記事一覧
第一回きつね童貞文学大賞 大賞は山本貫太さんの『エイズで死んだ童貞』に決定!
令和5年8月22日から9月22日にかけて開催された「第一回きつね童貞文学大賞」は、選考の結果、大賞・金賞・銀賞、各評議員賞、ファンアート賞が下記のように決定しましたので報告いたします。
◆大賞
山本貫太『エイズで死んだ童貞』
大賞作品には草森ゆきさんからファンアートが送られます。
◆金賞
ももも『恋愛未満』
◆銀賞
真狩海斗『童貞、銃を拾う』
◆各評議員賞
◆謎のリドラー賞
ライツ・カメラ・アクション!
思い起こしたのは、昔撮ったクソみたいなパニック映画のワンシーンだ。雑なVFXに破綻しきった脚本、ラリった視界めいた極彩色の映像。静止画の爆発に後付けされたフリー効果音の音量バランスは最悪だった。
計算された破綻だ。意図して産まれたメチャクチャだ。若さゆえの型破り思考が招いたどうしようもない作品。俺の監督人生で最初に酷評された、映画未満の代物。
だからこそ、俺はこの映像を真剣に撮らなければなら
第一回きつね童貞文学大賞 レギュレーション
——人は誰しも童貞だった時期がある。
それは、青い春の果ての淡い泡沫。
それは、泥濘の底に眠る獣の呻き。
それは、届かない星を目指す愚者の行進。
どうも、謎のリドラーです。童貞文学が読みたいから募集するよ!!
あなたの思う“童貞文学”をぶつけると主催が喜ぶ、そんな企画です。
●審査員
闇の評議員三名がレギュレーションを満たした全作品に講評を行います。
大賞・金賞・銀賞を各
殉教には微かに足りぬ
49人目も溺死だ。聖職者の心臓に鉛玉をブチ込むのは流石の依頼者も気が引けるらしく、俺はバスタブで揺れる死体から証拠のロザリオをもぎ取る。
『お前は必ず裁きに遭うぞ! 私の“神”が、きっと——』
今際の言葉はどれもテンプレで、聞き飽きた。信仰も多様性の時代で、人々は“神”に代入される言葉を各々で持ち合わせている。8人目は“寄人”、25人目は“えんら様”、ホテルのボーイは……もう忘れてしまった
誰が殺したラジオ・スター
「頼む、ヤツがカフを上げる前に、事態を収めてくれ……」
深夜、ラジオ局で緊急事態が発生した。人気のラジオDJがアシスタントを人質にスタジオに立て篭もり、今夜の放送で放送禁止曲を流しながら自らの危険とされる思想をオンエアで語り続けることを宣言したのだ。DJは「目が覚めた」と語り、ギラギラとした眼光でブース内カメラを睨みつけていた。
「あの[コンプラ]DJ、ラリってやがる。30分後に番組を始める
エンプティ・ヒーロー
#1 昨日会った男は、俺のことを『便利屋』と呼んだ。輸送先に頼まれた荷物を運び、渡された金を依頼人に返す。怪訝な顔をされたが、固辞するとそれきり何も言わなくなった。
一昨日会った女は、俺のことを『悪魔』と呼んだ。父親が求めていた物を渡したのは、良くないことだったようだ。爆弾を抱えて、勤めていた会社に自爆テロを仕掛けたらしい。泣きながら罵声を浴びせられた。
俺にできることなど、それくらいだ。求め
【注意喚起】とある農作物の窃盗及び無許可収穫について
最近は稲作のゲームが流行っていることもあり、農業が時間と手間暇を惜しまない大変な仕事であること、農家が育てた作物を我が子のように思っていることなどがお分かりになったかと思います。
だからこそ、この事実を知ったときは怒りと悲しみで涙が止まりませんでした。専業農家をやっている祖父母はインターネットに疎く、noteという場で注意喚起ができるのは私しかいません。ですが、家族は私と同様に怒りで夜も眠れな
第一回きつねマンドラゴラ小説賞 大賞は蒼天 隼輝(旧:S_Souten)さんの『かくしもの』に決定!
令和2年12月22日から12月28日にかけて開催された「第一回きつねマンドラゴラ小説賞」は、選考の結果、大賞・金賞・銀賞、各評議員賞、ファンアート賞が下記のように決定しましたので報告いたします。
◆大賞蒼天 隼輝(旧:S_Souten)『かくしもの』◆受賞者のコメント
この度は大賞に選んで頂きありがとうございます!また、闇の評議員の皆様、応援や星、感想を頂きました読者の皆様、この場をお借りし
第一回きつねマンドラゴラ小説賞
年の瀬だ、マンドラゴラの収穫時期だ!!
各所で話題になった(主催者調べ)『マンドラゴラ』をテーマにした小説賞です。ジャンルは不問、マンドラゴラが登場すればなんでもありのパーリトゥード。内輪ノリからKUSO、真面目な作品まで大歓迎!面白ければOK!!
コンテストというよりは年の瀬の奇祭です。みんなマンドラゴラを書け!!!!!!!
https://kakuyomu.jp/user_event
機龍、ヤミ市、デカダンス
電波遮断アンテナが林立するバラック街を横切るのは、ガンメタル色に加工された武装ジープの群れだ。その末尾には鎖が繋がれ、10メートルほどの機龍の骸が引き摺られている。
「見たか? 本物だぞ!?」
「実物はデカいな……」
道路に面したバーに集う酔客たちは騒ぐ。彼らにとって機龍は街の外の脅威であり、その骸は本来なら金持ちのコレクションなのだ。
鋼鉄のシェルターを引き裂く巨大な爪、明滅するスト
敵はホームセンターにあり
『刀を捨てよ、街に出よう』をキャッチコピーとして行われた現代の廃刀令は、ホームセンターに立て篭もった現代の武士たちによって覆ろうとしていた。彼らは刀を捨て、街に出て、セラミック包丁で武装を始めたのだ。
「屍鬼、死すべしッ!」
一揆の首謀者、武田は吠えた。自動ドアの内側に設置したバリケードを無造作に叩くゾンビは、今にも侵入しかねない。恐らく国の差し金だろう。
不穏分子鎮圧のための毒ガス兵