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「経営学」~覚悟とロジカルとイノベーション~

こんにちは!フカドクです!6月も半ばを過ぎて暑くなってきましたね!

もうすぐ夏ですね!(まだ早い)BBQしたいですね!(密は避けつつ。ビアガーデでも可)TUBE歌いたい!(サザンも。)ということで、今日は「熱血セールスマン(笑)」のタツからこんな暑い季節に胸が熱くなる!名作をご紹介します!


「宅急便の父」ヤマト運輸元社長小倉昌男さんの「経営学」です!

言わずと知れた名著(MEI-CHO)ですが、今回はこちらの一冊をフカドク!


著者について

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ハイ!著者はこの方!小倉昌男さん。(紳士そうな笑顔が素敵)ヤマト運輸の二代目社長で、宅急便を作り上げた昭和の名経営者です。

この「経営学」は宅急便を生み出し、ヤマト運輸を日本を代表する企業に育て上げるまでの軌跡を綴った一冊です。執筆当時75歳、亡くなる6年前とは思えないほど鮮明かつ明晰な文章に終始圧倒されました。

東京大学を卒業後、父康臣さんの経営する大和運輸(現・ヤマトホールディングス)に入社。結核に見舞われるなどのトラブルを経験し、子会社出向・営業部長などを経て1971年・47歳で社長に就任。

その後ヤマトを物流業界の王者へと押し上げていきます。

本の内容

本書を読むと、小倉さんの覚悟の強さ圧倒的な思考力を見せつけられます。

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覚悟の強さ

まったく新しい市場、つまる宅配に活路を求めた宅急便は、いわば、ヤマトにとって起死回生の策だったのである。

冒頭のこの一言の通り、小倉さんの入社当時ヤマト運輸は市場の変化に適応できずにいました。戦前、ローカル輸送に目を付けた創業者・康臣さんの先見の明が功を奏しトラック会社として地位を確立。

ところが、戦後、道路や車両性能の改良により、長距離輸送の手段が鉄道からトラックに移行。各社、長距離輸送に主戦場を移すのですが、ヤマトは乗り遅れてしまいます。

というのも、社長である康臣が、トラックの守備範囲は百キロメートル以内でそれ以上の距離の輸送は鉄道の分野だ、と固く信じていたからである。

強烈な成功体験ゆえに、長距離輸送と言う流れに乗り遅れてしまう。本の中では詳述されないのですが、父・康臣さんの葛藤も相当だったと思います。

こういった苦境も相まって、小倉さんは並々ならぬ覚悟で改革を進めていきます。

圧倒的な思考力

小倉さんは大枠を把握する力シナリオ構築力がとにかく抜群。これが良く現れていると思うのは、宅急便を着想した時のエピソード。ヤマトが利益を出せない中、競合がガンガン稼いでいる。この差はどこから生まれるのか?考え続けていた小倉さんはある日、解決の糸口を見つけます。

当時、トラック運賃は重量逓減、つまりボリュームディスカウントが採用されていました。大量の荷物を一つの荷主から受けるよりも、一つ一つの荷物を多くの荷主から受けた方が儲かる、ということです。

五十個口と五個口では、一個当たりの運賃で見ると、なんと一・五倍も値段が変わるのである。(中略)一口五十個の荷物を満載すれば、先ほどの計算では一個当たりの運賃は二百円だから、その四百倍として一台当たりの収入は八万円になる。それが一個口の荷物を満載すれば、七百円×四百個で、なんと収入は二十八万円になるではないか。

この試算を行ったのが1960年ごろ。実際に「宅急便」を生み出したのが1976年ごろ。実にサービス開始の16年前には、宅急便の着想はあったのです。

一個当たりの利益は高くても、小口配送は商業輸送と違い「輸送ルートが固定できず、配送タイミングも読めない」という難点があります。そのため、当時このマーケットで事業展開をしていたのは郵便局だけ。

つまり物流業者にとって小口配送は「儲からない」と言われていました。

業務内容の見直し、乗務員の人数変更、車両の変更など効率改善のために様々な策を講じる。一方で小口配送による新市場の開拓も虎視眈々と狙い続けます。そして、新事業の成功のカギを突き止めます。それは、

全国規模の集配ネットワークを築けば、ビジネスになる、というものである。

個人の荷物を集荷する役割を「取次店」(スーパーやコンビニなど)の開拓。航空会社からヒントを得たハブ・アンド・スポークス方式での拠点設置。そして、どこにも負けないサービスレベル。

この3点を揃えることで、個人輸送の市場が開拓できる、と確信します。ただ、そのネットワークの構築には莫大なコストと時間が必要になります。それでも当時の小倉さんには、その覚悟がありました。

一生懸命頑張ってネットワークを作り上げる。そのネットワークの上を毎日荷物が流れていく。それがある日、ある数を超したとき、じわりと利益が滲み出てくる。段々滲み出る日が多くなると、ネットワークのどこからか利益がぽたりぽたりと滴り落ちる。

・・・アツい。アツ過ぎます。

不退転の覚悟を基に勝ち筋を考え抜く。それを実現可能なシナリオに練り上げ、強力に推進する。リーダーとはこうあるべき、と感じさせられます。そんな小倉さんの秘策はサービス開始から5年で利益を出すことに成功。

着想からなんと21年もの時を経て遂に物流業界の新たな扉を開いたのです。

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おわりに

小倉さんの覚悟の強さ・思考力の強さがズバ抜けていたことは間違いありません。ですが、私はそれを伝える「強い言葉」が、小倉さんの最大の強みだったのではないかと思います。

実際、「経営学」は小倉語録の宝庫です。

「キーワードは荷物の密度」と、ことあるごとに強調した。
「サービスが先、利益は後」ということだった。サービスを向上してまず郵便小包などと差別化を図らなければ、結局、利益の上がる事業にはならないと考えたのである。
何でも"第一"の社長は「戦術的レベル」の社長である。うちの会社の現状では何が第一で、何が第二、とはっきり指示できる社長は「戦略的レベル」の社長である。
新しいサービスを生み出すためには、休むことなく常に前進が必要である。

常に自分の思考を強力な言葉に練り上げ、周囲をけん引する。そのためにセミナーで最新の知見を取り入れたり、他業界からヒントを得ること大切にしていた様子が本にも書かれています。

「経営学」と言うタイトルの通り「経営を学び続ける」ことを大切にしていたからこそ、偉大なイノベーションを実現することができたんだろうな、と思います。

私も負けずに、日々新しいことを学び続け、成長し続けていきたい!と思わず胸がアツくなりました。皆さんも冷房ガンガンの部屋で胸と頭をアツくしながら読んでみてください。

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