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連載小説「もっと遠くへ」二章

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#人間

初稿の連載小説「もっと遠くへ」3-2

初稿の連載小説「もっと遠くへ」3-2

3-1はこちら↓
https://note.com/fine_willet919/n/na4534caae01b

煙草の先端の燃える箇所をただただ眺めながらいましたら、

「いや、何か用があるんかも知れんから、一応聞いとこ思て」

亮介が続けます。僕は、なんと答えればいいのか分からず、とりあえず黙っていましたら、

「時間あるなら、これから一緒に飲みに行かへん?いいとこ知ってるから。もし、あれや

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初稿の連載小説「もっと遠くへ」3-1

初稿の連載小説「もっと遠くへ」3-1

2-4はこちら↓
https://note.com/fine_willet919/n/nc887f2d726fb

上京東京の経済学部のある大学に進学しました。

あの日以来、父はちっとも口を聞いてくれなくなりました。荒れることもなく、大人しいという印象さえありました。僕はそんな父から逃げるように東京に出てきたのです。

京王線の聖蹟桜ヶ丘という駅で部屋を借りましたが、その部屋が、築年数五十年を超

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