すばらしき新世界 (28)
高校に入学して、座席が前後だったことがきっかけで話すようになった萩原慎は、誰に対しても壁を作らない人だった。これまで悟の周りにいた人たちは、趣味趣向や性格が似た者同士で親しくなり、タイプの違う人には当たり障りなく接する人がほとんどだったが、慎は友人とつるんで行動するということはなく、悟がいなければ一人でいた。かといって人づきあいが苦手なわけではない。誰とでもフレンドリーに話せて、皆から好かれていた。大勢で騒ぐ時はノリもよく冗談も言うし、一緒に盛り上がれる。一方で、グループ活