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一度、手ばなしてみませんか?

物事は「継続すること」がすべてだと
よく言います。

また、持っているものを
(いつまでも)大切にしましょうという考え方もあります。

だからこそ、
途中で諦めてしまったり、
何かを手放してしまうことに
言葉にならない不安を感じることもある。

でも僕は、何かを継続すること、
持ち続けることが全てだとは思いません。

時には「手放してしまう」

そんな勇気が必要なときだって
あると思うんです。



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大きな失敗をした時、
それで人生が終わりだと
世の中の多くの人々は考えます。

解雇された、、、終わりだ。
離婚した、、、、終わりだ。
破産した、、、、終わりだ。

僕たち日本人は、
幼い頃から、加点方式で教育を受けてきました。

だからこそ、
知らぬ間に何かを失うことが
恐ろしいことのように感じてしまう。

そんな体質に出来あがってしまっているんだと
思うんです。



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あまり自分自身の失敗談を
お話したくはないですが、
僕も過去に事業を一つ失敗させています。

その後、
街の中を彷徨いながら、
家もない生活をしていたことだってあります。

当時、
僕のもとから離れていった仲間の別れ際の表情や、
期待を裏切ってしまった人々の最後の一言は、
今でも、深く深く心の奥に染み付いています。

それから数年、
僕はその事業から距離を置き、
全く新しいことを始めていました。

必要とする技術も知識も違う
まったく新しい分野に取り組んでいました。

過去の自分を「手放した」んですね。



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そんなある時、
不思議なことに気がついたんです。

それは、その時どれだけ苦しかったことでも、
一度手放してみると、
後になって大きな財産として
自分に返ってくるのだということ。

今思えば、
僕は何をするにしても
その時の失敗から得た教訓によって
物事を前へ推し進めていることに気がつきました。

今まで大切にしてきた経験や知識を
一度手放してしまうことで、
冷静に自分と向き合えたのかもしれません。

今の僕が確信を持って言えること。

それは、
手放すということは、失うことではなく、
何かを得ることなのだということ。



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実は僕の周囲の人たちも、
「手放した時にこそ」何かを得てきた人が
多くいます。

今では都会のど真ん中で
お店を開いている料理人の先輩は、
幼い頃の田舎生活から多くを学んだと言います。

自然豊かな田舎の生活で季節を感じ、
細やかな時の移り変わりを楽しんだ
その時の感覚が、何よりも今の料理の中で
いかされているのだそう。

田舎での生活を手放してみて
気がつけたことだそうです。


また、別の友人は、
経営者として最も役立ったことは何かと聞けば、
それは意外にも大学時代のラグビー部での経験だったそうです。

チーム一丸となって、
一つの場所へ向かうことの大切さを
ビジネスの現場ではなく、若い頃のラグビーの経験の中でこそ
学んだと言っています。

彼は学生当時、
ラグビー選手という夢を手放してしまいましたが、
今では、その経験は大きな財産として
会社経営に活かされているそうです。


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日常に行き詰まった時、
自分に停滞感を感じる時。

勇気をもって、
今手にしている何かを手放してしまうことに
ヒントが隠されているのかもしれません。

手放すことって、
失うことではないんです。

大切なものを運んで
再び自分のものとに返ってくる。

そんな行為なのかなと、
今では冷静に考えられます。

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