見出し画像

腰痛の原因は、腰ではなく腹にある

こんにちは。
フォレスト出版の森上です。
 
厚生労働省による国民生活基礎調査における、体の不調についての調査項目のよると、40歳以上の約2800万人がなんらかの腰痛を持っており、男性では常に第1位、女性でも肩こりに次いで第2位の不動の位置を占めています。
 
もはや日本人の国民病ともいえる腰痛ですが、なぜ痛いのか?
 
その原因がはっきりとわかっている腰痛は、全腰痛の中でたった15%ほどしかないといわれているそうです。残りの85%の腰痛は原因がよくわからないのに痛いわけです。
 
原因が特定できている、全腰痛の15%を「特異的腰痛」といわれますが、その主な種類は次の通りです。
 
「椎間板ヘルニア」
「腰部脊柱管狭窄症」
「脊椎分離症」
「脊柱滑り症」
 
他にも骨粗しょう症による腰椎圧迫骨折や内臓疾患や悪性腫瘍による腰痛などが、原因がはっきりとわかる代表的な「特異的腰痛」と呼ばれる腰痛群です。いずれも時に手術が必要といわれるものです。
 
一方、全腰痛の85%を占める原因不明を「非特異的腰痛」といいますが、それには主な4つのパターンがあるといわれています。
 
「筋・筋膜性腰痛」
「椎間板性のもの」
「椎間関節性のもの」
「仙腸関節性のもの」
 
この「非特異的腰痛」は、いずれも手術のリスクを伴わないといわれているものです。
 
これらの腰痛はすべて結果であって、原因ではありません。腰を痛めた原因にはどのようなことが関与していたのか、気になるところですよね。
 
今までに数万人に及ぶ腰痛患者さんの施術し、腰痛改善をしてきた鈴木登士彦先生によれば、「腰痛の原因は、腰ではなく腹にある」と主張しており、2023年3月22日(Amazonでは3月18日に先行発売)に発売予定の新刊『腰痛は肛門力で治る』の中で、その理由を解説しています。
 
今回は、本書発売に先立って、「腰痛の原因は、腰ではなく腹にある」理由について解説している該当箇所を一部編集して公開します。

腰痛の原因は、腰ではなく腹にある

腰を痛めるカラクリ──たとえば、「ギックリ腰」の場合

 ここまで、さまざまな腰痛のパターンを見てきましたが、これらの腰痛はすべて結果であって原因ではありません。
 では、腰を痛めた原因にはどのようなことが関与していたのでしょうか?
 発症がわかりやすいので、急性腰痛、俗に「ギックリ腰」と言われる腰痛を例に挙げて考えてみます。
 特徴は、重いものを持ったとき、顔を洗おうと前屈みになったとき、くしゃみをしたとき、しゃがんだときなど、日頃ではなんともない、ちょっとしたことでギクッといってしまうことが一般的です。
 腰の第四~第五腰椎間は、「構造的弱点」と呼ばれるほど、腰痛が多発する部位です。ほぼ8 割近くの腰痛がここ周辺を痛めます。
 なぜ些細なことで体の中心に位置する、動作時にとても大切な部位である腰がいとも簡単に壊れてしまうのでしょうか?
 腰を痛めるカラクリは、腰にあるのではありません。
 その原因は、腰ではなくお腹にあるのです。腰の安定性を担っているのは腰の筋肉ではなく、実はお腹なのです。
 お腹の腰を支えるシステムがうまく働けなくなった結果として、腰椎に不安定状態が生じ、ほんの些細な衝撃にも耐えられずに、大切な腰に歪みが生じてしまう、というのが腰痛の真相です。

「腰痛の原因がお腹にある説」のメカニズム

 では、お腹の何が腰痛を引き起こす原因となるのでしょうか?

『腰痛は肛門力で治る』p23より

 イラストでわかるとおり、胸部は、胸郭という鳥かごのような肋骨の連なりで構成されていて安定しています。骨盤部もまた、同じく骨による強固な構造をしています。
 しかし、その間で腰部を構成している腰椎は、小さなブロックのような5つの骨が積み木のように重なり合い、各腰椎間に軟骨組織の椎間板を抱えて、それぞれが可動するという、実に不安定な構造をしているのです。
 この腰部は主に次のような働きを持っています。
 
◉前後屈、左右屈、左右回旋などの動作が可能な「モビリティ」という性格。
◉身体機能全体の安定性を担う「スタビリティ」、いわゆる「姿勢保持」という真逆の働き。

 
 腰部は、相反するこれら2 つの性格を兼ね備えている部位なのです。しかも、注目すべきは、その機能は堅固な骨構造で守られているのではなく、モビリティを損なわないために「筋肉」が担っている点です。
 一般的に体幹、あるいはコア、またはコアマッスルと呼ばれているのは、この胸郭と骨盤の間の間隙と、骨盤底の間隙に張り巡らされた筋肉群に覆われた空間である「腹腔」のことを言います。
 この長方形の腹腔の上部には「横隔膜」、底部には「骨盤底筋群」、後部の脊柱周辺に脊柱起立筋の中の「多裂筋」、壁面を囲むように
「腹横筋」という筋肉が体幹、コアを形成しています。
 これらの筋肉は、いずれも「深層筋」=「インナーマッスル」と呼ばれる体の深部に位置する筋肉であり、適度に収縮することにより腹腔に「腹圧」を誕生させ、体幹部を安定させています。
 腰痛とはズバリ、この腹部のインナーマッスルの機能に問題があり、うまく腹圧がかけられないときに、腰部の一部に過負荷がかかり、関節や靭帯や筋組織などがクラッシュして発症するのです。
 また「慢性腰痛」とは、いつまで経っても腹圧がうまくかけられずに、腰部への負担が軽減しないために長期間治らない現象を言います。「腰痛の原因がお腹にある説」である所以が、ここにあります。

【著者プロフィール】
鈴木登士彦(すずき・としひこ)
せたがや手技均整院院長。全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会認定パーソナルフィットネストレーナー、シニアエクササイズトレーナー。手技療法・食事栄養療法・運動療法を組み合わせ、細胞レベルからの健康体を作り上げる「自然手技療法」を創始、のべ十数万人のクライアントの健康を担ってきた。政財界関係者、政府要人、諸外国大使館関係者、プロスポーツ選手、オリンピック選手、世界的演奏者、大手企業経営者、芸能人など多岐にわたる一流の方々をクライアントに持ち、絶大な信頼を得ている。現在は、肛門力を強化するパーソナルトレーニングと整体を組み合わせたメソッドで、産後ママから腰や膝に疼痛を抱える方、生活体力を高めたい方、術後の体力強化から高齢者までの健康体作りの「整体+パーソナルトレーニング」を行なっている。

いかがでしたか?
 
今までの腰痛改善にはなかった新常識キーワード「肛門力」。「肛門力」のカギを握る3つの筋肉の頭文字をとって「3K筋」という「天然コルセットのつくり方」、「恥骨タックイン」というその場で腰の痛みがなくす体の使い方など、腰痛になる根本原因と治し方を、体のメカニズムを通してわかりやすく解説したのが、今回ご紹介した鈴木先生の新刊『腰痛は肛門力で治る』です。興味のある方はチェックしてみてくださいね。

2023年3月22日全国書店で発売(Amazonでは3月18日に先行発売)

『腰痛は肛門力で治る』の「はじめに」「目次」全文公開

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?