小説執筆に便利なツール28選【類語辞典、校正ツール、ジェネレータ+How to記事】
趣味の長編小説書きが、執筆に便利に使っている各種ツールを紹介します。随時更新(最終更新:2024/03/08)
※いろいろ追記して、もう28選じゃなくなっていると思いますが、面倒なのでこのままで。
文章表現(類語辞典・表現データベース)
文章表現に悩むより、さくっと辞書で解決しよう
物語を書きあげることと、よい表現を探すことは別ものなので、第一稿では表現はほとんど無視して書く。たとえば「〇〇は言った」とか「ため息をついた」とか、おなじような表現が連続しても気にしない。第一稿が書けたら投稿予約をし、余裕があればそのあいだの時間で推敲する。類語辞典を使うのはそのとき。同じ単語を何度も使っていれば類語に置き換えたり、よりよい表現を探してみる。
たとえば文中で頭が痛む表現が重複しているときは、『連想類語辞典』で「頭痛」と引くと、これだけの表現が出てきます。
『日本語表現インフォ』のほうはカテゴリー別になっています。
こちらは実際の小説本文が出てくるので、引用する際はご注意を。
文章校正ツール
文章の読みやすさは作品のハードルを下げてくれる
校正ツールはいくつかあるけど、私はこれを愛用しています。Yahoo!APIを利用した文章校正サービスで、誤字脱字・ひらがなにしたほうがいい語句の指摘などしてくれるもの。コピペするだけなので、誤字脱字が多い人はぜひ。
使用画面はこんな感じ:
校正サービスは種類によって指摘してくれる内容にけっこう差があるので、いくつか試して自分の文章に合うものを探すといいかも。また、経験上表記ゆれはあまり拾ってくれないので、そちらはWordなどを使うほうがいいかもしれません。
読みやすさのチェック(漢字使用率・難易度)
漢字や難しい言いまわしを使いすぎていませんか
『日本語テキストの難易度を測る』
「小説が読まれない」と嘆いている人の作品を読みに行くと、ストーリーにたどりつくまえに、文章が固かったり言いまわしが難しかったりして読むのが疲れるものがあります。
もちろん読みやすさがすべてに勝るわけではありませんが、ストーリーの面白さよりは工夫が簡単で、作品が読まれる敷居を下げてくれます。一度チェックしてみませんか。
上は『日本語テキストの難易度を測る』で測定したもの。測定には各学年の教科書を使っているので、小説の内容によってはあまりぴんとこない結果になることも。
個人的には、とくにWeb小説では中学三年生レベルくらいで読める文章がちょうどいいと感じます。
関連するけど、ルビもなるべく振ったほうがいいです。
【2021/07/07 リンク修正しました】
漢字を読むにも脳のリソースを使うので、なるべく読者負担を軽くして物語に没頭してもらえるように。人名の読みも、けっこう忘れますよ。
ネタ用(名前ジェネレータ・辞典類)
名前を考えるのはたいへん。思いつかなかったら、「〇〇+ジェネレータ」で検索してみるのも手。『NAME MAKER』は「ファンタジーな名前」、「今風の名前」などをクリックごとにいくつか生成してくれます。属性を選んだりはできませんが、クリックするだけなので手軽。
現代が舞台で、子どもの名前が古めかしいとちょっとちぐはぐですよね。キャラの生まれた年を決めて、その年に人気の名前をネットで調べるのもいいですよ。
これもおすすめ! とくに日本語の、自然な名前がいいです。
特筆すべきは「名前のめずらしさ」の指定ができること。無難な名前がいいのか、インパクトのある変わった苗字を使いたいのか、用途に合わせて選べます。現実の集団には、ある程度どちらもふくまれていますもんね。
ただ英語圏の名前は、多人種・宗教がいりまじっている印象で、使用には注意が必要な感じがします。
日本で暮らしていると忘れがちですが、名前も苗字も、その人の人種や国籍、宗教といったバックボーンを色濃く反映するものですから。主要なキャラが外国人なら、選んだ名前のバックボーンも調べたほうがいいかもしれませんね。
追記。最近のお気に入りです。名前と地名あり:
また、辞典類もインスピレーションに役立ちます。
「Word Cascade」はいわゆるランダム刺激です。ぼーっとしながらひらめきを待ちたいときに。
表紙・宣伝画像の作成
かんたん表紙メーカー&Canvaは神
投稿サイト用の表紙から、うまく使えば同人誌用の表紙まで作れるありがたいツール。
作例:
これは『かんたん表紙メーカー』とCanvaの合わせ技。
文庫ページメーカー
Twitterでの宣伝に。こんな画像ができます:
他サイト投稿用(記法の変換)
