことは『入れ歯の形』です。具体的に言うと、基準点です。何度も触れましたが、総義歯の顎堤粘膜の印象を採る際、咬合床を作る際、ゴシックアーチを作る際、すべてのステップで『ここだけは外せない』ポイン
パイロットデンチャーシステムが結ぶ3つの点と点
①顧客満足度という点義歯作りはものつくりです。わが国は歴史的に世界に誇れるものつくりの国です。たくさんの企業が顧客満足度を高める努力を怠らず、恒常的に供給できる生産システムを構築しています。
高品質な製品の安定供給.......これは顧客満足度に反映し、ものつくりの企業においては経営の基本であり根幹でもあります。
翻って義歯つくりに顧客満足度や品質管理、などと云う考えはあるのでしょうか?「痛い
入れ歯作りはものつくりの歴史
医療が一般的になったのはごく最近のことです。歯科治療など、床屋の延長だと思われていましたし、歯を作るなどの素材が開発されたのも戦後です。
ただ、日本には16世紀には『入れ歯師』という職業が記録されています。江戸時代には本居宣長の家に『入れ歯師』を呼んだと記されていますので、今で言う訪問診療でしょうか。日本人は柘植の木を削って作られ、噛んだ跡も残っているので、きちんと機能できた義歯でした。ジョージ
何が総義歯を難しくしているのだろう
パイロットデンチャーシステムは、簡単に言うと
①仮義歯(パイロットデンチャー)を作成
②粘膜面の調整
③調整が済んだパイロットデンチャーを正確にコピーして完成
と言う3つのステップで成り立っています。ですから①の義歯が多少アバウトでもそれなりに調整すればファイナル義歯に移行出来ると考えている先生も大勢いらっしゃることでしょう。
然るに、患者さんが初めて自分の診療室に足を運んだ日を思い返し
パイロットデンチャーってご存じですか?
パイロットデンチャーとは、義歯(入れ歯)を作る際に、いきなり作り始めるのではなく、粘膜や歯茎のリハビリを目的としたものです。入れ歯の形をしていますがリハビリのための装置だとお考え下さい。
入れ歯は痛くて当たり前?最近は、抜かない、削らない、痛くない先生が良い歯科医の条件だと言われます。ただ、義歯(入れ歯)をお使いの患者さんは既に『抜かれ』『削られ』た状態なのです。
きのう『抜かれ』たのでしょう