福音

幸せのおとがするよ。聞いたことはないから、わかんないんだけどさ。きっとそう。もぞもぞして、からからして、すぅーっとして。かわいいおとだと思うの。

そしたら、あなたの顔が浮かんだので、あいたくなったよ。幸せな時は幸せっていっていいんだよね？知ってた？わたしは長い間、忘れちゃってた、そのことば。

夏の匂いは、幻想かもしれないけど、湿気と熱気とコントラストきつめの青い空から。目がくらんでしまうから、見ないで。感じるの。夜の空気に紛れて、あなたの星を探して。

そしたら、流れ星が、流れた音がきこえて。透明な群青の空の向こう側の存在を、強く感じたよ。そこにいるんだね。ことしもありがとう。

涙の流れる音はもうしない。微笑む端だけちょっとにじんで。