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「趣味は読書です」という人と話してよかった例がない


2023年8月26日(土)朝の6:00になりました。

趣味は読書です。

どうも、高倉大希です。




趣味は読書です。

こう言う人と話して、よかった例がありません。


べつに、その人のことをわるく言うつもりはありません。

趣味が読書であることは、結構なことです。


他者がとやかく言うことではありません。

話してよいことがなかった、というただそれだけのことです。


ところで読書は、最近、昔ほど重視されていないようだ。ラジオ、とくにテレビは、かつて活字が果たしていた機能を肩代わりしようとしている。テレビのニュースは目に訴えるし、仕事をしながらでも聞けて便利である。

M.J.アドラー、C.V.ドーレン(1997)「本を読む本」講談社


趣味という言葉にはどうも、その人の願いが込められがちです。

他者からどう見られたいか、という願いです。


賢そうな人だと思われたい。

落ち着いた人だと思われたい。


「趣味は読書です」という言葉からは、このようなにおいがぷんぷんします。

そして大抵の場合において、そのにおいは的中します。


ぼくは、ひとりの時間を持たない人は、どこか嘘があると思う。できれば、ひとりの時間を持っている人や、それを経験してきた人と付き合っていたいんです。

糸井重里、古賀史健(2018)「古賀史健がまとめた糸井重里のこと」ほぼ日


くり返しになりますが、「趣味は読書です」と言う人がわるいとは思いません。

他者からの見られ方を気にすることも、至って自然な感情です。


趣味という言葉には、そのようなニュアンスが込められがちである。

そんな事実を、こちらが認識しておけばよいというだけの話です。


好きなものほど、こだわりが強くなります。

こだわりが強くなるほど、話は合わなくなっていきます。


人に本を薦めるのは怖い。人の時間を奪ってしまうかもしれないし、好きな作品を「あんまりだった」ちょ思われてしまうのも寂しい。なにより、勝手にほんと読者を引き合わせておいて失敗するなんて、作者に申し訳ない。

又吉直樹(2023)「月と散文」KADOKAWA


「おすすめの本は?」と聞かれて、困る人が好きです。

本棚をだれかに見せることを、恥ずかしいと思う人が好きです。


なんどだって言いますが、「趣味は読書です」と言う人がわるいとは思いません。

なんならこうして読書をテーマに文章を書いている時点で、「趣味は読書です」と言っていることとなんら変わりはありません。


賢そうな人だと思ってください。

落ち着いた人だと思ってください。






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