fudo_tsuyoshi

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Fstudio主宰 Fstudio一級建築士事務所 https://www.f-studio.jp/ 兵庫県淡路島在住 https://www.instagram.com/f_studio_awaji/?hl=ja

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増改築プロジェクト 外観

奈良県生駒市で進めている戸建て住宅の増改築プロジェクト、外観の考え方について この建物のテーマは「旧新」だとしている。旧いものを生かして新しいものを追加する。2つの時代を合わせてこれからも家族の住まいを作るという思いをこめている。その中でもどちらかというと既存を大切に、増築する部分は控えめにするのがいいと思っている。 既存部分はそのままに 既存部分の外壁は板張りと漆喰の組み合わせ、屋根は瓦葺きで淡路島の瓦が使われている。板張りは更新する予定だが、既存部分の外観は基本的に大

    • 増改築プロジェクト 申請どうする?

      今回のプロジェクトは申請のハードルがとても高かった、だがこのノウハウは同じような難しい物件で活かすことができると思う。同じやり方が全ての物件に適用できるわけではないというのが建築設計の難しさだと思う。もし似たような問題がある物件であっても解決のアプローチは微妙に違ってくるのだと思う。マニアックな話題になるけれど今回の経験を記してみる。たぶん長文になります。 こういうことを言うのはよくないのかもしれないが、今回のように苦労して法的な整理をせずに増築したり、新築したりしていること

      • 増改築プロジェクト 断熱性能

        生駒市の住宅増改築の断熱性能について、改修する部分と増築(新築)する部分があるので、複合的に断熱性能を考えた。 比較して検討 全体的な断熱性能の目標値はUA値を0.46と0.6で比較してお客様と検討しました。それぞれの場合の断熱性能にかかるコストとそれぞれの場合の電気代のシミュレーションを提示して決めていただいた。最終的な判断としてはUA値0.46を目指す方向で決定しました。 外壁の断熱検討 今回は延焼ラインという関係で外壁の防火性能を求められます。既存建物の外壁が板

        • 鳴門市庁舎

          鳴門市庁舎を見学してきました。内藤廣さんの展示も開催されていて、鳴門市庁舎の模型が多数展示されていたし、他の建物の展示もとても充実していました。市民の方が展示を見て「(市庁舎以外の)こんな建物を設計した人が庁舎を設計したんだ」と言っていたのが印象的で、建築業界の人間であれば、内藤廣さんが庁舎を設計するということは重大ニュースだけれど、市民の方にとってはもちろんそんなことはないだろうから、こうした展示を通じて設計者を紹介できる機会があるのはとても素晴らしいことだと思いました。

        増改築プロジェクト 外観

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          増改築プロジェクト プラン

          限られた広さに家族がどう住まうかということがテーマとなった。増築プロジェクトのため、既存の柱割りや壁の位置など制約もでてくる。その中で充実した住まいを実現するか、お客様と何度も検討した。 庭と母屋と 敷地の中には母屋があり、門屋(今回増築する建物)との間に庭がある。この庭は植物屋灯篭などが多く置かれており、眺めるための庭だった。大きな生駒石がたくさん据えられておりとても格式の高い庭だった。ご家族の要望はこの生駒いしや植物を取り除き使える庭にすることだった。バーベキューをし

          増改築プロジェクト プラン

          洗面所はどこに?

          住宅の検討、お客様との打合せをしていると桜蘭(間取り)について色々と検討することがでてきます。その中でも必ず話題になることがあります。それは「洗面所の位置」についてです。 脱衣所の中にするか 洗面所を脱衣所の中に設けるのはよくあることだと思います。マンションなどでもそういった間取りも多いのではないでしょうか。この間取りはよく見るのでお客様もイメージしやすいと思います。これについてはメリット・デメリットあると思います。脱衣室の中に設けたいと言うお客様に多いのはお客さんなどか

          洗面所はどこに?

          省エネ対策を検証する

          エネルギーを削減したり生み出したりすることは、やればやるほど効果が上がるとも言える、しかし出せるコストにも限りがあり、効果的な程度を検討するためには省エネ対策についてよく検討する必要がある。 省エネ対策を検討するにはいろいろな方法が考えられるが、省エネ効果を確認するツールと省エネ対策を考えるうえで私が大切にするべきと(現時点で)考えていることについて。 省エネ効果確認ツール 省エネ効果を確認するのにはいろいろな手法が出されているが、私が使っているのは主に2つのツールである

          省エネ対策を検証する

          土地を継ぐ家⑩ 建物の燃費

          住宅を考えるとき、(住宅だけではないですが)その家がどれくらいエネルギーを生み出して、どのくらいエネルギーを使うのか、それを考えることがとても大切である。日本はエネルギーの原料を輸入に頼っている部分が多く、エネルギーコストは高くなっており、、エネルギーを使い続けることは出来ない状況にある。どれだけエネルギーを使うかを「燃費」として考える。 エネルギーを抑える この家の場合、使うエネルギーを抑えるためにまず小さな家を目指している。小さな空間であれば空調や照明に使うエネルギー

