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丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)『みみづくの夢』装幀 吉岡実 中央公論社 1985年3月刊 284ページ  「知らざあ言って聞かせやしょう」

丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
『みみづくの夢』
装幀 吉岡実
中央公論社 1985年3月刊
284ページ
2021年3月12日購入
アマゾン中古 351円
1985年4月2刷 帯あり
https://www.amazon.co.jp/dp/4120013804

中公文庫 1988年3月刊
334ページ
川本三郎 解説
https://www.amazon.co.jp/dp/4122015049

「高度経済成長以後、男は泣かなくなった。泣くと笑われるようになった。男が泣くことを肯定するのは日本文学の伝統で、英雄は臆面もなく泣くことで英雄となり、男の涙はヒロイックであることの必要条件であったのに。

この大転換の意味を問う「男泣きについての文学論」のほか、「司馬遼太郎論ノート」「大岡昇平」「王朝和歌二首」など、切れ味の鋭い評論10篇を収める。」

福岡市早良図書館から単行本を借りて、
再読したのは、
何年頃だったんだろう?

1985年4月22日
中目黒駅前図書館蔵書読了https://www.facebook.com/tetsujiro.yamamoto/posts/5646086525465940

読んだ頃の記憶は全然ありませんけど、
内容や文章の断片を憶えているのが不思議だなぁ。

目次・初出

「男泣きについての文学論 」
『群像』1983年2月号

「あの少年のハーモニカ 」
『荒畑寒村著作集』第10巻
平凡社 1977年5月 解説

「司馬遼太郎論ノート 」
『作品』1980年11月号

「日本文学史を見わたす 」
『山本健吉全集』第1巻
講談社 1983年5月 解説


「四畳半襖の下張裁判二審判決を批判する 」
『世界』1979年9月号

「里見弴の従兄弟たち 」
『海燕』1983年2月号

「口笛 [石川淳] 」
『新潮現代文学』第8巻
新潮社 1981年5月 解説

「大岡昇平 」
『日本文学全集』第80巻
集英社 1974年3月 解説


王朝和歌二首
「袖の香 [俊成卿女] 」
『ウーマン』1978年5月号

「しのぶ草 [順徳院]」
『海』1978年11月号

「扇よお前は魂なのだから 1 現代短歌 」
『日本の詩』第9巻 堀口大学・西条八十集
集英社 1979年7月

「扇よお前は魂なのだから 2 王朝和歌 」
『日本の詩』第9巻 堀口大学・西条八十集
集英社 1979年7月

「扇よお前は魂なのだから 3
 シンタクティックな明晰さ」
『海燕』1984年1月号

「扇よお前は魂なのだから 4
 クォウタビリティ 」
『海燕』1983年1月号

「拍手喝采 [シェイクスピア『あらし』]」
『小津次郎教授還暦記念論集
 イギリス・ルネサンス 詩と演劇』
紀伊国屋書店 1980年8月

「この本は
『コロンブスの卵』[筑摩書房 1979.6]に次ぐ
文藝評論集ですが、さうは言つても、
かなり広い範囲の読者を想定してゐます。
一体にわたしの本にはその傾向があるのですが、
これは殊にそんな感じがする。」
p.279「あとがき」

「いはゆる『新古今時代』に目ざましく開発された技法のなかで、
最も花やかな新工夫は本歌どりである。
これはやかましく言へば『万葉』時代の末期からあつたものだが、
本当に盛んになつたのは
藤原俊成[1114-1204]からで、さらにその息、
定家[1162-1241]が現れ、
御子左家の歌学が支配的になるにつれ、
あらゆる歌人が本歌どりを試みるやうになつた。
俊成以前にはずいぶんためらひがちに
本歌を取つてゐたのに、
以後は大つぴらになつたのである。
それはほとんど文学意識の変革であつた。」
p.196「袖の香」

「俊成がこの技法を用ゐたのは、
単に古歌をちょいと手直しして
新作に仕立てるためではなかつた。
本歌どりの底にちらちらと本歌が見えて、
そのため意味とイメージの多層性が
生ずることこそが重要なのである。
それは過去の作品の援用による
古典主義的方法となる。

それは、わづか三十一音に限られてゐる形式に、
文学の伝統の力を借りることで
飛躍的に豊かな中身を盛らうとする、
恐ろしい発明であつた。」
p.197-198

http://rokujoutei-a.jugem.jp/?eid=2123
六条亭の東屋 2013.12.8 (日)
丸谷才一作品名づくしの「知らざぁ言って……」
関容子『勘三郎伝説』より

