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生活すること

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生きるって何だろう?それは生活することなのではないだろうか────30才で伊東市にある海の街へ移住して感じたことを書いています。
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2024年1月の記事一覧

冬をまといながら探す春の気配

冬をまといながら探す春の気配

天気が晴れなことを確認し、新井からバスへと乗り込む。小室山の桜が咲き始めていると知り、見に行ってみることにしたのだ。伊豆の春は早い。小室山には15分ほどで行ける。新井経由での直行バスがあるからとても便利。

バスを降りると、少し肌寒い風が頬を伝った。でもそんな寒さは一瞬のことで、山頂までの登り坂で一気に身体がポカポカと温かくなる。犬と散歩している人からすれ違いざまに、こんにちは~と笑顔で挨拶されて

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ガイドブックを持たずに

ガイドブックを持たずに

散歩へ出かけることにした。暇を見つけては散歩へ出かけるのが日課になってきている。今は腱鞘炎で制作ができないのもあるけれど、そうなる前は制作にのめり込みすぎてしまい、インプットとアウトプットのバランスが崩れたために腱鞘炎というストップがかかったような気がしているため、これからはもう少しインプットの比率を多めにしていきたいと思っている。

近頃、毎週末のように散歩へ出かけている、母から影響を受けている

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近づくことのできない自然へ近づこうとするもの

近づくことのできない自然へ近づこうとするもの

少し近所から離れた場所でのインプットをしたいと思い、熱海にあるMOA美術館へ行くことにした。まさか旅行で来ていた熱海がこんなにも近場になるとは思いもせず、旅行客と共に久しぶりに降り立った熱海駅はなんだか新鮮。観光に来たわけではないため、マクドナルドでちゃちゃっと昼食を済ませ、バスへと飛び乗る。山のふもとにある美術館を目指して、傾斜45度以上はありそうな坂道をぐんぐんと登っていく。駅から近そうだった

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海と共に緩やかに漂う

海と共に緩やかに漂う

半月ぶりに伊東へ帰ることにした。右手がまだ使いものにならないため、もうしばらくは生活サポートをしてもらうべきなのだけど、伊東へ帰りたくて帰りたくて仕方がなかった。もともと心の安定を求めて移住したため、伊東にいる限り私の心は安定する。きっとその心地よさを身体が覚えていて、求めてしまうのだろう。

小田原辺りで電車の窓から海が見えた瞬間、私の心は舞い踊った。待ちに待った海だ!こんなにも心が惹かれるもの

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マイペースの中で生きてゆくこと

マイペースの中で生きてゆくこと

かれこれ半月以上、腱鞘炎で右手が使えない生活を送り、ついに左手で箸を使うのが上手になってきた。人間の環境適応能力はすごい。

右手が使えなくなった時、自分でも驚くほどすんなりと休む決断をした。それは、以前までの私にはなかった選択肢。フリーランスは自分が止まれば、全てが止まってしまう。止まることで計画が遅れるのが嫌で、得体の知れない焦りに襲われる。今思えば、一体何から遅れていて、何に焦っていたんだろ

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街の向こう側に見える海を探しながら

街の向こう側に見える海を探しながら

クリスマスにサンタさんから腱鞘炎をプレゼントされたため、制作をストップして散歩へ出かけることにした。最近やりすぎだから休めよというメッセージなのだろう。駅前まで自転車を走らせ駐輪場に止めて、そこから歩いて松原の方へと向かった。旅行客らしき人たちとよくすれ違う。冬休みの学生や、すでに仕事納めをしてきた人たちなのかなと想像してみる。

伊東松原八幡神社の鳥居を横切り、ひたすら坂道を登って行く。歩いてい

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