これは「小説家になろう」など他サイトの投稿用。複数サイトに投稿していても、お気に入りのエディタがあるサイトで書きたい。私はカクヨムの画面が使いやすいですね。
なお、改稿などで一度に大量に検索・置換したい単語がある場合は、テキストエディタを使うほうが便利。私は作品を一括ダウンロードして、Meryで編集しています。
その他の便利ツール(テキストエディタ・文字数カウントなど)
テキストエディタ
WORDより軽くて、長編小説も扱いやすいテキストエディタが執筆におすすめ。
「Mery」:私はアウトライン機能のあるメモ帳として使っています。話ごと章ごとに簡単に移動できるので、プロットを作るときや、一冊分をまとめて修正するときなどに便利。正規表現での検索・置換もよく使う。多機能のわりに動作が軽いのもありがたいです。Meryの紹介はこちらもどうぞ。
「TATEditor」:Meryよりやや高機能で、小説投稿サイトのルビが使えるほか、同人誌用の組版もできます。紹介はこちらから。
記事内にあるとおり、どちらも使ったことがありますが、私はMeryに落ち着きました。iPadとかスマホで書きたい人にはアプリ版TATEditorも便利だと思います。
文字数カウンター
原稿用紙換算も便利。画面はこんな感じ
英語翻訳
資料チェックなどに。
縦書きPDF(同人誌作成用)
同人誌の印刷用原稿(組版)を作るのにはいろいろな方法がありますが(印刷会社が提供してくれているサービス、InDesignなど専用の組版ソフト、Wordで作るなど)、手軽できれいに作れて無料で使える『威沙』もおすすめです。
番外編:
小説の行き詰まりに『Writer Emergency Pack』
プロット段階でアイデアがぜんぜん出ないときに便利です!
外見はトランプみたいな感じです。そんなに大きくないので、私はペンケースにいつも入れてます。
カードは二種類あって、イラストのものとそれが詳細に解説されているものが対になっています。
作家用に作られているだけあって、けっこう実用的なアイデアが書かれています。たとえば、「IMPOSTER(なりすまし)」。キャラクターのなかに、見た目どおりでない者がいたとしたら? 敵か、味方か、主人公自身かも? なぜなりすましているのか、もし見つかったらどうなるのか、そこから利益を得る者は? ――などなど、考えてみるべきアイデアが列挙されています。こういうデッキはわりとよくあるんですけど、アイデアがとっぴすぎても使いづらく、これはいいあんばいでひらめきが出やすいので、気に入っています。
構想段階は、私の場合「ぜんぜんアイデアが出なくても、とにかく机について構想を書く時間をとること」と「散歩に行って気分転換」のくり返しが効果的でした。一生懸命うなって考えて、気晴らしに散歩~のときに思いつくんですよね、けっこう。
How To・読み物系
エブリスタ・カクヨム、それぞれのオンライン講座。monokakiは良記事が多いです。
三幕構成についての、かなり詳細でわかりやすい解説。「物語が観客に提供できる最大のものは変化だ」「『劇的』『ドラマ』とは(中略)因果関係において形づくられた、対立(葛藤)のことである」など名文が多い。スナイダーの理論(『SAVE THE CATの法則』)についてもよくまとまっている。
小説賞の選考者・編集者目線での創作アドバイス。初心者向けだが、大事な内容が書かれている。
『SAVE THE CATの法則』の作者によるストーリーのテンプレート分類。自分がどういうテンプレのストーリーに惹かれるのか分析すると、ストーリー作りの役に立つかも。
「「メモしていた人物相関図と情報まとめを無くして以来読み専になってしまって…」と感想もらって気付きました。読者さんは長編だと伏線も設定も忘れながら読むものなので、しつこく反復して出すのは重要」「詰まったら「これだけは書きたい」というシーンを一旦抜いてみる」「迷ったら即ひらがなにひらく」「迷ったら恥ずかしい方へ」「喘ぎ声は無駄に思えても、無いよりはあるほうがよいよ」……などなど、今でも心がけている名言多数。
この心得、ノートに手書きで写してました~。
その他のおすすめ記事
たまに新しいのに入れ替えてます。
絵も描いてます。
サムネ絵&宣伝
女性向けの恋愛ファンタジー(リアナシリーズ)を書いてます。俺様王子様なドラゴンライダーと腹黒好青年な護衛との三角関係が百万字続きます。どれほどのもんじゃいと思われるかたは見てやってください~
【リアナ1 王冠の竜騎手と心臓のない英雄】
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?