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【映画rie】恋愛じゃない恋愛映画『(500)日のサマー』

評判がいいので気になりつつ、恋愛映画!?だと敬遠しがち…ようやく観ました。…10年以上前の映画なんですね 面白かった。


500日のサマー((500) Days of Summer)
監督マーク・ウェブ
出演者ジョセフ・ゴードン=レヴィット ズーイー・デシャネル
2009年アメリカ映画
脚本 スコット・ノイスタッターの実際のロマンスに基づいて作られている。

主演の男性いいですよね。美しい雰囲気と、"普通の人”に ちゃんと見える実存感。スノーデンとザ・ウォークあとインセプションにも出てましたね。一作ごとに印象が違う。

こういうコンパクトな小品映画。人間ドラマのバトンが 引き継がれているアメリカ、ヨーロッパ。羨ましい。

日本だとどうでしょう。

高校生の恋愛、難病を抱える美男美女の恋愛。やたらと絶叫するコメディなど、映画館の予告で疲れることも増えました笑。それ以外、を撮ってる映画人にリスペクトと予算、チャンスが増える事をいつも祈っている。



500日。路上でダンスするところだとか、主人公の感じとか。少しだけサブカルチャー感のある選曲とか"モテキ"にかなり似た感じを受けたんですけど…ってこれも、有名な話なんでしょうか。感想が全部10年遅れですね。

冒頭 ”これは恋愛映画じゃない"のエクスキューズから始まる。

恋愛映画に腰が引ける鑑賞者がいることを 、折り込み済みなら この映画、信用できるかもしれない…ちょっとずるいと思ったけど笑。この監督、500日のあとスパイダーマンシリーズ撮るんですね。恋愛映画のマスターピースの引用も、嫌味なくスマートに織り込まれていて、そこも感じが良かった。

卒業。については物語の鍵にもなっている。時間を進めたり戻ったりする全体の構成、彼女の好きな身体のパーツのカットバックは 勝手にしやがれ的で、ああそうかと。アニーホール。ビフォーサンライズ。ベルイマン。あとはフェリスはある朝突然に。スターウォーズも出てくるし、他にも もっと色々あるんでしょう。

主人公が恋する女 サマーは冒頭から、クソ女だった。と回想される。レビューを見てもそう書いている人が多く、途中まで私もそう思ってた。こういう子 時々いるねーと。

でも冒頭で主人公は、こうも回想している。
映画”卒業”のエンディングを 僕は完全に読み違えてたと。これが後半になるに従って、効いてくる。

多くの人が通る 若気の至り的 、有名な "卒業” の エンディング読み間違い。結婚、結ばれる事がゴールでハッピーエンドと捉えてしまう。つまり "僕"は子供だったと 主人公は 冒頭で告白しているんですね。

一方、クソ女ことサマーは"卒業"のエンディングで泣き、主人公と正反対の反応。彼女は、少なくとも"僕"より大人だった。クソ女のようでいて、実は最初から 彼よりずっと先を見ていたのかもしれない。

男から見た視点だけで 彼女を描くとクソ女でしかない。

でも、彼女には彼女の、映画では描かれていない 言い分が どうやらある。恋愛でも事件でも、それぞれの側で見ようとすると羅生門みたいになって、見落としが出る。色んな角度から想像するのが私は何より好きです。

彼女はクソ女。ではなく 取扱注意の魅力的な女性なんだろうと思う。身近にいたら 困るだろうけど。

サマーという女と破局した後、次を予感させる女はオータムという名だった。こういうの、くさいのかな。私は結構好きです。謝謝


500日のサマー
((500) Days of Summer)
監督マーク・ウェブ
出演者ジョセフ・ゴードン=レヴィット ズーイー・デシャネル
2009年アメリカ映画
脚本 スコット・ノイスタッターの実際のロマンスに基づいて作られている。

70点

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