富士通ってどんな会社?世界のサステナビリティはどうなる?
こんにちは note編集部です。
今回は当社のCEOである時田が、従業員とのコミュニケーションの一環として、富士通グループのコンサルティングを担うRidgelinezの執行役員Partner Chief Diversity & Inclusion Officer 関と、富士通のCEO室 Co-Head 西とともに実施した年末特別対談の内容を一部ご紹介します。
時田が経営者として最も大事だと考えているもの、それはずばり「人」です。社長就任後の2019年から、国内外の富士通グループ社員とのタウンホールミーティングを毎年20~30回実施し、従業員の声に耳を傾け真摯に向き合ってきました。率直な意見を交わし合うヘルシーなコンフリクトからイノベーションが起こると考え、コミュニケーションを重視しながら変革を推進しています。
2023年印象に残ったこと(サステナビリティ)
時田:2023年を振り返ると本当にあっという間でした。ポジティブ、ネガティブ両方の意味で相変わらず世界の変化が速く、このような状況下で経営をすることの難しさを日々感じ、僕自身の勉強だとも思っています。テクノロジーで言えば、生成AIが急速に進化、普及し、社内でも使える環境を整えていますが、富士通はAI分野におけるリーダー企業として、今後、AIをどのように活用していけるのかを示さなければいけないと考えています。
2023年11月30日から12月13日までドバイでCOP28※が開催され、私もグローバル企業のCEOが集まるイベントに参加させていただきました。また、WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)のカウンセルメンバーとして年次総会に出席しました。環境問題は待ったなしの危機的状況だというメッセージが各所から発信されていますが、地球の上に住む「地球市民」の一人としてどう向き合うかを問われていると感じます。サステナビリティは以前CSRと呼ばれ企業にとってコストだと考えられていましたが、今は、多くのビジネスリーダーがビジネスとしてしっかりと取り組む必要性を感じています。
※COP28:国連気候変動枠組条約第28回締約国会議
関:海外からの観光客の方がすごく増えていることで、やっと日本も、海外の方との交流が活発になってきたと感じています。また、気候変動もありますし、戦争などで引き続き分断が進んだ1 年だったかなと思います。World Economic Forum(世界経済フォーラム)からジェンダーギャップ指標が毎年公開されていますが、2023年、日本は125位で過去最低でした。先進国の中でも最低水準ということで、国を挙げて取り組まなければならない課題として浮き彫りになったと思っています。やはり業界や国を超えて連携をしなければならない課題が多くあると思いますので、分断が進んでいる世界の中でも、改めて横のつながりを強化し、協力し合うことが不可欠になってきたと思う 1 年でした。
西:海外へ行った日本人が、物価の高さを口にしています。コロナが収束して、多くの人々が移動を再開したことで良いことをもたらしますが、課題も生み出されていきます。また、情報が可視化されることで、色々なものがオープンになっていくことの良いことと課題。そして、これらの変化はもう元に戻らないと思っているので、分断や格差、そして可視化がさらに広がっていく社会において、どのように前に進めていかなければならないかを感じる 1 年でした。
ダイバーシティ&インクルージョンについて
関:ダイバーシティ&インクルージョンに関しては、経営トップのコミットがあることがとても大きいと思います。2023年9月に時田さんとRidgelinezの女性幹部との対話の機会がありましたが、経営陣が積極的に女性の活躍支援に時間を割くことは素晴らしいと感じました。
時田:ジェンダー以外のダイバーシティについても非常に考えさせられるわけです。川崎に本社を移転することについても賛否両論あります。賛成してくれる人、反対してくれる人、両方の意見を僕は大事にしたいと思います。そういう意味ではダイバーシティについて相応の理解をしているつもりでしたが、従業員とともにウェルビーイングを考えるというテーマのタウンホールミーティングに参加した際、参加者からのフィードバックの中に、決して障がいのある方にとって働きやすい場になっていないという声もありました。多様性を受け入れることは非常に大切だと、言うのは簡単ですが、多様性をしっかり受け止めた上でウェルビーイングを広めていくことは本当に難しいなと思います。
いろいろな施策について、従業員12万4,000人の内約8割が良い反応だとしても、そうではない残りの約2割は3万人もいます。その中で経営していく怖さを考えさせられます。
関:多数決で決めないことが大事ですよね。多様な意見を出し合い戦わせることで良い結果が生まれることが健康的な組織だと思います。多様性がある会社は株価のパフォーマンスが良いというのが、この 10 年間のリサーチとしてもわかっていることもありますので、ビジネスにとっても必要不可欠な取り組みだと数字でも証明されていると思います。
西:正義の反対は悪ではなく、別の正義だと言いますよね。反対の立場に見える人にも正義があって、その正義をちゃんと理解をする必要がまずあると僕は思います。
時田:そうですね。ただ、経営となるとディシジョンはしなければなりません。コンフリクトを僕は避けないです。反対意見もあれば賛成意見もある。だからと言って、コンフリクトが戦争になってはいけないのですよね。だからここはやはり対話しか解決の道はないのですよ。僕はコンフリクトが起きたら、ダイバーシティがあることを前提としていますから、多様な意見、コンフリクトはイノベーションの大前提だと思っているわけです。最近は従業員とのタウンホールミーティングで「社長はどう思うか」と聞かれることも増えましたが、僕はみんながどう思うか聞きたいです。多様な意見を尊重しないとイノベーションは起きません。
2024年に向けて従業員へのメッセージ
時田:2024年は、中期経営計画の目標達成に向かう上で中間地点にあたる大事な年です。「Fujitsu Uvance」のオファリングもそろってきているし、日本ではコンサルティング会社であるRidgelinezを立ち上げて3年になりますが、その成果も出てきており、今後は、Ridgelinezはグローバルにも良いリファレンスになっていくでしょう。お客様から大きな期待も寄せられています。身をもって示すことが一番大事なので、決していろいろな言葉に踊らされることなく、自分で信じた道をしっかりと歩んでいく姿を、お客様にも、そして社内の同僚、チームのみんなにも自ら見せてほしいということです。これができれば、もう一歩二歩、富士通は進めると思うし、もう一段二段、経営の質が変わると思います。富士通グループ12万4,000人のパワーを結集して、お客様の期待に応えていくことが大切だと考えています。2024年もどうぞ、よろしくお願いいたします。
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