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ぼくが聖書を好きな理由

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キリスト教の礼拝でするお話の原稿はこちらにまとめています。そんなに「新しい」とは自負していませんが、「正統派」に疲れた方々に届けたい聖書のまた一味違った魅力を書いています。
大体月に4本です。 一本200円の記事をマガジン登録で500円でお読みいただける設定にしています。…
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#十字架

誰々つながりがなくても〜コリントの信徒への手紙一1章から

誰々つながりがなくても〜コリントの信徒への手紙一1章から

 宗教団体が決して「怪しい」ものではないことを証明するにはどうすればいいでしょうか。「何ら害がない」ということを伝えるには、すでにこの世で承認されているものと同じであるという他ないのかもしれません。
 キリスト教会が発行する「自己紹介」で、この教会は〇〇学校と同じ団体に属しています、というのを見て、ああ、こう書けばすでに実績のある団体の関係団体だから大丈夫と思われるということか、と思いました。親し

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緊張の所属(その2)〜ヨハネによる福音書18章28〜38節から〜

緊張の所属(その2)〜ヨハネによる福音書18章28〜38節から〜

前回の続きです。
「汚れないで過越の食事をするため」この言葉から読み取れる諸々を考えてきました。

つまりピラトの家になど入ったら自分たちは汚れてしまうということが暗に言われているのです。でもそれが

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神が努力したりするのか?そうだ。

神が努力したりするのか?そうだ。

昨日、駒込平和教会を会場として開放し、駒込平和教会に連なる人々がいろいろなところから集まって、小さな夏祭りを開催することができました。門前にはオープンチャーチと書かれた幟旗がはためきました。下のクリーニング屋さんや、天然食品を扱うお店にも引けを取らない幟が立ちました。
道ゆく人が珍しそうにのぞいてお茶を飲んでくださったり、腰掛けておしゃべりした方もいます。ランチを召し上がってくださった方もいて、

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イエスが十字架で殺された日に〜夜明けに信頼して

イエスが十字架で殺された日に〜夜明けに信頼して

今日は受苦日の礼拝でした。
そちらでお話しした元になる文書がこちらです。聖書の箇所は、ルカによる福音書23章47節から56節です。

見た人たち

この出来事と言われているのはどの出来事のことなのでしょうか。先ほど読んだイエスの7つの言葉は、イエスが十字架につけられている時に語ったとされている言葉です。この出来事というのは、この7つの言葉の出来事です。この出来事への反応について、つまりイエスの十字

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共苦の中で〜3人の友だち

共苦の中で〜3人の友だち

願いはいつかは叶うもの〜そんなふうに思って「目標」にすることが世のありようなのかもしれませんが、キリスト教の特徴は願いは願ったその日が実現の日である、そんなふうに思っています。願いを抱くことそのものが、信頼によって成り立つことなので、願いを持つことそのものが「救い」です。
わたしはコロナの症状が相当強く出て、熱も高かったし、トイレに行くのも這っていくような日が2日間。地域のコロナ119番に電話して

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恐怖のテキスト?〜石を取りのけろ!復活だ

恐怖のテキスト?〜石を取りのけろ!復活だ

神殿の境内で商売をする人々を追い出したイエスが、ぶどう園のたとえ話をしました。神殿の境内で語ったことになっています。ぶどう園で働いていた農夫たちが収穫を納めず送り込まれてきた僕を次々と追い出すことと、イエスの行動が被ります。このたとえ話はいかようにも受け取れました。ぶどう園の労働者として働いたことのある人が聞くとどうでしょうか。畑を任せきりにして長旅に出かけた主人の不在、あれは何だ?と思い返したで

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夢を抱ける宗教〜キリスト教でいう「夢を諦めない」〜

夢を抱ける宗教〜キリスト教でいう「夢を諦めない」〜

自然を貫く果てしない叫び

「自然を貫く果てしない叫び」。このタイトルはノルウェー、オスロ美術館にあるエドヴァルト・ムンクの「叫び」という絵画につけられたタイトルです。19世紀後半(1893年)に描かれたそうです。この絵画ではムンクが叫んでいるのではないそうです。彼を取り巻く天地、自然から聞こえる叫びに魂が怯えている様を描いたものだそうです。自然が叫ぶ、それは一体どういうことなのでしょうか。

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しなやかな枝のように

しなやかな枝のように

ザラザラの幹、分厚い樹皮を破り

 イエスは「ナザレのイエス」と呼ばれていました。ナザレは町の名前です。若枝、かつては「ひこばえ」と日本語で訳していた若枝は「ネツェル」というヘブライ語の訳語です。「ナザレのイエス」は、この若枝をイメージさせる呼び名です。イザヤ書11章1、2節にはこのようにあります。

「エッサイの株からひとつの芽が萌えいで/その根からひとつの若枝が育ちその上に主の霊がとどまる。

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