三十歳の日記(6/1-6/16)
六月一日
終電を待つ駅のホームで今からまたあの人間を人間とも思わない寿司詰めの箱に乗って殺意を隠しながら家まで耐えるのかと思うと既に気が滅入っていた。金曜の終電だけ混むのを一刻も早く辞めてほしいがみんなもみんなで月曜から働いてきてようやくこの夜にだけ作動するモーションセンサー爆弾が至る所で弾けてこのような半端ない満員電車を作っている。画面中央の邪魔なテトリスの水色の棒みたいにただ突っ立って電車を待っていると目の前を髪の長いかわいい女の人が横切った。「お、かわいい女だ」と思っ