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【経済的自立へ向けて】高配当企業の株価データ分析 その11:関係は1つの数字で表現できる

※登場する株式会社は全て架空の会社です。

前回の宿題は、
関係の深さ、浅さを分かりやすく表現する方法がないでしょうか?」
でした。

※宿題の文脈を確認したい人はこちら 

関係をみるための鉄則は、散布図を書くことです

以下は、東京の気温と株式会社サマーの株価を2軸にとった散布図です。

東京の気温と株式会社サマーの株価の関係

おーこれは、きれいに正比例してますね。

次にこちらは、東京の気温と株式会社ウィンターの株価を2軸にとった散布図です。

東京の気温と株式会社ウィンターの株価の関係

こちらは、きれいに半比例してますね。

関係には2種類あり、1つ目が正比例、2つ目が半比例です。
そして、どちらも、直線に近ければ近いほどその関係が深いということになります。

最後は、東京の気温と株式会社フォーシーズンズの株価を2軸にとった散布図です。

東京の気温と株式会社フォーシーズンズの株価の関係

こちらは雲のようですね。気温と株価にほとんど関係がないことが分かります。

これらの関係の深さ、浅さを表現するためによい指標があります


それが、「相関係数」
変動をみるための最も良い指標の名前が、変動係数 (忘れた人はこちら
関係をみるための最も良い指標の名前が、相関係数
ここはそろっていていいですね。

相関係数は、以下の性質を持っています。
-1から1までの値をとる
絶対値が1に近いほど関係が深く、0に近いほど関係が浅い

先ほどのケースで言うと、
・2022年の東京の気温と株式会社サマーの相関係数が 0.98
・2022年の東京の気温と株式会社ウィンターの相関係数が -0.94
・2022年の東京の気温と株式会社フォーシーズンズの相関係数が 0.11

散布図をみた直感と合いますね。相関係数、便利じゃないか!
実際、実務上も本当に便利なんですよ。

次に、ここでよく質問が出るのが、
「いくつだと相関関係が強いんですか?」
です。

これは、諸説あるのですが、一般的には以下の解釈でよいと思います。
・相関係数の絶対値 0.7~1.0 強い関連性がある
・相関係数の絶対値 0.4~0.7 関連性がある
・相関係数の絶対値 0.2~0.4 弱い関連性がある
・相関係数の絶対値 0.0~0.2 関連性がない

ここで、大事なことは相関係数を数字としてきちんと確認することです。
よく新聞記事で以下のような記述があります。

2022年は東京の気温と株式会社フォーシーズンズの株価に正の相関がみられた。

東京の気温と株式会社フォーシーズンズの株価

直線を入れるだけで、なんとなく正の相関があるように見えてしまいます。しかし、先ほどみたように相関係数は0.11で、この2つの変数の間に関連性はありません

こういった相関詐欺にだまされないように、きちんと相関係数を数字でみるようにしましょう。

それでは、相関係数さえみてれば大丈夫なのか?

残念ながら、それはそうでもないんです。 
次回そのあたり深堀いたします。

今日は統計の授業っぽい感じになりましたが、あくまでこの関係編の目的は、「2つの株を組み合わせて劇的にリスクを下げる方法」を教授することです。その目的には少しずつ近づいているので安心してくださいね。

それでは、See you next time!

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