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#403【フリートーク】編集者として子どもたちから学んだこと

このnoteは2022年5月27日配信のVoicyの音源「フォレスト出版チャンネル|知恵の木を植えるラジオ」の内容をもとに作成したものです。

子どもの行動にみる、大人もびっくりな「配慮」

今井:フォレスト出版チャンネルのパーソナリティーを務める、今井佐和です。本日はハッシュタグ企画「子どもたちから学んだこと」をテーマに、編集部の森上さん、寺崎さんと共にお伝えしていきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 
森上・寺崎:よろしくお願いします。
 
今井:今回は“ママ・パパ応援企画”ということで、「子どもたちから学んだこと」がテーマなんですけれども、フォレストからは働くお母さん、お父さんを応援する本とか、育児とか、そういった本って出ていたりしますか?
 
寺崎:1番よく売れたのは、『子どもが変わる 怒らない子育て』という本ですね。ママだけではなく、パパたちも日々子育てのイライラが募って、つい怒っちゃうことも多いんですけど、そういうときにどうしたらいいかっていうことを書いた本です。

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今井:そういえばこの間、ある打ち上げで飲み会があったんですけれども、パパさんが「つい仕事でストレスがあると、普段は穏やかなのに、子どもには当たってしまう」という悩みを漏らしていましたね。
 
寺崎:あららら。森上さん、そういうことある?
 
森上:そこは、全くないね。
 
寺崎:うちも森上さんも娘だからね。あんまり……。
 
森上:そう。女の子だからね。それはないね。
 
寺崎:うん。「教わったこと」は何かありますか? 今回のテーマの。
 
森上:ああ。「子どもに教わったこと」ね。そうだね。親も1年生じゃない?
 
寺崎:そういう言い方するよね(笑)。
 
森上:まさにそうだなって、生まれたときから感じたし。今はもう娘も高校2年生になったんですけど。
 
寺崎:じゃあ、パパも高校2年生だ。
 
森上:そうそう! パパ歴、高校2年生!
 
今井:(笑)。
 
森上:やっと高校2年生になった。でも、小さい頃はやっぱりいろいろありましたよね。例えば、1つ挙げるとすれば、もう興味のあることしか興味を示さないっていう。あれも1つの学びだったけどね。ちょうど2013年くらいかな、本田健さんの『大好きなことをやって生きよう!』っていう本を作らせていただいたときに、「子ども時代の~」なんていう話が出たりとかさ。「(子ども時代を)思い出してみましょう」みたいな。「自分の大好きなことって何だったっけ?」って。そういったものをいろいろと見つけていこうっていう趣旨の本なんですけども、あのときは娘がまだ小学校に上がった直後ぐらいで、やっぱり興味を示すものっていうはとことん示すけど、興味を示さないものには示さないよね。特にまだ物心つく前というか、2、3歳の頃なんておもちゃもずっと同じものを使っていたりとかね。

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寺崎:はい、はい。
 
森上:で、飽きたら次のところに移っていく。
 
寺崎:今、うまいこと担当書籍を入れ込んだね(笑)。
 
森上:そうそう(笑)。
 
寺崎:僕は今、パパ小学校1年生、パパ歴7年ですけど、僕が1番「おぉ!」と思ったのが、大人って、例えば目の前に2つのものがあると、「どっちがいい?」って、つい序列をつけたがるじゃないですか。
 
森上:はいはい。
 
寺崎:例えばサイゼリヤに行って、子どもがたらこパスタを食べたと。で、「ママのたらこパスタとどっちがおいしい?」って聞くと、「どっちも美味しい」って言うんですよ。で、娘は保育園を転園したんだけど、前の保育園の給食と、今度の保育園の給食はどっちがおいしいのかって気になるじゃない、大人としては。だから、「どっちがおいしい?」って聞いたの。そしたら、「どっちもおいしい」って言うの。
 
森上:おお(笑)。優劣をつけない。
 
寺崎:そうなの。どっちかにしてよって感じなんだけど。
 
森上:それって、どういうことなんだろうね? 気遣いなのかな?
 
寺崎:いや。もう生まれながらにしてダイバーシティ、多様性。
 
森上:なるほど(笑)。そっちか(笑)。
 
寺崎:そう。多様性の時代に生まれたやつだなって。
 
森上:そうか。時代がそうさせるのかな。そういう意味では、今ふっとその話を聞いて思い出したんだけど、まだ娘が3歳くらいのときかな。お友達が遊びに来ていたのよ。ちょっと娘より下くらいかな。うちで遊んでいて、小さい子のほうがやっぱりわがままだから、うちの娘が遊んでいたおもちゃを取っちゃったりとか。
 
寺崎:ああ。はいはい。
 
森上:それを渡して、娘がまた新しいおもちゃで遊んでいると、またそれを取っちゃったりとか。お友達のほうが小さいからね。で、娘も嫌になっちゃったみたいで、娘が……、これ、勉強になったんだけども、「パパー! ○○ちゃん、いつ帰るの?」って俺に聞いてきたの。
 
寺崎・今井:(笑)。
 
森上:すげーなと思って(笑)。俺だったら、小さい子に「帰って!」とか、直接言いそうなのに、間接的に言ってきたのよ。
 
寺崎:なるほど。
 
森上:それは何だろうって思って。気遣いなのか、多様性とは違うか。びっくりしたんだよね、「3歳で、こんなことできるの?」と思って。
 
寺崎:京都でお茶漬け出されるみたいなもんかな?
 
