【実話】グレートマネージャーと伝説の店長②
前回から伝説のAUショップの店長Sさんについてお話ししています。
クレームだらけで雰囲気が暗いお店に赴任したSさんが「仕事しててどんな時が楽しい?」の質問をめげずに繰り返したところ、訝しがられつつも少しづつお店に活気が戻ってきたエピソードをお伝えしました。
今回はその続きです。
炎のキャンペーン
転機は不意に訪れました。活気が戻ったお店にやってきた転機、それは「キャンペーン」でした。特定の機種を全国のお店で一定の期間販促するメーカー主催のキャンペーンが、AUショップでは定期的に行われます。
そしてSさんのお店では、とある1ヶ月間のキャンペーンに本気で取り組もうという話になったそうです。
キャンペーンへの積極的な参加はSさんの発案ではありません。スタッフたちの自発的な提案がきっかけでした。
得意を活かして仕事をする機会が増え、メンバー同士のコミュニケーションも 活発になり、やる気を取り戻したスタッフたちは、もっとみんなで燃えられるきっかけを探していたのかもしれません。
熱から溢れる創意工夫
このキャンペーンで、スタッフはいろんなことに挑戦します。商品陳列や営業トークにも工夫を凝らします。「別のメーカーの機種を売ったら、罰としてモノボケ」などの珍ルールも発明され、ノリとしては仕事というより文化祭に近かったそうです。
キャンペーンの結果は、毎日本部より送られてくるのですが、続けていくうちに、とうとう順位は関東地区のベスト10まで浮上!!
これを機にスタッフたちの熱はさらにヒートアップ!!
遊びのように仕事に熱中し、いよいよ最終日を迎え白熱のキャンペーンは終了しました。
さあ、いよいよ結果発表の時が来ました。パソコンの前には、スタッフ全員が集まりました。息を呑んだ後、Sさんが代表してパソコンを開きます。
いよいよ結果発表!!
さあ、結果は…
…2位!!
万年Cクラスでホラー映画のように暗かった腐店が、とんでもない快挙を達成しました。店長として誇らしげなSさん。よく頑張ったという気持ちでディスプレイから目を離し、スタッフたちを労うためにみんなの方に目を向けました。
そこでSさんはビックリ‼️しました。なんと…
スタッフたちが泣いていたのです。呆然と呆けているスタッフもいます。喜びではなく悔しさからの涙でした。
彼らは、ここまで来れば優勝しかない、絶対に優勝できる、と思っていたのです。
弱虫の炎
このキャンペーンを機に、一気にお店が変わります。好きで得意を仕事に取り入れ、仕事を楽しむという雰囲気に加え、全員で目標に取り組む楽しさ、やればできるという自信をメンバーは体験することができたからです。
そして、その後、彼らは前述したように全国一位の売上という栄光を手にすることになるのですが、最後に彼らをドライブさせたもの、それが「使命感」でした。
次回は万年Cクラスのお店を全国一位に押し上げる最後のエネルギー、「使命感」についてお届け致します。
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