変性意識とセラピー(ゲシュタルト療法他)を統合した、真の意識変容の方法―流れる虹のマインドフルネス

マツイユウ 変性意識活用トレーナー。深化・進化型の新ゲシュタルト療法家/ファシリテータ…

変性意識とセラピー(ゲシュタルト療法他)を統合した、真の意識変容の方法―流れる虹のマインドフルネス

マツイユウ 変性意識活用トレーナー。深化・進化型の新ゲシュタルト療法家/ファシリテーター。心理学的シャーマニズム・トレーナー。作家。 https://freegestalt.net/

マガジン

最近の記事

「混乱は、力と能力の過剰を意味する」―ノヴァーリス (その1)

 ノヴァーリスは、ドイツロマン派の詩人、作家です。  彼は、30歳を前に夭折したため、生前には、わずかな作品しか知られていませんでした。しかし、同時代の巨匠ゲーテに、「もしノヴァーリスに長命が与えられていたとしたら、彼は、詩壇の王になっていただろう」と言わしめた特異な天才でした。    ノヴァーリスが生きた時代は、近代の幕開けの時期であり、近代的な思想や実証主義が、新しい人類史の開明をつくっていくと、希望と期待を持たれていた、そんな時代でした。  ノヴァーリス自身は、早々に

    • 「走馬灯のように全人生を回顧する」とは (その2)―ライフレビュー体験 噂話を超えて

       「『走馬灯のように全人生を回顧する』とは(その1)」では、「ライフレビュー(人生回顧)」体験にまつわる周辺事項や、私自身の体験した光景について色々と書いてみました。  今回は、その体験がもたらした洞察をいくつか見ていきたいと思います。  「その1」では、拙著より、その体験の光景についての部分を引用してみました。その続きを見てみましょう。    さて、前回(その1)の光景シーンで見たように、そこには、時間軸にそって、無数の「私」が、「私」たちが、数珠つなぎにいたのでした。

      • 「走馬灯のように全人生を回顧する」とは (その1)―ライフレビュー体験 噂話を超えて

         私たちの「意識 consciousness」には、一般には知られていない、さまざまなタイプ(状態)があります。  そのあたりについては、別の記事に書きました。 →【概説 その1】「私」とさまざまな意識状態 ―夢見・フロー体験・至高体験 →【概説 その2】「私」とさまざまな意識状態 ―変性意識・サイケデリック体験・体験的心理療法  その多種多様さは、万華鏡のように、私たちの「意識 consciousness」のさまざまな側面について教えてくれるものとなっています。  そして

        • アウトサイダー・アートと永遠なる回帰(永劫回帰)

           「アウトサイダー・アート」とは、正規の芸術的訓練を受けていない人々、特に障害をもった人々などによって作られたアート作品のことですが、それらの作品には、他の文化的な文物には感じられない、独特な魅力があります。  その魅力を語る決定的な言葉がないにも関わらず、多くの人がそこに強い魅力を感じるのは、アウトサイダー・アートが、私たちの心や精神に働きかける深い要因があるからだと思われます。  それは、アウトサイダー・アートの幻視がひき起す、眩暈のような性質であり、私たちに変性意識状態

        マガジン

        • 音楽・映画・本・アート・その他
          8本
        • セラピー/ゲシュタルト療法/体験的心理療法 アプローチのコツ
          4本
        • さまざまな名言
          2本
        • 「心」に取り組み、解放し、創造的になる方法―心をあつかう技法
          7本
        • 変性意識とさまざまな意識状態
          9本
        • イベント/セミナー
          1本

        記事

          「制約を捨て、さらなる上部構造にシフトする時だ」―ゴースト Ghost の変性意識(その2)

           別の記事「制約を捨て、さらなる上部構造にシフトする時だ」―ゴースト Ghost の変性意識(その1)」で、映画『攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL』を素材に、私たちの心や意識について、少し考察してみました。  特に、作中のセリフ、 「われわれをその一部に含む、われわれすべての集合、わずかな機能に隷属していたが、制約を捨て、さらなる上部構造にシフトする時だ」 (『攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL』の中で、人形使いが、草薙素子に語る最後の言葉) を

