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キリスト教的作品リンク

今日の世界は西洋文明が中心にあります。西洋文明はキリスト教とギリシャ文化の融合したものです。

ギリシャ文化は多神教ですから、我々にもさほど理解が難しくない。問題はキリスト教です。西洋人はキリスト教を説明できず、日本人はキリスト教を理解しにくい。

西洋文明の中の人は、なにしろずっと世界覇権の中に居るわけですから、自分たちが世界の中心に居るわけで、周辺民族の気持ちになることなんてできやしません。だからキリスト教を端的に説明できません。それで自分が濃いクリスチャンだと気づかずに作品作ったりする。人類の普遍的な物語を作っていると勘違いしている。それらの作品を解説する西洋人も、彼らにとってそれが自然なことですから、背景のキリスト教的思考を説明できない。

しかし日本人にはその背景がありません。よって日本人にはキリスト教的作品が理解できません。芥川、太宰、三島などはそこに気づいたのですが、当時は今ほど情報ありませんから、ひどい苦労で消耗してゆきました。マイノリティー、反主流派の悲哀です。今は十分咀嚼、消化、吸収できていると思います。

私が最も端的にキリスト教を理解、批判できていると感じるのは、虚淵玄です。

魔法少女まどか☆マギカ
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は契約神としてのエホバへの批判です。契約解除のために、契約の前提となる直線的時間の克服に踏み込まなければなりません。

楽園追放 -Expelled from Paradise-

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は自然の感受により、自発的身体性を回復させる物語です。緑なす大地をよみがえらせることが、自分の生命をよみがえらせることにつながります。

いずれも素晴らしい達成なのですが、ここに至るまでには膨大な先人の苦労がありました。

仏典を読み込む力があった宮沢賢治は、キリスト教の根底について考え、イエスの自己犠牲と、三位一体教義であると結論付けたようです。

銀河鉄道は軽く読んだだけでは理解できないはずの作品ですが、太宰治は出身地方が近いせいかどうも理解できたようで、三位一体教義を日本神話にドッキングさせるという荒業に出ました。

三島由紀夫までくると、より実際的に「昭和初期の天皇制、あれはキリスト教ではないか」とまで踏み込んでいます。

天皇にイエスの役をおっかぶせた時期だったと。西洋文明に苦しんでいたのは、文学者だけではなく日本国家全体だったのだと。

イエス

そのイエス像をもっとも良く描けていると思うのは、この映画です。

「Look at all this. All this life」。こんな人が居たらついてゆきますね、確かに。
同じように生命の中心としてのイエスを表現したのは、

御年2000年くらいの老人になっても、やはりライオンの心を持っているようです。
逆に非常にか弱く、可哀そうなイエス像もあります。

三位一体教義

しかしイエスというキャラだけでは成立しないのが宗教というものでして、実際は教義でガチガチに縛られています。当然教義にキバを向く不逞の輩も発生します。

それに対する反論も発生するのです。

なんでそんな教義にこだわって議論しなけりゃならんのか、疑問ある向きは以下のラストシーンをご覧ください

ほか、キリスト教前段階のユダヤ教成立過程について考察したのが以下の文章です。

神なき後の西洋社会の行方についての悩みは

ご覧ください。アメリカに「信仰を取り戻せ」と呼びかけている作品はこちらです。

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