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【女子の人間関係】「女子ボス」が生まれやすい組織、4つの特徴

こんにちは。
フォレスト出版の森上です。
 
女子の人間関係を支配する「女子ボス」によるハラスメント

その心理的メカニズムや被害事例、女子ボスの特徴などを、このnoteでも過去数回にわたってご紹介してきましたが、女子ボスによるハラスメントの原因は、個人の性格や精神性だけではなく、組織や集団そのものの傾向や性質にも起因するといわれています。

つまり、会社だったら社風その集団の雰囲気、人間構成などが大きく影響する、というわけです。
 
今回は、川村佳子さんの好評既刊『「女子ボス」のトリセツ』の中から、「女子ボス」が生まれやすい組織、4つの特徴について該当する箇所を一部編集して公開します。

「女子ボス」が生まれやすい組織、4つの特徴
 

 女子ボスが生まれやすい組織構造とは、いったいどんな特徴を持っているのでしょうか?
 先ほど、メンタルヘルスへの関心が低く、変化を嫌がる古い時代体質の組織に、いじめや嫌がらせが多く見られるとお話ししました。
 女子ボスは、そんな組織や場所に、生まれやすいのです。
 ここでは、もう少し具体的に、女子ボスが生まれやすい組織構造の特徴を解説します。

①役職や指示命令系統が明確でない組織

 組織は、ある一定の規模に達すると秩序が必要です。
 道路には、事故が起きないように交通ルールがあり、ドライバーはそのルールを守って運転をしています。
 職場にも同じように、職場が混乱しないように組織のルールがあり、全員がそのルールを守って仕事にあたらなければなりません。
 指示命令系統に秩序がなければ、仕事も社員も破壊され、組織もいずれ崩壊してしまうからです。
 しかし中には、指示命令系統が曖昧な会社組織や、ファミリー経営の企業など、役職はあっても「身内贔屓」が強いといった組織が存在します。
 そうなると、指示を守らない人間や、そこだけに限られた独特のローカルルールが生まれるなど、さまざまな混乱が生じます。

②正常とは言えない人間関係

 組織構造に混乱が生じれば、その組織の人間関係にも混乱が生じます。
 秩序がない職場には、正常ではない人間関係が生まれやすいのです。
 例えば、上司の昔からの友人が職場におり、その友人が社員に対し、明らかなハラスメントを行なっているのは周知の事実だが、誰も口出しできない。また、社長の息子の嫁が突然社員となり、その嫁は何の役職もないが、逆らってはいけないような空気が職場環境に流れるなど、正常とは言えない人間関係です。
 女子ボスは、役職や指示命令系統が不明確で混乱が生じている会社組織、または、「身内贔屓」や「多重関係」などといった、正常とは言えない人間関係が横行する場所に生まれやすいものです。
 また、趣味の世界の仲間やママ友グループ、親戚関係や地域社会での組織構造を考えてみると、ある一定の規則や、何かしらの役職は存在しても、非常に「曖昧な世界」と言えます。そういったルールが曖昧な世界は、集まる人間によって如何様にも変化します。
 心地いい関係性の中で過ごせればいいのですが、中には年齢が一番上だからという理由で仕切り出す人、夫や彼氏の職業でマウントを取ってくる人、子どもの成績で張り合ってくる人、出身大学を自慢してくる人など、とにかく面倒な人間関係が生まれやすい場所になります。
 また、趣味の世界や地域社会などで起こる人間関係の問題は、責任の所在が曖昧となり、当人同士の問題として扱われ、一切の介入を避ける組織もあるでしょう。
 趣味の世界であれ、ママ友同士のグループであれ、いじめや嫌がらせが起こる場合は、誰かが勇気を持って介入しなければ、女子ボスのような恐ろしい支配的な人間が現れます。
 職場と同様、正常とは言えない人間関係が横行する場所に、女子ボスが生まれやすいのです。

