見出し画像

パイロットデンチャーシステムが結ぶ3つの点と点

①顧客満足度という点

義歯作りはものつくりです。わが国は歴史的に世界に誇れるものつくりの国です。たくさんの企業が顧客満足度を高める努力を怠らず、恒常的に供給できる生産システムを構築しています。

高品質な製品の安定供給.......これは顧客満足度に反映し、ものつくりの企業においては経営の基本であり根幹でもあります。

翻って義歯つくりに顧客満足度や品質管理、などと云う考えはあるのでしょうか?「痛い・噛めない・話せない」義歯を作り続けて点数だけは保証され、装着後の調整に追われる私たちは、顧客としての患者さんをどう捉えているのでしょうか?

歯科医師として国家資格を戴く立場として、ただ作るだけの仕事に社会的責任を問うとしたら....?

歯科の常識は社会の非常識?

時々、こんな煽情的な文を目撃します。まるで歯科医師には常識がないと言わんばかりです。誤解してほしくないのは、決して歯科医師に常識がないのではない、世間とずれているわけでもない、ほとんどの先生は勉強家で熱意も誠意もあり仕事に誇りを持っているということです。

②製造責任という点

ただ決定的に足りていないことがあるのです。それは製品生産管理システムを持っていないことです。

ものつくりの基本とは、

①Plan(計画立案)②Do(実行)③Check(評価)④Action(改善)

この4項目で成り立っています。PDCAサイクルと呼びます。

画像1

PDCAサイクルは、別名マネジメントサイクルと言い、製造業やIT業界、スポーツの分野など幅広い場面で活用されています。各々の段階を「見える化」つまり標準化、簡素化し、できるだけ数値で評価するシステムを作ることです。これにより、義歯が『製品としての医療器具』となり、品質の安定が得られ、延いては医療ミスや事故の予防、時間や材料の無駄の排除につながります。それが顧客満足につながらない訳がありません。

③標準化という点

PDCAサイクルに倣って製作するということは、「目標」と「期間」を明確にし、「何のために行っているのか」「このステップは何に影響するのか」をはっきりと意識しなければなりません。

歯科治療は、特に義歯つくりなどは1ケース1ケースの状態が違い、個人差が大きいので『標準化』『平均化』するには抵抗感を覚える先生も多いことでしょう。

『品質の標準化』とは、絶対に義歯の再製作にならない、ということです。すなわち、『患者の平均化』ではなく『治療計画の標準化』を指します。

2005年に厚生労働省から発表された『有床義歯の標準的製作工程・作業チェック項目・評価法』をご覧になった方はいらっしゃいますか?

補綴学会でガイドラインのPDFファイルをダウンロードできるようになっていますので、是非明日の臨床から導入することをお勧めします。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?