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【注意喚起】とある農作物の窃盗及び無許可収穫について

 最近は稲作のゲームが流行っていることもあり、農業が時間と手間暇を惜しまない大変な仕事であること、農家が育てた作物を我が子のように思っていることなどがお分かりになったかと思います。
 だからこそ、この事実を知ったときは怒りと悲しみで涙が止まりませんでした。専業農家をやっている祖父母はインターネットに疎く、noteという場で注意喚起ができるのは私しかいません。ですが、家族は私と同様に怒りで夜も眠れない日々が続いているのです。
 これは告発ではなく、再発防止を兼ねた注意喚起と少しのお願いです。皆さんの善意が二度とこのような事態を招かないために動いていただくことを祈っております。

 祖父母は、マンドラゴラ農家です。


 マンドラゴラ(マンドレイク)は晩秋が旬であり、収穫期になると畑に青い花を咲かせるのは皆さんご存知だと思います。N県の畦道では自生したものも多く生息していますが、私の住む地域では専業で栽培する農家も多いのです。
 最も有名なのは、その根でしょうか。胎児のような愛らしいフォルムの根には薬効作用があり、古来から鎮痛薬として用いられてきました。
 同時に、その根に関する逸話はあまりにも有名です。『収穫時に大きな悲鳴を発し、抜いた者を恐怖で死亡させる』。現代においてはマンドラゴラの根に含まれる麻薬作用や毒性がそのような伝承を作り出した、とされています。

 昨夜、許可なく収穫しようとしたYouTuberグループ5人が耳から血を流して死んでいました。今シーズン6例目です。そのほとんどが若者でした。伝承は、実在するのです。
 罰ゲーム感覚でマンドラゴラを抜かないでください。我が家で出来る死体の処理にも限界があります。
 収穫を行う祖父母は耳が遠く、マンドラゴラの悲鳴を聞いても身じろぎ一つしません。こちらも多額の保険金を掛けているのですが、手慣れた手腕で瞬く間に収穫を終えてしまいます。

 死体に含まれる栄養価は畑の肥料に向きません。畑に埋めると繊細なマンドラゴラを根腐れさせ、今年の収穫は大打撃を受けました。死ぬなら畑ではなく、他の土地で死んでください。
 これはあなた方の軽率な行動が招いた、大きな損害です。今後は盗難防止のために監視カメラを設置し、昼夜問わず監視をします。遊び半分や度胸試しでマンドラゴラを扱うのはやめてください。

 マンドラゴラは収穫済の出荷用と未収穫の祭用に分けられ、後者は冬を迎える祭に利用されます。その年の新雪が積もった畑の土をマンドラゴラの根ごと丸め、来年の豊作を願って贄に投げる「マンドラゴラ合戦」です。勝手に収穫され続けたため、祭に使う分が足りないのです。
 このままでは贄が彼岸を渡りきれず、豊穣を願う儀式が中途半端に終わってしまいます。ここからはこれを読んでくださった皆様へのお願いなのですが、祭りへ協力していただけないでしょうか?
 贄であれば死体を神に捧げるだけで済みますので、罰ゲームでも自殺志願でも対処可能です。きっと、神に愛されて彼岸を渡ることができるでしょう。

 協力していただける方は住所・氏名を明記の上、筆者のTwitter宛にDMで相談をよろしくお願いします。年齢、性別は問いません。本場の新鮮なマンドラゴラを心ゆくまで味わえるチャンスです!


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