③「事なかれ主義」なリーダーがいる組織

 私もこれまで、さまざまな組織で働く方々のカウンセリングを担当させていただいてきましたが、歪んだ人間関係を放置している職場が残念ながらありました。そこで苦しむ多くの人を見てきた私自身も、苦しい気持ちや無力感を共に抱えてきました。
 メンタル不調者が出ても、ハラスメントで退職者が続出しても、事件が起きても、何の対策も講じず放置している組織が存在します。本当に残念で悲しい話です。
「そんな組織はどこにでもあるよ」という声も聞こえてきそうですが、放っておくわけにはいきません。
 放っておけば、働く人やそのグループにいる誰かの健康障害や行動面での問題が生じ、その危険は命にまで及びます。病気を見つけても、放置しているのと一緒です。
検査なのか、経過観察なのか、何かしらの「処置」が必要になります。
 組織やチームには、個人の力だけでは取り除くことができないさまざまな問題があります。人間関係の問題も、その1つです。
「面倒な問題からは目を背けたい」
「自分はかかわりたくない」
 こうした考えは、どんな人でも持つでしょう。誰だって自分が一番かわいいのです。
 しかし、面倒な問題にメスを入れることができないリーダー、つまり、介入できない「事なかれ主義」のリーダーの下で働く従業員や仲間は、非常につらい思いをします。
 
 管理職よりも社歴が長く、偉そうに振る舞うお局女子ボス。
 新人をいじめて追い出す、人事部よりも人事部な裏女子ボス。
 かわいいという理由だけで、何年もいいポジションにつく優遇女子ボス。
 
 などは、事なかれ主義のリーダーがいる組織で生まれやすい傾向にあります。
 こういった女子ボスに悩まされている人たちが、いったいどれほどいるでしょうか?
 リーダーには、公平性と対話力、そして、いざというときに戦う勇気と介入力が求められます。
 このようなリーダーがいる組織には、女子ボスは生まれにくいのです。

④他者の噂話が飛び交う環境

 人が集うその場の「空気」は非常に大切で、その空気感で、どんな職場なのか、どんなコミュニティなのかが不思議と伝わってくるものです。
 挨拶や会話が全くなく、PCのタイプ音が響き渡るほど静かなところもあれば、何かと不満が多く、口を開けば不平不満を口にするといった雰囲気が悪いところもあります。
 その中でも、「他者の噂話」が多い環境。
 そんな環境は、すでに女子ボスが生息している環境と言えます。
 女子ボスの存在が、周囲の人間にとって非常に強いストレスとなっている可能性が高いのです。
 他者の噂話が飛び交う組織は、そこにいる人間が「慢性的なストレス」を抱えている証拠です。原因の特定や、環境調整が早急に必要でしょう。

〈著者プロフィール〉
川村佳子(かわむら・けいこ)
産業カウンセラー。北海道生まれ。一般社団法人日本産業カウンセラー協会認定「産業カウンセラー」。日本人間性心理学会所属。上智大学グリーフケア研究所所属。防衛省、国土交通省、財務省をはじめ、国立機関や一般企業にて産業カウンセラーとして臨床経験を積み、現在航空自衛隊外部カウンセラー。幼少期に母が他界。亡母が闘病中に書き記していた日記を見つけ、職場での人間関係の悩みやストレスを驚くほど抱えていたことを知る。さらに、日本で初めてカウンセラー制度を導入した機関にて母が勤めていたことをきっかけに、職場のストレスや人間関係の悩みを抱えている方たちの力になりたいと強く思い、産業カウンセラーを志す。また、死別の苦しみや痛みをケアする「グリーフケア」の普及啓発にも積極的に取り組む。心理臨床オフィス「サクラメント函館東京カウンセリングオフィス」代表。著書に『嫉妬のお作法』(フォレスト出版)がある。

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※本記事のヘッダーイラスト:くにともゆかり

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