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チュートリアルでゲームをやめる


2023年9月19日(火)朝の6:00になりました。

お前チリンチリン盗まれたんか、大丈夫か。

どうも、高倉大希です。




的を狙って、Aボタンを押してみよう。

右上のアイコンにカーソルを合わせて、アイテムボックスを開いてみよう。


大抵のゲームは、このようなチュートリアルからはじまります。

チュートリアルは、プレイヤーに基本操作を伝えるための重要なパートです。


このチュートリアルが、どうにも好きになれません。

いつもチュートリアルの段階で、ゲームをやめてしまいます。


なぜ型を習得する必要があるのかと、初心者が尋ねる。すでに型の重要性を体験した人は、なぜやふぜきなのかがまさに身体を通して腑に落ちている。だが、初心者に説明する時には言葉を尽くしながらも、もどかしさを感じるだろう。本当の意味で型の大切さがわかるのは、結局、体験した後だからだ。

為末大(2023)「熟達論」新潮社


説明書も、あまり読まないタイプです。

手当たり次第にはじめてみて、わからなくなったら説明書を開きます。


そういう意味でも、やはりApple製品はすごいなと思います。

説明書がなくても使えるように、直感で操作できるつくりになっています


なぜこんなにも、チュートリアルや説明書に嫌悪感を覚えるのか。

そんなことを考えているときに、ドンピシャな本に出会いました。


なんとなく「右へ行くのかな?」と仮説を立てました。でもこの時点ではあくまで仮説でしかありません。(中略)その直後、右から出てきたクリボーに気づきます。右に行くという行動が正しいかどうかという不安の中、クリボーに出会ったら......さああらためて問います。クリボーを見つけたプレイヤーがよろこぶ理由とは?こたえは「右へ行って正解だった!と、よろこぶ」です。

玉城真一郎(2019)『「ついやってしまう」体験のつくりかた」ダイヤモンド社


「私たちの脳は、常に『〇〇するのかな?』という次の行動についての仮説をつくりたがっている」

元任天堂社員の玉城真一郎さんの言葉です。


意識しているかどうかは、関係ありません。

人間は、立てた仮説を確かめたいという欲求を、つねに抱いているのです。


そう考えると、チュートリアルは丁寧に説明しすぎです。

説明書も、仮説を立てる余白を与えてはくれません。


あの山の向こうはこうなっているはずだ、あの海の向こうはこんな大地が広がっているはずだ、世界の果てはこうなっているはずだ、という仮説を図面にしたものが地図なのです。つまり、地図とは「仮説」なのです。

瀧本哲史(2016)「ミライの授業」講談社


仮説を立てること、試行すること、検証すること。

これらを経て、わたしたちはものごとに熱中します。


過剰な説明は、仮説を奪います。

過剰な説明は、熱中を奪います。






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