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総義歯治療の現状打破に立ちはだかる3つの壁

①知識の壁

総義歯を作る上で重要な知識とは何でしょう....?

解剖学的知識?病理学的知識?生理学的知識?             どれも知らないよりは知ってるに越したことはありません。

一番知っておきたいことは『入れ歯の形』です。具体的に言うと、基準点です。何度も触れましたが、総義歯の顎堤粘膜の印象を採る際、咬合床を作る際、ゴシックアーチを作る際、すべてのステップで『ここだけは外せない』ポイント、すなわち基準点があります。                   基準点には代表的なものとして、水準点や三角点がありますが、つまりは、ここだけは明瞭に印象採ろうね、というポイントです。

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クラウンブリッジの印象で、マージンを正確に印象採りましょう、ということとイコールです。

歯牙の形成時、臨在歯の位置や角度、対合歯とのクリアランスなど欠かせないチェックポイントがありますね。総義歯も必ずクリアにしなければならないポイントがあるのです。

規格模型はそれを具現化、標準化したものです。規格模型を使うことで旧義歯との比較も容易にでき、何がずれているのか、なぜ安定しないのか、想像できるのです。

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毎回、正しいポイントを意識することで、おのずと正しい知識が定着していきます。

基準点を知ることで、解剖学的にも生理学的にも患者さんの現状認識に確実につながることを保証します。

②技術の壁

歯科医は一般的に開業医が大半ですから、外科も保存も補綴も小児も老人も、延いては衛生業務も人事も会計も総務も外交も営業も、何でもこなしています。すべてに100点満点の先生などおりません。どの先生にもきっと得手不得手があり、義歯が得意で何でもござれという先生は少数派でしょう。根幹治療や抜歯も同様です。上手な先生はもっと早く正確に治療できるんだろうな、自分ももっと上手になりたいな、と考えている先生も多いと思います。抜去歯で練習することもあるでしょう。

練習すれば上手になりますか?100本形成すれば上手になりますか?

上手にならないとは申しませんが、そんな❝昭和の見て学べ❞的な練習では自己流でしかありません。そんな練習の効果の低さは社会が証明しています。では技術を上げるには何が大事でしょうか?

それは『道具』です。印象を採るのも、形成するのも大事なのは『道具』。

ナイフエッジのバーでボックスが彫れないのと同様、大きなトレーでは顎堤の印象は採れません。トレーは大事です。網トレーにソフトワックスでストッパーを付与してください。なければ個人トレーを作ればよいのです。

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固い印象材では無圧の印象は採れません。フローの良い総義歯用のシリコン印象材を使ってください。なければアルジネートを紛液比を変えて柔らかくして使えばよいのです。特別なものは必要ありません。いつも使っているものを『正しく』『目的を持って』使うのです。

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③マネージメントの壁

 知識があろうがなかろうが、いかに素晴らしい技術が備わっていようが、技工物が一度でも再製作になったら医院経営は赤字です。

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