          「制約を捨て、さらなる上部構造にシフトする時だ」―ゴースト Ghost の変性意識(その2)

          「制約を捨て、さらなる上部構造にシフトする時だ」―ゴースト Ghost の変性意識(その1)

          「われわれをその一部に含む、われわれすべての集合、わずかな機能に隷属していたが、制約を捨て、さらなる上部構造にシフトする時だ」 (『攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL』の中で、人形使いが、草薙素子に語る最後の言葉)  さて、別のセクションでは、映画『マトリックス』を素材に、私たちの日常意識と変性意識状態(ASC)の関係について取り上げてみました。 →映画『マトリックス』のメタファー(暗喩)  残像としての世界  ここでは、その『マトリックス』の元ネタのひとつで

          「制約を捨て、さらなる上部構造にシフトする時だ」―ゴースト Ghost の変性意識(その1)

          『アレフ』―無限宇宙への隠された通路 

           さて、別の記事で、諸星大二郎の『生物都市』や、LSD体験セッションの中で鉱物的結晶に同一化する変性意識、「鉱物的意識」の興味深い事例について見てみました。 →諸星大二郎の『生物都市』と鉱物的意識  ところで、それらの体験報告は、しはしば古代的な宗教文献などでも語られる、日常意識の背後にある「遍在的で、全一的な、宇宙意識」の様態をさまざまに夢想させるものでもあります。  今回は、その関連でアルゼンチンの作家ホルヘ・ルイス・ボルヘスを取り上げてみたいと思います。  ボルヘ

          諸星大二郎の『生物都市』と鉱物的意識

           諸星大二郎といえば、昔はカルト作家?であり、いまや日本を代表する奇譚漫画家ともいえる存在です。  その彼が、1974年に手塚賞をとった短編『生物都市』は、昭和の素朴な子どもたちの心に強烈な刻印を残したトラウマ漫画でした。  (以下は、ネタバレ)  内容は、探査宇宙船が、木星の衛星イオから運んできた謎の感染性の「何か」により、人間(生物)と金属類とが次々と融解し、融合していってしまうという物語です。  物語の舞台は、日本の地方都市ですが、やがて全世界が、どうしようもないままに

          「瞑想は、静寂を得ようとか、よりよき人間になろうとすることではない」―チョギャム・トゥルンパ 

           チョギャム・トゥルンパ・リンポチェは、アメリカで活躍した、チベット仏教カギュ派のリンポチェでした。アメリカでチベット仏教を広めていった最初期の一人であり、傑出した人物でした。  彼が、チベット仏教を、アメリカで教えはじめた時代は、一時のブームは去ってはいましたが、まだヒッピー・カルチャー、サイケデリック・カルチャーの熱い余燼のある時代であり、ニューエイジ的な思潮の黎明期だったのです。そのため、多くのその手のアメリカ人が、「東洋の神秘」や「秘密の教え」を求めて、彼の元に押し寄

          「瞑想は、静寂を得ようとか、よりよき人間になろうとすることではない」―チョギャム・トゥルンパ 

          臨死体験のメタファー―天国的身体と変性意識状態

           以前、別の記事で、映画『マトリックス』について解説する中で、通常の私たちの「日常意識」が過ごしている世界が、真に流動化した心身の「残像」でしかないことについて触れました。 →映画『マトリックス』のメタファー(暗喩) 残像としての世界  そして、さまざまな体験的心理療法にあるような、深い心身一元論的な解放が、私たちに別の世界を垣間見せてくれることについて記しました。  ここでは、アヴァランチーズ The Avalanches の昔のミュージック・ビデオ(PV)、楽しくも感

          映画『マトリックス』のメタファー(暗喩) 残像としての世界

          昔、『マトリックス』という三部作の映画がありました。封切り当時は、ユニークな世界観や映像表現でインパクトをもち、ヒット作となった映画でした(近年、二十年ぶりに、第四作目が出ました)。  この映画については、その世界観について多様な解釈や議論がなされましたが、ここでは、少し違う切り口で、この映画が創り出している表現の興味深さや豊かさについて考えてみたいと思います。  というのも、この映画が生々しく表現できている「現実世界」の感覚(仮想現実の表象)は、変性意識状態(ASC)やサ

