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知識がないから「おもしろい」と思えない
2023年7月30日(日)朝の6:00になりました。
常識と非常識がぶつかたときに、イノベーションが生まれる。
どうも、高倉大希です。
音楽に造詣が深くなくとも、音楽を楽しむことはできます。
医療関係者ではなくとも、医療関係のドラマを楽しむことはできます。
多くの作品は、知識がなくても楽しめるようにできています。
コード進行に関する知識があれば、その曲を構造的に捉えることができます。
病院での勤務経験があれば、その脚本の再現度を判断することができます。
知識があれば、感動できるポイントが増えるということもまた事実です。
象について調べているうちに、数学に関心を持って、パリの大学につながって、現地でファッションの勉強をしている女性と恋におちました......なんていう、「風が吹けば桶屋が儲かる」みたいな、はじめっからは想像できない連鎖がほんとうにできるのが、「リンク」というものの面白いところです。
村上春樹さんの『ノルウェイの森』の中に「世界中のジャングルの虎がみんな溶けてバターになってしまうくらい好きだ」というセリフが出てます。
当時は「なんだこの言い回しは」と思っていたのですが、のちに『ちびくろ・さんぼ』という絵本のオマージュだということを知りました。
この瞬間に、まったく関連性のなかった『ノルウェイの森』と『ちびくろ・さんぼ』というふたつの点が、一本の線でつながりました。
自分の知識不足のせいで、楽しめないのはもったいない。
このころから「パロディやオマージュの元ネタがわかるようになりたい」と思うようになり、いわゆる王道作品と呼ばれるものを手にとるようになりました。
「どれくらい私のこと好き?」と緑が訊いた。「世界中のジャングルの虎がみんな溶けてバターになってしまうくらい好きだ」と僕は言った。
前述のとおり、多くの作品は知識がなくても楽しめるようにできています。
これはあくまでも、つくり手の親切心によるものです。
もし、とある作品を「つまらない」と感じたのなら、それはあなたの知識が足りていなかっただけなのかもしれません。
つくり手の用いる言語と文脈がわかる。
そこではじめて、わたしたちは「おもしろい」と思うことができます。
かなり稀ではありますが、単純な関係性を理解するだけで、すべてを「わかった!」と感じることができるような発見があるのです。それは、科学者にとって一番楽しい瞬間であり、セーラー服の薬師丸ひろ子が機関銃を撃ちまくるような“カイカン”を科学者にもたらしてくれます。
対象のせいにしてしまうのは簡単です。
ただ、対象のせいにしつづける限り、その場をおもしろいと思えるかどうかは、運任せになってしまいます。
毎朝6時に更新します。読みましょう。 https://t.co/rAu7K1rUO8
— 高倉大希|インク (@firesign_ink) January 1, 2023
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