【腰痛対策】腰を守るエアバックシステム「パワーハウス」とは?
こんにちは。
フォレスト出版の森上です。
原因がはっきりとわかっている腰痛は、全腰痛の中でたった15%ほどしかありません。残りの85%の腰痛は原因がよくわからないといわれています。
そんななか、
「腰痛の原因は、腰ではなく腹にある」
という衝撃的な主張を提唱している鈴木登士彦さんの具体的なエビデンスについては、下記のnote記事でもご紹介しました。
上記の記事の中でも出てきましたが、「腰痛とはズバリ、腹部のインナーマッスルの機能に問題があり、うまく腹圧がかけられないときに、腰部の一部に過負荷がかかり、関節や靭帯や筋組織などがクラッシュして発症する」というわけです。となると、その「うまく腹圧をかけるメカニズム」について、とても気になるところです。
実は、「腰を守るエアバックシステムが存在する」と鈴木登士彦さんは言います。その具体的なメカニズムについて、2023年3月22日(Amazonでは先行発売中)に発売予定の鈴木さんの新刊『腰痛は肛門力で治る』の中で詳しく解説しています
今回は、本書発売に先立って、同書の中からその該当箇所を一部編集して公開します。
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腰を守るエアバックシステム「パワーハウス」とは?
「パワーハウス」を形成する4つの筋肉
コアを形成して腰部の安定を生み出し、私たちを腰痛から守ってくれるインナーユニットについて考えてみます。
コアハウスを形成する筋肉は、4 種類あります。「横隔膜」「腹横筋」「骨盤底筋」「多裂筋」の4つの筋肉群です。
これらの腹部深層筋が腹腔を圧縮することで、腹圧が形成されます。筋肉という皮袋で圧をかけ、エアバックシステムのように体幹を支えているイメージです。
フィットネスの世界では、このエアバックシステムは「パワーハウス」、あるいは「コアハウス」と呼ばれており、体の機能を正しく発揮するために欠かすことのできない、最も大切なシステムの1つとして位置づけられています。以後、ここでは「パワーハウス」と呼ぶことにします。
パワーハウスを形成する横隔膜、腹横筋、骨盤底筋、多裂筋の4つの筋肉群は、いずれも付着部が近接しており、4つの筋肉が連動して働くため「インナーユニット=結合」と呼ばれています。
この4つのインナーユニットの中の1つの筋肉でもうまく働くことができないと、腹圧の形成が偏ってしまい、パワーハウスは消失します。と言うか、うまく体幹部が安定できません。もはや、そこの時点で立派な腰痛予備軍となります。
「パワーハウス」はどのように腰を守っているのか?
ここで、4つのインナーユニットについてのぞいてみます。
◉腹横筋
腹横筋は、俗に「腹筋」と呼ばれる腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋の中で最深部に位置する筋肉で、コルセットのように背中からグルっと腹部を包み込むように走行し、体が諸動作を起こすときには約600ある全身の筋肉群の中で最も早く収縮して、体を安定させる働きをしています。
なんとその仕事は、腕を動かす運動開始0.03 秒前、脚を動かす運動開始の0.11秒前に収縮し始めて、体幹部を安定させています。このすばやい運動開始時間から見ても、体の安定性を得るために、いかに腹横筋の入力が大切なのかがわかるでしょう。
◉多裂筋
また、コアの後方に背骨に沿って走行している多裂筋は、俗に「背筋」と呼ばれている脊柱起立筋の1つで、1つひとつの椎骨を安定させる、とても重要な働きをしています。背骨の安定にとても大切な筋肉なのです。
腹横筋から続く膜組織が背部で多裂筋を包んでいるため、腹横筋が収縮することで、多裂筋の活動が促されるという特徴もあります。連動して働くのです。
◉横隔膜&骨盤底筋
そしてコアの上部には、呼吸筋である横隔膜がコアに蓋をかぶせるように位置しており、呼吸運動することによりコア底部を支える「骨盤底筋」と連動して、天地のコアシステムとして働きます。
このように、コアを形成し、パワーハウスと呼ばれる4つのインナーユニットは、常時約30%収縮して姿勢を安定させ、体の深部で腹腔を圧縮することで腹圧をつくり、腰部の安定性をつくり出しています。
しかし、このパワーハウスの機能を著しく低下させる、多くの人たちが従事している現代のルーティン作業があります。
それが「デスクワーク」です。
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いかがでしたか?
今までの腰痛改善にはなかった新常識キーワード「肛門力」。「肛門力」のカギを握る3つの筋肉の頭文字をとって「3K筋」という「天然コルセットのつくり方」、「恥骨タックイン」というその場で腰の痛みがなくす体の使い方など、腰痛になる根本原因と治し方を、体のメカニズムを通してわかりやすく解説したのが、今回ご紹介した鈴木先生の新刊『腰痛は肛門力で治る』です。興味のある方はチェックしてみてくださいね。
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