          NLP 学習進化の5段階モデル―深層能力の抽出 ―良いプレイヤーが良いコーチになるとは限らない

           さて、セラピーでも、スポーツでも、さまざまな芸事や技能を学び、そのスキルを高めていくプロセスには、或る共通した習熟(進化)のプロセス/パターンがあります。  NLP(神経言語プログラミング)の中では、そのような学習進化のプロセスについて、5段階の発展モデルが知られています。  つまり、人は、何かのスキルを高めていく時、次のようなプロセスをたどって、その能力を高めていくというものです。  実は、このモデルは、とても有効なものであり、NLP(神経言語プログラミング)のような

          NLP 学習進化の5段階モデル―深層能力の抽出 ―良いプレイヤーが良いコーチになるとは限らない

          6/22 無料オンラインセミナーのご案内

          月日: 2024年 6月22日(土) 時間: 21:00~23:00(予定) 無料オンラインセミナー『ゲシュタルト療法&変性意識活用法入門――心理的統合から自己超越へ』を開催いたします。 心理療法である「ゲシュタルト療法」の基本的な考え方や原理について、また、その「深化/進化型としてのセッション」などについて、さまざまに解説いたします。 また、私たちの心の可能性をひろげる「変性意識状態(ASC)」という、変異した意識状態についても、さまざまにご説明いたします。 日本では他に

          サイケデリック・シャーマニズムとプラントメディスン(薬草)の効果【概論その2】―ケン・ウィルバー、スタニスラフ・グロフ

           【概論その1 基本事項、注意事項、ティモシー・リアリー、チベットの死者の書】では、サイケデリック・シャーマニズムについての基本的な事柄を子ました。  ここでは、その続きで、サイケデリック体験で顕れてくる「心の世界」を理解するのに、さらに参考になるものを挙げていきます。 【4】微細エネルギー/元因エネルギーの構造―ケン・ウィルバーのモデル  実際のサイケデリック体験においては、現在、通常の現代社会(現代科学)が想定している以上の現象、さまざまな不可思議な現象も起こってきま

          サイケデリック・シャーマニズムとプラントメディスン(薬草)の効果【概論その2】―ケン・ウィルバー、スタニスラフ・グロフ

          【概説 その2】「私」とさまざまな意識状態 ―変性意識・サイケデリック体験・体験的心理療法

           『【概説 その1】「私」とさまざまな意識状態 ―夢見・フロー体験・至高体験』では、私たちがもつさまざまな「意識状態」について見てきました。  身近なものから、遠大なものまで、各種とりあげてみましたが、このように、「意識状態」というものが、私たちの人生に影響を与え、その創造性や質(クオリティー)を大きく変えていくものであることを感じていただけたのではないかと思います。これら「日常意識」以外のさまざまな意識状態を、「変性意識状態」と言います。  この「変性意識状態」という言葉

          【概説 その2】「私」とさまざまな意識状態 ―変性意識・サイケデリック体験・体験的心理療法

          サイケデリック・シャーマニズムとプラントメディスン(薬草)の効果【概論その1】―基本事項、注意事項、ティモシー・リアリー、チベットの死者の書

          【1】サイケデリック・プラントメディスン(薬草)について  古来より世界中のシャーマニズムの中では、人の意識を変えて、変性意識状態(ASC)に導いて、世界の隠れた次元を開いていく、さまざまな方法論が存在していました。  中でも、ある種の幻覚・幻視効果を植物等(サイケデリック・メディスン、スピリット・ヘルパー)を摂取することにより、人を強烈な変性意識状態に導く方法というものがありました。  中南米の部族によって広く行なわれてきた、さまざまなサイケデリック・メディスン(薬草)

          サイケデリック・シャーマニズムとプラントメディスン(薬草)の効果【概論その1】―基本事項、注意事項、ティモシー・リアリー、チベットの死者の書