2020年11月の記事一覧
あなたは「それ」にいくつ気付くだろうか
「私の間違いじゃない。世の中にはいい男の人の方が多いんだ。彼女がそう言ってくれなかったら、多分もっと長く、あの恐怖から抜け出せなかっただろう。」
何がそんなに大変なんだね、最近の女性は……
娘を抱えるキム・ジヨン氏は、夫に連れられて精神科を受診する。
この小説は、担当医が書いたジヨン氏のカウンセリングの記録、という形をとって進んでいく。
当時の韓国の男性・女性に対する国家全体としての差異。
出
本人の意志とは無関係に動き出す運命
「自分の意志がなくて、糸に操られて歩いているようで、責任もない明るさは、自殺前とは別人みたいだと自分を思った。人生は軽やかさにあふれていた。」
羽仁男は自分が自殺に失敗したのを知った。
目の前にひらけたカラッポな世界をして、彼は新聞の求職欄に広告を出す。
「命売ります。お好きな目的にお使い下さい。」
次々と現れる命の買い手たち。しかし命など惜しくなかったはずの男は、売っても売っても生き延びてしま
死なないから生きている
「ほんとうはあまり生きていたくない。我が子と同じくらい愛してしまった酒をやめてまで、生きる理由が見つからない。理由がないけれど、死なないから生きている。生きてしまっているからには、あの子を煩わせないように、酒を飲まないことだけを考えて一生懸命に生きる。生きることが嫌いなことと、一生懸命に生きることは、矛盾しない。」
『坊ちゃん』の清になろう、と決めた。
煎茶を飲みながら新聞をゆっくり音読する。
そこは出口のない世界
「無造作に丸まった下着を広げるとき、わたしは一瞬、ここへ来たことを後悔する。きのうまでハトロン紙にくるまれ、壊れやすいお菓子のように丁寧に箱におさめられていた絹の下着が、まだ二、三時間しか着ていないというのに、もう腐敗しかけた残飯になってしまった気がする。」
逢引の前に図書館で、寄生虫図鑑を眺める。
わたしも寄生虫になって、彼の中をさ迷えたら、そこは出口のない世界。
ねえ知ってる?寄生虫って、生
自分のことを、待つ。
「私の知らない甘やかな思いを彼女たちが味わっている。まるで、上等のアイスクリームを絞り出したように心が良い匂いを立てて、食べてくれた言わんばかりに溶けている。」
サエキくんに好きな人ができた。それもうんと年上の女。素顔に赤い口紅だけを引く女。
別れた相手を憎んでののしったりすることは、「そんな男」と付き合っていた自分をも醜くしてしまう。
付き合っていた時のサエキくんにはもう気持ちの整理をつけたけ