増改築プロジェクト 断熱性能
生駒市の住宅増改築の断熱性能について、改修する部分と増築(新築)する部分があるので、複合的に断熱性能を考えた。
比較して検討
全体的な断熱性能の目標値はUA値を0.46と0.6で比較してお客様と検討しました。それぞれの場合の断熱性能にかかるコストとそれぞれの場合の電気代のシミュレーションを提示して決めていただいた。最終的な判断としてはUA値0.46を目指す方向で決定しました。
外壁の断熱検討
今回は延焼ラインという関係で外壁の防火性能を求められます。既存建物の外壁が板張りであることから、増築部分も板張りとすることにしています。外壁を板張りとしながら壁の防火性能を確保するためには大臣認定を取得している構造とする必要があります。(土壁は防火性能があります)外壁の防火性能に配慮しながら目標とする断熱性能を確保するためにどういった構造がコストをかけすぎず実現できるか、検討しています。
既存部分は外壁が土壁で外観も既存のものを生かしたいという思いがお客様と一致していたので、内側に断熱材を設置することにしています。薄くても断熱性能が高いものを採用予定です。
増築部分は外壁側に付加断熱という形で断熱をしています。防火性能を確保するためには大まかに2つの方法が考えられ、1つ目は構造用面材といわれるものを防火性能の高いものにする、2つ目は防火性能の高い断熱材を外側に設置するという方法です。ここでは目標の断熱性能を確保するために外側に断熱材を設置する方法としました。
北側の窓
断熱性能を考えるときに北側の窓の大きさを悩みました。今回は北側が庭に面して唯一大きな窓が取れる建物なので、お施主様の希望もあり北側に大きな窓を設けています。北面は西面ほどではないけれど大きな窓を設けると日射取得(冬に窓から太陽光で暖かくなる)よりも熱損失(窓があることで空調しないといけない量)が上回ってしまいます。今回もどうしてもそうなってしまうのですが、窓をトリプルガラスとして、建物全体でUA値を確保するように検討しました。
床と屋根
床は基礎ではなく床断熱としています。屋根は天井を高く取りたいのと既存と新設の梁を見せたかったので、屋根面に断熱材を設置しています。既存部分については既存の母屋の間に断熱材を重点させる形としました。
改修部分は特に現場での施工が大切になると思うので、現場監理もしっかりと行う必要がある。
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