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【スモールビジネス】なぜ「レッドオーシャン」より「ブルーオーシャン」参入のほうが危険なのか?

こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。
 
スモールビジネスを立ち上げようとするとき、どんな事業を立ち上げたら成功するのか? 競合他社を探りつつ、できれば、潜在ニーズがあり、かつ競合他社がいない、新しい市場を狙いたい――。いわゆるブルーオーシャンに参入したいと思う起業家は少なからずいるようです。たしかにうまくいけば、一人勝ちできる可能性も秘めています。
 
ただ、自身で複数のジム経営をしながら、スモールビジネス専門集客コンサルタントとしても人気を博している日野原大輔さんは、特にスモールビジネスの場合、「今さらブルーオーシャンを狙ってはいけない」と強く主張しています。
 
なぜ「ブルーオーシャン」参入は危険なのか? その背景と理由について、日野原さんが新刊『神・リピート集客術』で詳しく解説しています。そこで今回は、同書の中から該当箇所を全文公開します。

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なぜ「ブルーオーシャン」参入は危険なのか?

 あらためて言うまでもなく、スモールビジネスの魅力は、「自分がやりたいテーマでビジネスができる」ところです。
 しかし、スモールビジネスを立ち上げるに当たっては、もう1つ、大きな落とし穴があります。
 それが市場選びです。
 これから起業しようと考えている、もしくは、起業してまもなく、集客に困っている皆さんのなかには、
「自分はこれまで誰もやっていないサービスを高く売る自信がある」
「世界でオンリーワンのお店にしてみせる」
 と思っている人がいるかもしれません。
 それが実現すれば、本当にすばらしいことです。
 ブルーオーシャン(=競合のいない領域)に参入し、多くの人に求められれば、1人勝ちできる可能性もあります。
 しかし、「こんな画期的なアイデアは、どこを探してもない!」と思い込んで漕ぎ出すのは少々危険です。特に小さい会社ほど、ブルーオーシャンを狙ってはいけないのです。
 その理由は、競合がいない領域とは、裏を返せば、これまで需要がなく、儲かった人がいない領域だからです。仮にそのサービスを支持する人がいても、市場規模を拡大するためには、莫大な資金と時間がかかります。
 ブルーオーシャンを狙うということは、それだけリスクが伴うのです。

自分がやりたいことで、最小限のコストで集客する方法

 それよりも、レッドオーシャン(=競合がひしめく領域)に目を向け、お客さまに目を止めてもらうことが大切です。競合がひしめく領域とは、先ほどの競合がいない領域の反対で、需要があり、市場規模が大きく、儲かる領域のことです。
 まずは、お客さまが望むことに応え、そのなかで「自分がやりたいこと」を付け加えるのです。
 実はそれがお金も時間もかからず、最も少ない労力で人を集めることができる方法です。
 たとえば、私が独立を考え始めたときは、30〜40代の働く女性の間で加圧トレーニングの人気が高まっていました。専用のベルトを脚や腕の付け根に巻き付けて圧力を加え、血液量を制限しながらトレーニングを行なうことで、一般的な筋トレと比べてより短い時間、軽い重量で筋肉に刺激を与え、脂肪が燃焼しやすい(太りにくい)体になる。つまり、短期間でダイエット効果が期待できるというものでした。当時「タイパ(タイムパフォーマンス)」という言葉はありませんでしたが、まさに忙しい現代に合ったトレーニングだと確信しました。
 そこであらたに加圧トレーナーの資格を取り、勤めていたスポーツクラブ内で加圧トレーニングのクラスを持たせてもらいながら、別の加圧トレーニングスタジオに修業に行き、スタジオ運営や予約システムの勉強もさせてもらいました。
 あえてレッドオーシャンを「しっかり狙っていこう」と行動したのです。スタジオの名前も「日野原大輔スタジオ」では誰もわからないので「加圧スタジオLib(Life is beautiful)」とし、認知されやすいネーミングにこだわりました。

対象客の望み&行動導線に、徹底的に合わせる

 ここで私が実現したかったのは、「普通のジムに行っても長続きしないような、30代、40代の女性をキレイにする」ということでした。今では加圧トレーニングはメニューの1つになり、ヨガスタジオ、ピラティススタジオ、パーソナルトレーニングスタジオと3つのスタジオを経営していますが、このコンセプト(自分がやりたいこと)だけは14年前から少しもズレていません。
 そして、「やせてきれいになりたいけれど、自分は三日坊主だ」と自覚している人に刺さるようにホームページのコピーや色合い、構成を組み立てました。
 これもまた、レッドオーシャンであり、逆を言えば、多くのニーズが存在するテーマでした。
 私の場合はさらに、乗降客数が多く、駅周辺に娯楽施設が多い場所を選び、駅から徒歩5分の場所にスタジオを開きました。お客さま目線で考えれば、そのほうが定期的に通うのに利便性がいいからです。
 その反対で、人気のない駅ほど、また駅から遠くなればなるほど、お客さまにとっては不便で、通うことが億劫になります。
 職人気質で自分の腕に自信がある人に限って、「駅から15分の立地でも、お客さまはリピートしてくれる」と思いがちですが、そんなことはありません。
 立地が悪ければ、お客さまの日常の行動導線から外れてしまい、人目にほとんど触れることなく閉店してしまう可能性だって十分ありえます。
 場所に関してもブルーオーシャンを選択してはいけません。くれぐれも、お客さまの望みに応えることを忘れてはいけないのです。

【著者プロフィール】
日野原大輔(ひのはら・だいすけ)

ジム経営者。スモールビジネス専門集客コンサルタント。
1976年、福井県出身。サラリーマンの養父、専業主婦の養母に育てられる。活発な幼少期を過ごし、小学生時代は生徒会役員、サッカー部の副キャプテンを務める。中学、高校時代、野球部の活動に励む。千葉商科大学に進学し、演劇部の活動に励む。卒業後も演劇を続け、映画(藤原竜也の映画)に出演。当時先輩に「役者で大成したかったら肉体を鍛えろ」と言われ、スポーツクラブでアルバイトを始める。すると、売れっ子のパーソナルトレーナーとなり、個人売上は平均月80万円以上、営業成績は120店舗中で全国3位内を8年キープ、店舗売上No.1を8年キープした。26歳のとき、役者よりもトレーナーとして一流になる道を選択する。2009年、独立し「加圧スタジオLib」を開設。「お客さまを喜ばせる日本一のスペシャリストになりたい」という理由で、20種の資格を取得。2019年、東京都台東区にヨガスタジオMAKOTOを開設。2021年、同区に「ピラティススタジオFeel Body」を開設。また、ジム運営をする中で編み出した「ボンディング接客術」を軸に、パーソナルトレーナーやフィトネスインストラクターそしてスモールビジネスオーナーに向けた経営セミナーを実施している。人生のミッション「Life is beautiful 出会った人々の人生を少しでも美しくする」を基に「お客さまと一緒に感動する人材」を一人でも多くすることを目標に活動をしている。

いかがでしたか?

「新規客の獲得」コストは、「リピート客の確保」コストの5倍かかるといわれています。スモールビジネスの経営を安定させるのに必要なのは、100人の新規顧客より1人100回の予約――。
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