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「ニーベルングの指環作品群」解説

「ニーベルングの指環」は、作曲家リヒャルト・ワーグナーが、26年かけて完成させたオペラの超大作です。

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ラインの川底の黄金を鍛えて指環を作ると、全世界の富を集める魔力が得られます。しかし指環を持つものは愛を諦めなければならず、かつ死の呪いがかけられています。

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「指環」とはつまり通貨発行権です。紙幣が流通する近代資本主義社会への批判としてかなり良いポイントをついていますので、重要な後継作品を多く生み出し、大きな文芸の流れとなっています。

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「通貨発行」は今後の社会でも確実に最大の課題になります。
軽くでも概略を押さえておいていただければと思います。

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「ニーベルングの指環」解説【ワーグナー】:1876年
https://note.com/fufufufujitani/n/n3f3316538006

「闇の奥」解説【コンラッド】:1902年
https://note.com/fufufufujitani/n/n3e0c750e44c8

「それから」あらすじ解説【夏目漱石】:1909年
https://note.com/fufufufujitani/n/nb1f2b4df5aa6

「グレート・ギャツビー」あらすじ解説:1925年
https://note.com/fufufufujitani/n/n231497cc30ea

「市民ケーン」解説【オーソン・ウェルズ】 :1941年
https://note.com/fufufufujitani/n/n2a5ca4bc07a2

「豊饒の海」解説【三島由紀夫】:1970年
https://note.com/fufufufujitani/n/n8389a1785169

「地獄の黙示録」 解説【ワルキューレの騎行】:1979年
https://note.com/fufufufujitani/n/n4720c5b0d312

パルプ・フィクション 解説【タランティーノ】:1994年
https://note.com/fufufufujitani/n/ne27eb0616fdd

「千と千尋の神隠し」解説【宮﨑駿】:2001年
https://note.com/fufufufujitani/n/nf7d1fad36849

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「ニーベルングの指環作品群」は日本のものを含めた膨大な量の作品が含まれます。作品としての完成度は「千と千尋の神隠し」が一番高かったりします。たいしたものです。そして本源の「ニーベルングの指環」は恐ろしく完成度の低い作品です。「ワルキューレ」は十分良い出来ですが、「ジークフリート」の第一幕・第二幕なんかどうやって楽しめばよいのか、私もさっぱりわかりません。ただひたすらにタルいです。

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作品群全体の核になるのは、コンラッドの「闇の奥」という小説です。キャラ合成という奇抜な手法で物語を成立させています。この点が読解できなかったから、その後の作品群の展開が今まで十分見通せていなかった。コロンブスの卵のごとく、気づけばなんてことはない工夫なのですが。
もしかして「闇の奥作品群」という呼称のほうが適切かもしれませんが、漱石「それから」、三島「豊饒」は、非常に薄くしかその要素を持っていませんので、それは少々言いづらい。

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ほかににT.S.エリオット「荒地」、村上春樹「羊をめぐる冒険」、タランティーノの「ジャンゴ」「ワンスアポン」、岡本倫「極黒のブリュンヒルデ」、ピノシュ主演の映画「アクトレス~女たちの舞台~」など、作品群に含まれそうなものは大量にあります。現代社会の最大の特徴は貨幣経済ですから、「指環」から考えるのが手っ取り早いのです。でも現状では上記作品しか読み解けていません。「荒地」なんか非常に重要な作品なんですが、私が詩が苦手なものでして、力不足できていません。

作品群

「通貨発行権」は社会の「軽いタブー」です。ネットではさんざん議論されますが、主要メディアで十分語られることはまずありません。それは今に始まったことではなく、昔から普通にそうでした。だからメジャーな話題にはなりにくい。だから三島由紀夫や宮崎駿など、超一流の作家のみが扱えました(漱石の理解は不十分です)。そして主要メディアはもちろん、研究者でも作家でも、タブーに切り込む気持ちを持っている人は、残念ながら非常に少ない。下手に触れると市民生活破綻しますから。

ということは逆に言えば、日本が長期停滞から脱出するには、ここが最大のポイントということになります。リフレーション政策を実行した安倍晋三さんは、案の定生命活動までも破綻しましたが、これからも残された人間たちがコツコツ考えてゆくべきだと思います。以下記事もご参照ください。


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