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いっしょに笑ったり、怒ったり、がんばったり・・・ 「らしくない」経営コンサルタント “…

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いっしょに笑ったり、怒ったり、がんばったり・・・ 「らしくない」経営コンサルタント “フィフス・アロー"

最近の記事

士業の皆さんへ

私たちは仕事上で色々なビジネス関連の「士業の先生方」との付き合いがあります。弁護士、税理士、公認会計士、行政書士、司法書士、中小企業診断士などはお馴染みですね。各士業は仕事の範囲が法律でほぼ決まっていて、そこには他の士業の人や、資格を持たない一般人は入れない排他的独占的な分野が設定されています。 でも、士業の皆さん!時代は超高速で変わっています。既に仕事のかなりの部分がネット検索に代替されていませんか? 例えば一般的な覚書や守秘義務協定書などはネット上にいくらでも事例があり

    • 自分の時間はいらないの?

      日本企業の労働生産性は著しく低迷しています。2021年度のOECDデータでは、日本人の「一人当たり労働生産性」は、81,510ドル。加盟38国中29位です。イタリア12位(120,749ドル)、韓国24位(89,634ドル)の後塵を拝しています。因みに第一位はアイルランドで226,568ドル。日本人の3倍近い労働生産性を達成しています。当然のことながら「時間あたり労働生産性」も日本は下位に低迷しています。この傾向は1970年代から続いていますから、その間日本は「仕事を効率的に

      • 『神宮外苑』再開発の機会費用は??

        かつて宮崎県の大型リゾートに世界最大級の屋内プールがありました。”オーシャンドーム”と呼ばれ、1993年に完工。総工費400億円超。「世界最大の室内ウォーターパーク」としてギネスブックの認定も受けました。一年中空間全体が30度に保たれ、そのエネルギー費用だけで1日当たり200万円近くかかったそうです。サーフィンができる大波を巨大な真空ポンプ設備により1時間あたり23回も起こすことができました。開場当初は話題性もあって入場者が引きも切らず、一時は宮崎県観光の大きな目玉でした。と

        • 「埋没コスト」は無視せよ

          12年前に日本の家電業界を代表する世界的なS社が破綻して結局他国の同業他社の傘下に入りました。技術力もブランド力もある企業が短時間にして崩壊したのです。乱暴に一言で理由を述べると「失敗しつつあることが明白な大型工場建設を経営幹部が途中で中止する勇気を持たなかったこと」に尽きます。世界的に供給過剰の傾向が見えていたにもかかわらず、あり得ないような規模の行政の補助金(=税金)まで「地元での雇用創出」に繋がると県知事自らも旗を振って提供する始末で、典型的な官民協調の悪しき例になりま

        士業の皆さんへ

          アナログコミュニケーションのすすめ

          最近ビジネス上の知合いと電話で四方山話(よもやまばなし)をしましたか? 人に会わなくても、デジタル的な手段でプライベートな事柄のやり取りまで済ませてしまう〜私たちはコロナウィルスに益々そう躾(しつけ)られてしまいました。あなたは最近どんな「コミュニケーション手段の組合せ」をビジネスで使用していますか?デジタル媒体は瞬時に多くの人たちにメッセージ、写真、動画、声を送ることができます。一方で自筆で時間をかけて書く手紙はその正反対と言えるかもしれません。 ここで「発想の転換」。た

          アナログコミュニケーションのすすめ

          企業経営~有形・無形資産の「棚卸し」

          多くの企業の新年度が始まって2ヶ月が過ぎました。気が早い人は桜の花が散るともう今年度の業績見通しが気になり始めますね。でも、ここで「一呼吸」置きましょう。じっくり時間をかけて経営幹部を中心に会社の現状を「棚卸し」しましょう。日常業務を中断する必要は全くありません。現在の商品やサービスの競争力、新規開発計画の進捗状況など、「棚卸し」は業務全般にわたって行いましょう。勿論人材の棚卸しも必要です。社内の一人一人の技量、キャリアを整理します。 この作業によって思わぬ発見が生まれる可

          企業経営~有形・無形資産の「棚卸し」

          「会社のお金の流れ」新入社員編

          新入社員は若々しく「仕事ズレ」してなくて、いるだけで職場が清々しい雰囲気になりますね。企業によっては新入社員を対象にメンター制度とか集合研修などのプログラムを体系的に備えています。そして先輩たちによるOJTが加わり日に日に職場の雰囲気に慣れていきます。 一つ提案させてください。新入社員の方々に是非「会社のお金の流れ」を噛み砕いて説明してあげてください。数字は実績を使いましょう。会社の規模によって百万円単位あるいは億円単位とざっくり丸めて構いません。会社に大きな財布があると想

          「会社のお金の流れ」新入社員編

          ChatGPTを使ってみて思うこと

          クライアント企業で危機管理対策の見直しプロジェクトを進めています。そこで新たにマニュアルを作成することになったのですが、ここで昨今注目のChatGPTを使ってみました。 「〇〇〇施設運営における危機管理対策マニュアルの目次を教えてください」と問いかけると、ものの5秒も立たずに策定すべきマニュアルの「章立て」と「節」が示されました。的を射たドラフトで、かなり精度の高いものです。仕事とは(本質的な)成果を求めて実行されてこそのものですから、こうしたプロセスの短縮化は、誠にありが