森上:帰れって(笑)? 「いつ帰るの?」って、直接言わないで、こっちに言ってきたのよ。それにびっくりしてさ。
 
今井:3歳でその機転はすごいですね。
 
森上:機転なのか、傷つけたくないのか、なんなのかな。
 
寺崎:森上さんもそういうことやるよね?
 
森上:(笑)。
 
寺崎:娘さんから学んだんだな。
 
森上:(笑)。仕事とかでね。大人として……、なんだろうな(笑)。
 
寺崎:わざとみんなの前で言うとかさ。
 
森上:それは、やるやる。それは、もしかしたら娘から学んでいるかもしれない。
 
寺崎:(笑)。

子どもは「興味を持つ力」の強さがすごい!

今井:私も友達の子で、3歳とか5歳の子たちと遊ぶことがあるんですけど、言葉を話し始めた子どもたちとかだと、「あれ、何?」「あれ、何?」「あれ、何?」って、目に見えるものすべてに「あれ、何?」って言うんですよ。で、「あれ、何?」って言われて答えられないことが多いんですよね。小さい子にもわかるように説明しようとすると言葉が出なくなったりっていうことがあって、大人と話すときよりも頭を使うというか。
 
寺崎:わかる、わかる。
 
今井:ブドウ糖使っているなみたいな感覚になりますね(笑)。だから、知識欲みたいなところとか、質問されることによって学ぶってことが私は多いなあなんて思いました。
 
森上:それで思い出したよ。いまだにちゃんと答えられていないけど、「パパ、なんで空って青いの?」って。「何でだろうね?」って寄り添ったつもりではいるんだけど。
 
寺崎・今井:(笑)。
 
森上:ちゃんと答えられなかった。
 
寺崎:「ブルーバックス(※講談社の新書シリーズ)」を読まなきゃだめだよ。
 
森上:そうだよな。「ブルーバックス」でちゃんと勉強しないと。それもまた説明するときに噛み砕かないといけないけど。
 
寺崎:そう。だから、佐和ちゃんが「あれ、何?」って聞かれるって言っていたけど、次は「なんで?」だよね。“なんで攻撃”が来るんだよね。
 
今井:「なんで?」もありました!
 
寺崎:これは答えられないことのほうが多いですよ。答えられることのほうが少ない、「なんでは?」は。
 
森上:それがまた大人としての学びになるのかな?
 
寺崎:ね。でも、わからないから、「そういうもんなんだ!」って。
 
森上:1番ヤバそうな答えだけどね(笑)。
 
寺崎:ユダヤ教育としては1番ダメだね。
 
森上:ユダヤ教育だと何なの?
 
寺崎:「図書館に行って、一緒に調べよう」って言うんだって。
 
森上:なるほどね。
 
寺崎:だからさっきの「空は何で青いの?」だったら、「お父さんもわからないから、一緒に図書館に行って調べようか」みたいな。
 
森上:そこで調べたかったな、俺も。いまだに答えられないもんな。
 
今井:たぶんなんですけど、光の長さが昼間だと長いから青く見える光で、短い光だと赤く見えるらしいんですね。だから夕方って赤くなるみたいな。太陽の当たる角度で光の長さが変わるからっていうのを私はその子に質問されてから調べて学びました。
 
寺崎:じゃあ、俺が佐和ちゃんに子どもの気持ちになって言いますね。なんで光の長さが違うの?
 
森上:(笑)。
 
今井:それは太陽と地球がいつも動いているから角度が変わってくるの。
 
寺崎:なんで太陽と地球はいつも動いているの?
 
今井:それは、わからない!
 
森上・寺崎:(笑)。
 
寺崎:最後、そうなっちゃうんだよ(笑)。
 
今井:なんで動いているんでしょうね(笑)?
 
