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文学の匂いがする人


2024年6月6日(木)朝の6:00になりました。

ち...ちがうね!オレは本を読んでいる!

どうも、高倉大希です。




文学の匂いがする人は、とても素敵だなと思います。

ポイントは、「匂いがする」というところです。


見るからに、であってはなりません。

どう考えても、であってもなりません。


柔軟剤のように、ほんのりと香るくらいがベストです。

匂わせよう、という意図がないくらいがベストです。


ときどき、「プロのフリをしたプロ」っていうのがいます。プロでありながら、プロとしての生き方をしていないので、他のプロへの尊敬ができず、他のプロの悪口を言ったり、素人の前でプロぶったりします。プロは、プロぶらないです。ニセプロにはお気をつけください。

小林賢太郎(2024)「表現を仕事にするということ」幻冬舎


少しだけ、ギャグと似ているなと思います。

あからさまにウケを狙ったギャグは、逆に引いてしまいます。


ぶりっ子も、同じです。

意図が見透いたかわいい仕草は、逆に引いてしまいます。


わざとらしさは、嫌われます。

このあたりの塩梅が、非常に難しいところです。


文章を書くうえでは、イキり成分を適宜、調整したほうがいいんです。イキりすぎると「寒い」「イタい」ことになる。かといって、まったくイキってない文章は、「その人らしさ」が感じられなくてつまらない。

田中泰延、直塚大成(2023)『「書く力」の教室」SBクリエイティブ株式会社


だから『文豪ストレイドックス』は、あまり好みではありません。

一方で『攻殻機動隊 SAC』は、どちらかというと好みです。


べつに、上記の作品の賛否を述べたいわけではありません。

文学の、匂いがするくらいがちょうどいいという話です。


本当に、それ以上でもそれ以下でもありません。

気づかれなくてもべつにいい、と思っているくらいがベストなのです。


何かをあらわしたいと思っている間はダメなんだ。「あらわれた」というのはいいけどさ。これは難しいですよね、難しいけどおもしろい。だからね、ぼくは、年齢的に長生きしないと損だと思う。

横尾忠則(2021)「YOKOO LIFE」ほぼ日


文章で言うならば、読者への信頼なのかもしれません。

書き手が押し付けるのではなく、読み手が自分で読み取ります。


わざわざ強調しなくても、読み手が匂いを嗅ぎ取ります。

きっとそんな関係に、憧れを抱いているのだろうなと思います。


あらわしたいと思っている間はダメなんだ。

「あらわれた」というのはいいけどさ。






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