          土地を継ぐ家⑩ 建物の燃費

          土地を継ぐ家⑨ 設備の計画

          建築を計画するときに設備関係の計画は言うまでもなくとても重要になる。この家では小さい家だからこそ、できる設備計画を心掛けた室外機専用の場所をプランの中心に設けて、そこを使いこなすことを考えた。 設備スペースを集中させる 室外機を置く場所は1か所に集中させ、外から見えにくいようにしている。室外機が外に見えていることを避けたかった、室外機が外に見えているのは性能が同じだけれど見た目に気を使っていないような印象を受ける。まるで同じ性能のダウンジャケットを着ているけれど、一方は例

          土地を継ぐ家⑨ 設備の計画

          消滅可能性自治体

          先日「人口戦略会議」が発表したこの言葉が色々と話題になりました。 この「言葉」ってすごいインパクトがあると思いませんか、言葉だけみると本当に消滅するかのように捉えてしまいます。 この言葉の持つ意味や今の状況をしっかりと理解して、現状を考える必要があるとと思います。人口動態は私の仕事に直接関係のあることなので、それについてもよく考えなくてはいけません。 消滅可能性自治体とは 民間の有識者でつくる「人口戦略会議」が「日本の地域別将来推計人口」にもとづき、20~39歳の若年女性

          消滅可能性自治体

          旅について

          GWとその前後でここ数年では珍しく旅行した。どこに行っても混雑するGWは淡路島か妻の実家の丹波篠山で過ごすのが定番になっていて、この時期の丹波篠山は田植え時期で淡路島では畑仕事などをすることも多い。今年は行きたいところがあったので旅行してみた。 本題は旅について、GWの旅がどうであったかは置いておいて、旅について考えてみたい。 旅することのいいところ 旅すると何かいいことがあるだろうか、一番感じるのは普段の自分では入れられない感覚のスイッチが入るということ、初めて行く場

          旅について

          3Dプリンタ

          3Dプリンタの活用を模索している。 どんな使い方ができるのか単純に興味があるので色々と試してみている。独立してから1人で仕事をまわしているので、省力化したいという思いもある。 基本的に設計はBIMでやるので自ずと3Dのデータがある、その活用方法として可能性があるのかなと考えていた。 今私が使っているのは樹脂による積層型のプリンターなので、別の機械(例えばレーザーカッターなど)を使えば印象も変わるだろう。 https://www.ricoh.co.jp/3dp/lineup/

          近本選手の行動はとてつもなく夢がある

          4/25に阪神の近本選手が一般社団法人「LINK UP」の設立を発表した。個人的にとてもホットな話題だった。記事で知る限りだが個人的に思うことなどを書いてみる。 淡路島がキーワードだった 記事の中で近本選手のコメントの中でとてもグッと来た言葉だった。淡路島で育つこと、淡路島を故郷に持つことは大きな意味があると思っている。私も島外に出て淡路島が出身で良かったなと思えたことが何度もあった。自分のルーツというか根っこがきちんと意識できることは人生においてとても大きいことだと思う

          近本選手の行動はとてつもなく夢がある

          RegionRadio#S2-01~02

          RegionRadio RegionRadioというポッドキャストをよく聞いています。地域経済について実例から理論まで様々な視点で語られていてとても勉強になります。淡路島にUターンしてから地方や地域に関する情報に特に目が行くようになっていますが、この番組からたくさん勉強させてもらっています。 繰り返し聞いているこの番組を再度聞き直し、アウトプットとして自分なりにまとめてみようと思います。これまでは移動中の車内で聞くことが多かったのですが、メモを取りながら聞くことで解像度が上

          RegionRadio#S2-01~02

          君たちはどう生きるか

          当初上映された時に観ることが出来なかったが、アカデミー賞受賞で再上映されたので観てきた。 「わかりやすい作品ではない」というのが率直な感想。 この物語が何について何を語っているのか、それを簡単に説明することは難しいと思う。 世界の成り立ちや存続が不安定であるだろうというメッセージや、現実に見えているものだけがこの世界を成り立たせているのではないのでは?といったメッセージを感じた。 抽象的なテーマを、作画、声、音楽が作り出す世界観が増幅しているような感覚だった。何が言いたい

          君たちはどう生きるか

          土地を継ぐ家⑧  屋根の架け方

          屋根を考える時に、瓦屋根を使うのは必然に思えた。この集落で育った私は瓦屋根が連なる集落の風景を見てきたし、その良さを知っている。この場所には瓦屋根しかないと思っている。 ただ、エネルギーを作る家にしたいとも思っていた。現代の暮らしはエネルギーを自給できることは必ず考えないといけないことに思えた、この小屋のコンセプトはシェルターなんだから。 エネルギーをつくる手段として、太陽光パネルを屋根にのせるのが一番簡単である、だが瓦屋根にのせることは美観的にも性能的にも許せない。そこで、

          土地を継ぐ家⑧  屋根の架け方