子どもに「無理をさせない」のと「我がまま」の違いは何なのだろう。
#20231110-285
2023年11月10日(金)
子育てに正解がないのはわかっている。
子どももそれぞれ、親もそれぞれ。
目の前の子どもをよく見て、集めた情報のアレとコレを組み合わせたり、手を加えたりして、子どもに対してやってみる。双方が快適ならば、継続して様子を見る。うまくまわらないようならば、どこにつまずいているのかを確認。
子どもも親も楽しく暮らせるのが何よりだ。子どもは子どもとして楽しく、子どもを親のコントロール下に置きたいわけではない。
「今日一日、いい日でありました」
互いににんまり笑って眠りたい。
地域の里親のランチ会に行ってきた。
2学期は学校行事が多い。その準備に伴い授業が短縮になり、ノコ(娘小4)の下校時刻が早いため残念ながら欠席が続いていた。
久し振りの出席。この顔ぶれのなかでは、ノコを受託して4年目の私は新米里親だ。
里子がノコより大きい里親、ファミリーホームをしていて何人もの里子や一時保護の子どもを養育している里親。私にとっては先輩の方たち。
子どもはいずれ社会に返す存在。
実子もおり、たくさんの里子を育ててきたベテラン里親がいった。
それは私も同じ想いだ。時が来たら、里子のノコと縁が切れるという意味ではない。いつかは自立して社会の一員となるという意味だ。
ベテラン里親は、それゆえ1人の人間として社会に出てから困るような養育をしたくないといった。仕事は「今日は行きたくないから休む」わけにはいかない。よって、学校も「今日は行きたくないから休む」ということを容認できない、と言葉を続けた。
確かにその日の気分で「行く/行かない」と簡単に変えられない職種、職場もある。だが、そういう働き方をしたくなければ、できないのであれば、職の選択肢は減るかもしれないが、ゼロではない。
自分に合った学び方や働き方はどこかにある。
ないのなら、これまた困難な道だが自分で作るという手もある。
ノコのクラスにも不登校の子どもがいる。
用事で学校に行けば、校門の前でつないだ手を引き合っている親子の姿を目にすることもある。学年の昇降口ではなく、まっすぐ保健室に入って行く子どもも見掛ける。
行き渋りなら、ノコも何度かある。
「不登校」は、我が家にとってもすぐそこ、決して遠くない。
人に関わることが少ない私にとって、情報源はもっぱら本、デジタルならばnoteや音声配信のVoicy、X(旧Twitter)だ。どうしても似た思考のものに接する機会が増えるため偏っているかもしれない。
それでも、最近「不登校」に対しての向き合い方が変わりつつあるように感じる。
新しい向き合い方が正しいというのではなく、選択肢が増えた。正しい/正しくない、はない。
私もノコの宿題をやらない、朝食を食べない、入浴しない、寝ないの「しないしない」尽くしに頭を抱えていた。
次第に無理強いをせず、ノコを尊重しようと気持ちを切り替えた。
宿題をやらないのなら、担任教諭にノコがやらないことを伝えればいい。朝食は食べたくないのなら食べなくても死にはしない。入浴は数日入らなくても大丈夫だろう。寝ないといっても就寝時刻に寝たくないだけであっていつかは寝る。
ノコのタイミングを重んじるのと我がままはどこが違うのだろう。
いつまでこれを続ければいいのだろう。
ノコとのいい争いは減ったが、生活リズムは乱れ、傍から見ていると調子のよい暮らしには見えなかった。
ノコが思うようにしているのに、ノコが快適に見えない。
結局、むーくん(夫)がしびれを切らし、そんな日々は打ち切りになった。
もっと長く続けていれば、ノコなりに気付くことがあり、生活が変化したかもしれないが、それまで待てなかった。
朝は親が決めた時刻に起床。朝食は食べる。宿題を済ませなければ、お楽しみのTVや読書はなし。親が決めた時刻に入浴し、眠くなくてもベッドで横になる。生活リズムを整え、やるべきことをする。
私と2人だとノコは自分の決めたスケジュールで動きたいと主張することもあるが、この10日ばかりは概ね規則正しく過ごしている。ノコも同じような時刻に空腹になり、眠くなるので楽に見える。ただ時折「私がいう通りにすれば、ママとパパがイライラしなくて気持ちいいだけでしょ」と睨んでくる。
やはり不本意なのだろうか。
つまりは、どうしたらいいのか、何がいいかは、本当にわからない。
ベテラン里親がいった「生活リズムや規則を乱すような子どもの行為は容認できない」というのは、たくさんの子どもを養育してきて、あれこれ試して、ひと巡りした結果たどりついた姿勢なのだろうか。その場で質問すればよかったのかもしれない。
私も迷いに迷っている最中で、ノコ自身がこうしたら心地よいとわかるまで続くのかもしれない。今はまだノコがしたいように過ごしても楽しそうに見えない。
「まだ、私、9年しか生きてないんだけど」
もっともなことをノコがいう。