          ChatGPTを使ってみて思うこと

          『・・・・・相談をいただくうちの2割程度です』(藤井一郎)

           中小企業のM&Aの何たるかを紹介した書籍があります。M&A仲介会社の社長さんが著した書で、豊富な経験を踏まえてセルサイド(売り手側)、 バイサイド(買い手側)のみならずファンド等の関係者の視点からも問い(Q)を立て回答(A)していく形式で、理解し易いものとなっています。  わたしたちは、米系事業会社で働いていた折に、M&Aにおけるバイサイド・セルサイド双方の立場で仕事をした経験があります。加えてファンドの立場でDD(due diligence = 企業精査・買収監査)から

          『・・・・・相談をいただくうちの2割程度です』(藤井一郎)

          『一人の顧客を起点に商品やサービスの新たな可能性を考える』(西口一希)

           多様な企業でマーケティングに従事してきた著者は「お客様が最も大事」としながらも、実際にはマーケティングがお客様起点になっていない企業が意外と多いと云います。    果たしてそうしたお客様起点のマーケティングと何か。本書では、それを一人のお客様(=N1)※を徹底的に理解することから有効な打ち手(=商品やサービスの新たな可能性)を導き出して拡大展開し、その動きを見ることで効果検証までするものと定義し、これを“N1マーケティング”と称しています。  この場合のお客様とは、データ

          『一人の顧客を起点に商品やサービスの新たな可能性を考える』(西口一希)

          日本は大丈夫?

          国って何なんだろう? 雀に餌をやっていて、ふとこんな疑問が湧きました。 ある学者は「国とは同じ言語を話す人々が集団で住んでいる地域」と定義しているようです。なるほど…我が日本国の構成員である日本人は「日本語という共通言語」で北から南まで結ばれていますね。ところで日本国憲法は「全ての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と謳っています。人間は「衣食住」が足りて初めて最低限の生活がおくれます。翻って日本の食料自給率は37%(農水産省2020統計、カロリーベース)

          日本は大丈夫?

          会社の組織形態

          自社にとって一番適切な組織ってどんなものか?これは経営陣がよく悩む課題です。 軍隊に象徴される「トップダウン型」、中間管理職が稟議書を仕上げて根回しの上トップが最終決定する所謂「ボトムアップ型」、中間管理職をなるべく省いてトップと社員一人一人を直接結ぶ「フラット型」。これらを混在させた「ハイブリッド型」~例えばアメーバ型、事業部制型、職能別型、マトリックス型など正に無数の選択肢が作れます。 私たちの経験では、成功する会社は組織の型には囚われません。どんな型の組織であれ共通

          会社の組織形態

          組織開発〜6,000人って大人数か?

          「上の人たち(=経営幹部)は何を考えているのかよくわからない。」「あれだけ強調したのに部下が会社の方針を全然分かっていない。」こんな不満の言葉をあちこちの会社で聞きます。真面目に仕事をしてるのに職場の雰囲気がどよ〜んとしていて活気がない。その結果、社員が潜在能力を存分に発揮できずに業績が向上しない。こんな閉塞状態を打破するには誰が第一歩を踏み出すべきでしょうか?答えはもちろん「経営トップ」です。 6,000人の組織の社長が社員の末端までコミュニケーションをとるのにかかる時間

          組織開発〜6,000人って大人数か?

          スピーチ力、プレゼン力

          組織のリーダー*は人前で「喋る」ことが避けられません。正に「初めに言葉ありき」。「言葉で自分の考えを伝え仲間に共感してもらう力」が統率力の切り札になります。 *3人以上のグループを率いる人を指します。 ネットで検索すればこのテーマの指南が山ほど出てきます。それらを参考にするのはとても良いと思いますが、ここではとかく見落とされがちな3つの点について「つぶやき」ます。 【その1】 間投詞を極力省く事。「え~と」「あ~」「それでですね」などが頻発すると耳障りで、聴き手の

          スピーチ力、プレゼン力

          Span of Control~注意が及ぶ範囲~

          1人のリーダーが十分にコミュニケーションがとれる部下の人数は5~8人程度と言われていますね。これを横文字で“Span of Control(注意が及ぶ範囲)“と呼ぶそうです。実際にはこの人数は業種や役割によっても異なります。 いまやSNSを駆使すればもっと多くの部下とコミュニケーションが可能になりました。重要なのは部下の数ではなく、リーダーに良いも悪いも正確な情報がリアルタイムで伝えられて、その情報に基づいてリーダーが速やかに業務上の判断を下すことです。それには部下が躊躇せ

          Span of Control~注意が及ぶ範囲~

          『DXには経営層のコミットメントが不可欠だ』(酒井真弓)

          日本の中小企業は、社内にシステムに精通した人やプロジェクト・マネジメントのできる人材が不足していて、システム開発をベンダー企業に頼らざるを得ないところが多いといいます。中には要件定義*の段階からベンダーに丸投げしてしまうケースもあるようで、あたかも開発するもの自体をそっちで決めてくれと云っているようなものです。 DXレポートは、こうした背景には経営者のDXに対する危機意識の低さやコミットメントの弱さがあると指摘しています。加えて、米国の経営者は自社の IT システムの現状を

          『DXには経営層のコミットメントが不可欠だ』(酒井真弓)