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土地を継ぐ家⑧  屋根の架け方

屋根を考える時に、瓦屋根を使うのは必然に思えた。この集落で育った私は瓦屋根が連なる集落の風景を見てきたし、その良さを知っている。この場所には瓦屋根しかないと思っている。
ただ、エネルギーを作る家にしたいとも思っていた。現代の暮らしはエネルギーを自給できることは必ず考えないといけないことに思えた、この小屋のコンセプトはシェルターなんだから。
エネルギーをつくる手段として、太陽光パネルを屋根にのせるのが一番簡単である、だが瓦屋根にのせることは美観的にも性能的にも許せない。そこで、メインの瓦屋根とは別にエネルギーを作り出す屋根をつくることを考えた。ハイサイドライトの下に屋根を作ることで、屋根に反射した光が室内を
照らすことも期待している。

こうして考えると、元々の納屋も屋根が2段になっていることを思い出す。瓦屋根は屋根を大きくすることがないことはないけれど、分割することはよくやる手法だと思う、それは小屋裏換気のために窓を設けたり、色々な理由があると思うのだけれど、その写しのように屋根を2段にする。2段屋根の間に採光窓があるのも元々の納屋の写しのようになった。

この建築は住居と倉庫に別れていて、その間に周囲を眺める抜けを作っている。それらをつなぐように1つの屋根を架ける。長い屋根は迫力ある一つのものとして、この場所に存在感を与える

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