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#認知バイアス
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ダン・アリエリーの「予想通りに不合理」を読み、ヒトの認知のクセについて、具体例を挙げながら考えてみたいと思っています。
フロイトは、ヒトが心を乱す不都合なことから自らの信条の安定を維持するための仕組みを、いくつかのパターンで示しました。これを防衛機制と言います。「予想通りに不合理」は、ヒトに認知のクセについて整理したものであり、防衛機制をもう少し拡張したものと考えてよいかもしれません。「認知的
アンカリング効果 1
私が大学に入った45年ほど前に、街中でコンビニを見かけるようになりました。それ以前は地方に住んでいたので、ようやく田舎にもスーパーができたというくらいの時期でした。当時のコンビニは、開いている時間が長いだけで値段が安くないスーパーといった見方をされていて、貧乏学生は余り利用していませんでした。物の値段だけで比較するという考え方から利便性にお金を払うという考え方に思考を転換させるには、かなりの時間
もっとみるアンカリング効果 2
イタリアの商人であるジェームズ・アセールは、第二次大戦の勃発とともにキューバに避難し、アメリカ軍人の需要に応じてスイスから防水腕時計を調達して販売し、成功を収めました。終戦とともに多くの時計が売れ残り、スイスの時計を欲しがる人が多い日本には、敗戦国ゆえに、高価な時計を購入できる人は少ししかいませんでした。ジェームズは、欧米では希少であるものの日本では珍しくなかった真珠と腕時計とを交換することを思
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