森上:今、思い出したけど、問いかける“問い”の話って、結構ビジネス書とかでも最近出てきたりとかさ。「問う力」とかさ。うちにも1冊あるけど。あのあたりって、子どものほうがちゃんと問うよね。“問”をつくると言うかさ。
 
寺崎:それ、行き着くところはニルヴァーナですよ。
 
森上:そうだよな。
 
寺崎:無になっちゃう。無だよ、最後は。
 
森上:(笑)。
 
今井:大人のほうが何も考えずに「そういうもの!」っていうことにしておいて、わからないままにしていることって多いですよね、きっと。
 
森上:多い。
 
寺崎:そうじゃないと、生活できないですよ(笑)。
 
森上・今井:(笑)。
 
寺崎:何でもかんでも「何で?」って、聞いていたら。
 
森上:でも、問いをつくる能力って言うかさ、そこって、やっぱり子どものほうが備わっている感じがするよね。つくるっていう感覚も、そもそもないんだろうけど。いわゆる興味本位とか、そういったところが先走っているんだろうけど。でも興味を持つ力っていうのは、大人よりも全然子どものほうがあるんだろうなっていうのは感じるときはあるよね。
 
寺崎:確かに、確かに。「よくそんなこと気づいたね」っていうこととかね。
 
森上:わかる。やっぱり目線が低いから、大人が気づかないことも……。よくあるのが、お散歩をしていて、草とか花とか、小さいのを見つけるとかさ。目線の部分もあるけど、それ以外の部分でも、興味本位っていうところは本当にすごいなと思うよね。
 
寺崎:それはあるね。
 
森上:学ぶと言うかさ。この仕事もやっぱり興味を持って、いろんなところにアンテナを立てないと、企画も立てられないって意味では、そこは本当に子どもの興味の持ち方っていうのに学ぶべきことがあるよね。
 
寺崎:確かにそうかもしれない。
 
森上:編集者でたまにいるじゃん。企画が立てられないっていう。苦手だとかさ。
 
寺崎:そういう人って、もう大人なんだろうな。
 
森上:そういう意味では?
 
寺崎:うん。できあがって完成している。だから、子どもをどこかに残しておかなきゃいけない。
 
森上:そのほうがこの仕事はしやすいのかもね。何でも興味を持たないと、っていう感じだよね。
 
寺崎:逆に、知らず知らず、親が知らないうちに身につけられている偏見のバイアスがあるなっていうのがあって……。
 
森上:子どもに?
 
寺崎:そう。僕はなるべくそういうのを意識して子育てをしているつもりなんだけど、娘なんだけど、「男の子なのに髪が長くて変」とか、「女の人なのに坊主なのは変」とかね。あとベタなところだと、「女の子はピンク、男の子は青」とかさ。なんでそんなにステレオタイプな見方をしているのか。逆に、「男の子の髪が長くたっていいんだよ」って言うんだけど、「女の子が坊主でも、全然おかしくないよ」って言うんだけどさ。そういうのって知らず知らずにインストールされるんだね。
 
森上:そういう発言があったの?
 
寺崎:あったの。
 
森上:なるほど。今の時代からすると、やっぱりそこの部分はね……。
 
寺崎:そう。大人のほうがそういうのに神経質になっちゃって、「言っちゃいかん」って思っているけど。
 
森上:言っちゃいかん(笑)。でも、学校教育の中であるんだろうね。例えば、わかんないけど、「こっちは男の子、こっちは女の子で集まって」「分かれてー」みたいな。そのときに、「ピンクのところに女の子、青いところに男の子」とか。
 
寺崎:無意識のね。いわゆる、アンコンシャスバイアスとかいう。
 
森上:そうそう。
 
寺崎:無意識のバイアスが。大人は持っているか。
 
森上:怖いと言うかね。俺のところはもう高校生で多様性に対してはある程度の理解があるけど、できるだけ一緒に見ているメディア、テレビにしろ、何にしろ、そういったときにあえて言った覚えがあるけどね。例えば、坊主の女性が出てきたら、「これはこれでかっこいいね」とかね。それはそれでそっちにバイアスをかけちゃっているとも言えるんだけどね(笑)。一緒に共有している時間の中で、あえて親として、俺は意識的に言ってきたかもしれないけどね。
 
寺崎:子育てに正解はないから、そこも多様性っていうことだね。ダイバーシティで。
 
森上:そっか。そういうことだね。これはまとまったことになるのかな、佐和ちゃん。
 
寺崎:(笑)。
 
今井:そうですね。「子どもたちから学んだこと」ということで。
 
寺崎:そんな感じですか?
 
今井:はい。最後にひと言のまとめなどありましたら。
 
寺崎:いや、ないです!
 
今井:ないですか(笑)?
 
森上:子どもに限らず、いい歳になってもやっぱり若い人から学ぶっていう姿勢は持ちたいなって、意識したいなとは思いますね、20代とか30代の人にね。でも、今の20代とかって話しているとすごいよね。そういう意味で年齢は関係ないなって思う、今日この頃です。
 
今井:ありがとうございます。本日はVoicyハッシュタグ企画「子どもたちから学んだこと」テーマに、編集部の森上さんと寺崎さんと共にお伝えしました。どうもありがとうございました。
 
森上・寺崎:ありがとうございました。
 
(書き起こし:フォレスト出版本部・冨田弘子)
 

 

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