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【詩】お前の言葉を聞かせてくれ

お前の言葉を 聞かせてくれ……
 
もう 誰かの言葉を なぞるのを止めて
 
お前だけの 胸の中 心の奥
そこにある言葉だけを 聞かせてくれ……


現代社会は 画面に触れば 情報がやってくる。
 
それをただ 見ているだけでも
何かをしている ような気になれる。
 
思考停止して 情報の奴隷になることは
カンタンだ。

自分で自分を 否定することも カンタンだ。

頭の中でただ 自殺 を繰り返すだけでも
何かをしている ような気になれる。
 
無限の自殺の痛みから 逃れたくて……
少しでも早く 楽になりたくて……
 
心の中の「俺」を捨て
「真面目」「従順」という名の仮面をつけ

現代社会の望む「私」になることも
カンタンだ。
 
だけど その 甘美なる悦楽の代償は
心の奥の 「俺」の痛みの代償は
 
お前の人生の「ここ一番」
 
そこで 全て支払うことになるだろう。
 
……かつての俺が そうであったように……


代償を払った お前が
全てを失った お前が

本当にしたいことはなんだ?
 
もしあれば 上手く言えなくてもいい
俺に 聞かせてくれ。

それは きっと
思考停止でも
無限の自殺でも
現代社会の操り人形になることでもない……
 
お前がお前であること。

――胸の中 心の奥にいる 本当の自分――

お前の持つ 純粋で無垢な 自由な魂
その声に 生きる限り
無我夢中で 応えること。
 
その生き方は
誰かに敷かれたレールを進めば許された
今までのお前にとって

きっと ひどく苦しく 辛いだろう……
 
それでもなお
新しい生き方を自ら選びとる 勇気は
お前には あるか?


もしも
本当のお前の人生を 歩み始めたなら……

今輝き始めたお前を 否定してくるヤツらは
きっと いるだろう。
 
ヤツらは 「匿名」という名の仮面をつけ
言葉の免罪符を 手に入れた気になって

感情を 使って
暴言を 誹謗中傷を 書いてくる。

正論を 理屈を 使って
「それらしい」言葉を 並べてくる。

「◯ね」
「消えろ」
「何してんの!?」
「ありえない」
「現実的に考えろ」

――悪意に満ちた これらは――

――思考停止し 無限の自殺を繰り返し
現代社会の操り人形だった
過去のお前の声そのもの のはずだ――

だけど もう
今輝いているお前には 関係ないだろ?
 
愚かで 汚く 薄っぺらい
独りよがりの言葉など

お前を蹴り落し しがみつき 支配しようとする
哀れな言葉など

無視すればいい。
 
そうしたら きっと その邪悪な言葉は
発した者の心に そのまま 帰ってゆくだろう。 

――言葉とは きっと――
――自分に 言い聞かせるもの――


誰が 何を思おうと 何を言ってこようと
今輝いているお前には 関係ないだろ?

お前は ただ
お前の心の声に 耳を傾け続ければいい。

お前は ただ
ありのままのお前で いればいい。

お前は ただ
純粋無垢な 子どもの心のままで いればいい。

誰かの声を 気にするのをやめ……
何者にも 媚びず ゆらがず……

お前は ただ お前のままで
自由に 生きてゆけばいい。

そうして たとえ……

誰にも理解されずとも
ひとりで さびしくても
誰かに理解された ような気がしても
 
お前の 本当の味方は お前だけだ。

俺は ただ 見ているだけだ。
 
お前だけが お前の全てを
分かっているはずだ。
 
他の誰にも
――家族 友人 仲間 親友や恋人でさえも――
お前の全ては 分からないはずだ。
 
お前だけが
お前の言葉に込めた 本当の意図を
お前の人生を
お前そのものを 分かっているだろ?
 
誰に言われるまでもなく 決められるまでもなく

――お前は いままでも これからも
ずっとずっと お前 なんだ――


――だから
これからお前が歩むのは
困難 という名のお前の本当の人生だ――

社会的な保証も 承認の保証も 何もない。
 
だけど もう
無限の自殺も 思考停止も
操り人形に戻ろうとも しないだろ?

お前だけが 本当のお前を
分かっているから……


……そうして 他でもないお前が
ひとりで 自由に 進み続けた その先で……

いつか 叶うのなら……

もう一度 お前の本当の言葉を 聞かせてくれ。

世界でただひとり お前だけの
魂の叫びを

それだけを 聞かせてくれ。


俺は お前の魂の叫びを

お前の 胸の中 心の奥で 待っている。
 
今もう一度 目を覚ました
子どものお前 と共に。


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