見出し画像

名言で勝手にエッセイ 【1】

継続(の試み)


毎日投稿を目指す人のようにはいかないが、続ける契機を作りたいと思っていた。継続している人のnoteを複数読んでみたりなどして。

単に名言を紹介するだけでなく、人類の叡智として参照されているものに対して、「自分の思うところ」を示せば、ひとまず個性の発露にはなる。

かつ、なんらか断続的にでも続けることができるんじゃないかと思い、始めてみることにした。



好機とは何か


栄えある第1弾は、著名なフランシス・ベーコン。

でも、知識は力である、のほうではない。

原文は、次のように紹介されている。

A wise man will make more opportunities than he finds.

フランシス・ベーコン 『随筆集』

訳文としては、

  1. 賢い者は、機会を多く見つける以上に、機会を多く創る。

  2. 賢者は、自分に与えられるより多くの機会を創る。

  3. 賢者はチャンスを見つけるよりも、自らチャンスを創り出す。

としていたりするようだ。

個人的意見としては、賢者というのはカッコよい響きだが四角四面ともいえるし(ゲーム時代においては、ジョブチェンジの対象みたいだ)、賢い者と訓読みにしてあるほうがおおらかでありつつ含蓄があるような気はする。

oppotunity について、「機会」とついうっかり機械的に訳してしまうのが受験英語の哀しい性なんだが(いや、プロが訳してると思うよ)、これだと、無色透明な「場合」でありえ、なぜ賢いとその場合分けを多く創るのか、いまいち伝わりにくい気がする。

この点、無色透明ではなくて、人生の突破点、好機を見出すという性質(色がついた)の着眼が盛り込まれているのは、実は3つめの、チャンス(英語が日本語になっただけのものだが…汗)へのパラフレーズじゃなかろうか。

砕けすぎとの非難もありえそうだが。かといって、人生の含蓄を論じるのに、模範解答の何が愉しいのか、ともいえる。

賢いと、ブレイクスルーできるようなポイントを待たずに創ろうとするものだ…うーむそうか、自分ができているかは別として。そういや天下人家康公なんて、ホトトギスが鳴くまで待てって言ってたが…。

あと、動詞の「敢えての無視」というのも興味深い(跳躍…じゃなくて超訳?)。2つ目の訳文は、findsを「能動的に」見つけるというニュアンスではなくて、見つける「だけ」という受動的な意味に受け取っている。それで、与えられる機会…となると。

試訳

賢い人は、機会に気づく以上に、好機を(自ら)創り出すものである。

まとめ(?)

好機を獲るのは、単なる巡り合わせや洞察力だけじゃないんだよ、実現しようとする意志の力が介在しているよと。

※ 冒頭の写真コラージュはフリー素材を用いた自作なんですが、絶景に気づけそうな動物は一匹だけにしました。


以下は、もう少しお時間を下さる人向けです。

ベーコンはデカルトの演繹法をそれこそ懐疑して(デカルトの十八番)、今の自然科学がデータ収集する帰納法を哲学に組み込んだ人だ(とされている)。

テーゼをいきなり立てるのではなくて、サンプルの集積で正しく世界が認識できるという逆算の哲学者。

ちょっと理工系に寄ってしまうけど、本田宗一郎の「まずはやってみろ」発言にも近いのか。手数を出すというのはサンプルが多数になるから、その集積で真理(本質や原理と言い換えてもいいけど)に辿り着くよと。

洋の東西を超えると、Googleも「早く失敗しろ」文化だというよね…。知っている人には皆まで言うなだろうけど(汗)、足の引っ張り合いをしているのではなくて、エジソンみたいに、「巧くいかない方法をまた一つ確定した(よっしゃ次へ)」と肯定的に見るらしい。

日本の売れる書籍のパターン(?)に、『失敗しない○○』ってあるが、恥の文化とがっちり噛んでいて、我々はマインドから剥がせないのかもしれない。

そもそも、失うと敗れるって漢字の当て方自体が、エジソン方向じゃないよなと…。

要するに、図々しいくらい、勇猛果敢に取り組む意志と、ベーコンの名言は密接不可分なんだろうな、という前提条件の確認というか。

日本人は感銘を受けるが、実践できる人はなかなか居ないだろう。というのも失敗がとにかく嫌で恥だと社会に思わされているから…。

とかなんとかあがきながら、何とかして自分なりの突破口を見出したいと願う愚者でありました(創り出す前に、気づけるようにならないといけない人)。


▷まとめマガジンあります

他のエッセイも読んでいただけたら、光栄です。
よろしくお願いいたします。




▷共同マガジンの紹介

※ 2023年11月5日追記


※ 2023年12月8日追記

※ 2024年6月7日追記

名言エッセイを再開しようかなどと迷っている最中に、著名なこちらにお邪魔させていただくことになりました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?