【5C】コモンパーパス&コネクト 意味づけこそ最強のバフ
エンゲージメントの【5C】について、今回はコモンパーパス(共通の目標)とコネクト(目標へのつながり)ついてお伝えします。
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ビジネスに目標は必要か?
ビジネスでは「目標を立てることが大事」とよくいいますよね。当たり前すぎて、疑う気にもならないかも知れませんが、皆さんは本当に目標を持つことが大事だと思いますか??
実は目標には、2つあります。業績につながる目標とつながらない目標。そして多くの企業やチームの掲げる目標は「業績につながらない目標」です。そして恐ろしいことに、つながらない目標は業績にマイナスの影響を及ぼすことすらあるのです。
目標に対する勘違い
ビジネスでは目標と計画が大事だとされていますが、目標を立てたがために業績が下がることが多々あります。
え、どういうこと?書き間違い?と思うかも知れませんが、珍しいことではありません。
例えば営業マンが、今月の成績を達成した場合に、追加で月末に入る契約を、来月に先延ばしにして契約貯金を作るケースありますよね?
今月は個人目標を達成してるので、もうこれ以上必要ない、評価も目標の120%を越え、S以上もらえないので、来月の評価に回してしまえ、という心理から契約を後回しにするケースです。私も営業経験が長かったのでよくわかります。
もしくは、目標を過度なプレッシャーとして捉えて、離職したり休職したりするケースはどうでしょう?人が抜けたことで、チームの業績は一時的に下がってしまうかも知れません。
時には、目標達成のために不正をしたり、帳簿を書き換えたりということが起きます。まさかそんなわけ、と思うような不正を隠すニュースが後をたたないですが、なぜこんなことをするのかというと、「目標があるから」です。
目標は業績向上と相関がない
実はビジネスの研究で言うと、今までチームに目標を課すことが生産性向上につながることを示す証拠というのは1つも見つかっていないそうです。
目標やそれに伴う計画が有効なのは、自分のチームの取り組みを対外的に説明するときや、チームの進捗を管理する時に必要なだけで、目標があろうがなかろうが、それが業績向上に役立つわけではないのです。
そんなの嘘だ。自分は目標があった方がやる気が出るよ?という方もいるでしょう。ではここから業績に役立つ目標についてお話しします。
コモンパーパスとワクチン
目標自体は業績にプラスにもマイナスにもなりません。けれどその目標にあなたがどういう意味づけをするかで、それは業績に影響する目標になり得るのです。
例えば、Sさんのお店のキャンペーンやワクチンの事例では、お店のスタッフにとって目標はとても強い意味を持っていました。それは自分たちで考えてみんなで挑戦しようと思えた目標だからです。
伝説のAUショップ店長、Sさんのお話↓↓↓
でも、もし赴任したばかりのSさんが、頭ごなしにキャンペーンやワクチンの提案をしてお店のスタッフにやらせたらどうでしょう。彼らは全くやる気にならなかったでしょう。
これが目標自体にはプラスもマイナスもないという意味です。
5Cの【コモンパーパス】は共通の目標なので、部署やお店の目標でOKなのですが、大事なのは、【コネクト】しているかどうかです。Sさんのお店のように、目標に対して共感や使命感を持っていれば、それは業績に影響する目標になります。
JALのコネクト
あるいは、この目標を達成しなければ命が危ない、みたいな状況もパフォーマンスに影響を与えます。
例えば2024年、年初のJALの事故のように、飛行機から脱出しないといけないような状況で、瞬時に客室乗務員がチームワークを発揮し、的確な指示で乗客を無事脱出させなければならない時、「乗客、乗務員全員が無事に避難する」「誰も危険にさらさない」という共通の目標が彼ら彼女らから想像を超えたパフォーマンスを引き出したのだと思います。
つまり、チームを業績向上に導くのは達成することに意味を感じられた目標ということになります。
のっとられた定性目標
チームには普通、数字の目標があります。売上、利益、経費、工数etc…数字で測ることは客観性を持たせ、進捗を管理する上で重要です。でも、数字の目標に共感できる人ってあんまりいないですよね。
普通人間は、なぜやるのか?なんのために、誰のためにやるのか?という意味を含んだ定性的な目標やその背景のストーリーに共感し、仕事への情熱を燃やしたいはずです。
そのストーリーに「いつまでに」「どれくらい」…を加えて数字に置き換えた方が管理をしやすいから、置き換えられるところだけを数字に置き換えているだけのはずなのに、いつしか数字が主役になり、定量目標が幅を利かせ、定性目標に襲いかかり、知らぬ間に体を乗っ取られます。まるで寄生獣やサマータイムレンダのようです。
意味づけは最強のバフ
意味づけのパワーの例え話で有名な話があります。
あるところに石を積んでいる男がいます。
「何してるんですか?」
「見りゃわかるだろ、石を積んでるんだよ!」
少し離れたところに、別の男がいました。
「何してるんですか?」
「壁作ってんだ。」
さらに歩くと、また別の男がいました。
「何してるんですか?」
「大聖堂を作ってるんです!ここに人が集い、幸せを祈る場所を作ってるんですよ!」
この3人の男で一番パフォーマンスが高いのは誰でしょう?おそらく最後の人でしょう。一番幸せそうに楽しそうに働いている人は?これも最後の人でしょう。
3人とも目標は同じですが、目標への意味づけにより、パフォーマンスへの影響は大きく変わります。意味づけこそ最強のバフといえます。(バフ=キャラの能力を強化するゲーム用語)
イミフの目標 ただのデバフ
にもかかわらず多くの企業は、従業員にそのバフを与えないまま、酷い時には説明なしに意味不明の目標を押し付け、責任だけ追求するデバフスタイルで現場で戦わせて、その意識すらないんですよね。こんな残念なことある??
実は私自身、目標に意味づけができたことをきっかけに、チームが大きく変わったという経験があるのです。だからそのパワーを企業が活用してないのは本当に勿体無いと思っています。業績半分損してますね。
次回は私の経験をもとにした事例をお伝えさせていただきます。
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