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人事制度づくりで大切なこと(その5)

前回の記事では、「多岐にわたる人材マネジメント機能を整合性を持って整える」ことが大切であるということを書きました。そして、それを機能させるためには、管理職によるマネジメントが重要であるということに触れました。

今回は、管理職による現場での「人材マネジメント」について紹介してみたいと思います。

さて、ここで質問です。
英語のManagement(マネジメント)を日本語に翻訳すると、どのような言葉になるでしょうか?
皆さんはManagementという言葉を聞いて、どのようなことをイメージしますか?

一般的に、Managementは「管理」と翻訳されます。
もちろんこれで間違ってはいないのですが、弊社では、「管理」だとちょっと正しいニュアンスではないなと捉えています。
「管理」という言葉は、「決められたことをちゃんとやる」とか「計画通りにきちんと進める」とか「ある範囲から逸脱しないように取り締まる」というようなイメージを想起させ、どちらかというとControl(コントロール)という言葉に近く、Managementの意味とは少し異なってしまうと思います。

そのように考えると、英語のManagementにピッタリとあてはまる日本語が見当たらないんですよね。

そこで弊社では、管理職研修の受講者の皆さんには次のようにお伝えしています。

Management = 「なんとかやりくりすること」

いかがでしょうか?

もしあなたが管理職だとしたら、ご自身の仕事について、以下のことをちょっと考えてみてください。
もしあなたが管理職ではなかったとしたら、ご自分の上司の仕事について、以下のことをちょっと考えてみてください。

その仕事を行うために、好きなだけ使える時間が与えられていますか?
その仕事を行うために、部下の数を自由に決めて好きなだけ増やすことはできますか?
その仕事を行うために、いくらでもお金を費やしてよいという状況にありますか?
その仕事を行うために、資材や機材はふんだんにに用意されていますか?
その仕事を行うために、必要な情報はいつでも好きなだけ入手できますか?

いかがでしょうか?
おそらく、そのようなことはないと思います。
管理職の皆さんは、限られた時間の中で、限られた人員で、限られた予算で、限られた資機材で、限られた情報に頼りながら、高い目標を達成することを求められているのではないでしょうか。
これがまさに、「なんとかやりくりすること」で、Managementの本質なのです。

管理職の皆さんが行うべきManegementは多岐にわたりますが、ここからは「人材マネジメント」について記します。

人材マネジメントは、以下の三点に尽きると考えています。
 1.部門の目標と戦略を明確に示す
 2.部下のやる気を引き出して維持する
 3.部下の成長を支援する

管理職がこの3つをしっかりと遂行することにより、部下の仕事のアウトプットを組織としての成果につなげ、お客様への価値の提供を通じて売上・利益をあげること。これこそが企業活動というものではないでしょうか。

そのためには、管理職の皆さんのマネジメント能力を高めることが必要不可欠です。
どんなに素晴らしい人事制度ができたとしても、管理職のマネジメント能力が不十分だったり、管理職の皆さんが人材マネジメントにしっかり取り組まなかったりしたら、制度は機能しません。

人事制度づくりで大切なこと、その5は「管理職の人材マネジメント能力を高める」です。

弊社では、人事制度づくりのお手伝いと合わせて、管理職の皆さんに対する研修の提供も行っています。

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