「知らざぁ言って聞かせやしょう。
エホバの顔を避けてより
賑やかな街遠く見て
年の残りを数えつつ
幾夜寝ざめの笹まくら
たった一人の反乱と
人は言えども大きなお世話
好きな背広は大江戸の
大名火消しのウロコ型
軽いつづらで心も軽く
めぐりめぐりし日本の町
見わたせば 柳桜をこきまぜて
夕べは耳に鳥の歌
みみづくの夢をむすぶもよし
夜明けのおやすみも気随気儘
これぞ男ごころの遊び時間
雁のたよりに誘われて
居を定めしはさんま坂
犬だって散歩するこの坂を
裏声で君が代歌い過ぎ行けば
折からつのる横しぐれ
青い雨傘さしかけし
女ざかりに血道を上げ
低空飛行も二度三度
さてこそ挨拶ぁむづかしい
ここらで夜中の乾杯と
めでたく七十路迎えたる
丸谷のジョイスたぁ 俺がことだ」

関容子(1935.5.24-)
『勘三郎伝説』
文藝春秋 2013年11月刊
240ページ
https://www.amazon.co.jp/dp/4163767800
https://www.facebook.com/tetsujiro.yamamoto/posts/6802023763205538

関容子『勘三郎伝説』文藝春秋 2013年11月刊。240ページ。 https://www.amazon.co.jp/dp/4163767800 https://books.bunshun.jp/ud/book/num/97841637678...

Posted by 山本 鉄二郎 on Wednesday, January 5, 2022

河竹黙阿弥
『青砥稿花紅彩画』 
あおとぞうし はなの にしきえ
『弁天娘女男白浪』
べんてんむすめめおのしらなみ)

白浪五人男
浜松屋店先の場
弁天小僧菊之助・・・市川海老蔵
https://www.youtube.com/watch?v=zDAU03ipRLc&t=544s

弁天小僧菊之助
知らざあ言って聞かせやしょう
浜の真砂と五右衛門が歌に残せし盗人の
種は尽きねえ七里ヶ浜、その白浪の夜働き
以前を言やあ江ノ島で、年季勤めの稚児が淵
百味講で散らす蒔き銭をあてに小皿の一文字
百が二百と賽銭のくすね銭せえ段々に
悪事はのぼる上の宮
岩本院で講中の、枕捜しも度重なり
お手長講と札付きに、とうとう島を追い出され
それから若衆の美人局
ここやかしこの寺島で、小耳に聞いた爺さんの
似ぬ声色でこゆすりたかり
名せえゆかりの弁天小僧菊之助たぁ俺がことだぁ!

https://ja.wikipedia.org/wiki/青砥稿花紅彩画


読書メーター
丸谷才一の本棚
登録冊数179冊 刊行年月順
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091201

高校生の頃(1970-72)に読んだ
福永武彦・中村真一郎・丸谷才一
『深夜の散歩 ミステリの愉しみ』
早川書房 1963.8
https://note.com/fe1955/n/n26e000989c48
https://note.com/fe1955/n/n49dc2860af81
https://note.com/fe1955/n/nf236daad7399

以来五十年以上読み続けてきました。

読書メーター開始以前に読んだ本が多いため
メモを記入していない本も多いですけど、
ご笑覧いただけましたら幸甚と存じます。

"発表年月日順・丸谷才一作品目録.xls"
エクセルファイル(約三千行)
単行本・文庫本90数冊分の
目次・初出・書評対象書を、
発表年月日順に並べ変えて
編成、作成中。
完全編年体・丸谷才一全集
(の目次・内容一覧)

1925年8月27日誕生
2012年10月13日逝去
「ゆがんだ太陽」
『秩序』第1号(1952年1月発行)

「わが青春の一ページ
 桐朋学園音楽科60周年記念
コンサート・祝賀会での挨拶
 2012年10月8日」
『別れの挨拶』集英社 2013年10月刊

を夢想(妄想)してます。


https://note.com/fe1955/n/n49dc2860af81
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
『梨のつぶて 文芸評論集』
晶文社 1966.10

https://note.com/fe1955/n/n3c66be4eafe5
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
『日本詩人選 10 後鳥羽院』
筑摩書房 1973.6

https://note.com/fe1955/n/n39b0bac5071d
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
『星めがね』
集英社 1975年10月刊
320ページ
[写真]
「新聞や週刊朝日などで多くの書評を書き続けた
丸谷才一氏 1968年」

https://note.com/fe1955/n/n026b8f7779a3
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
『男のポケット』
新潮社 1976年4月刊
新潮文庫 1979年5月刊
272ページ
解説 粕谷一希(1930.2.4-2014.5.30)

https://note.com/fe1955/n/n6458c3ec5b1e
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
『遊び時間』
装釘 山藤章二(1937.2.20- )
大和書房 1976年12月刊
285ページ
中公文庫
カバー 山藤章二
解説 金関寿夫
中央公論社 1981年10月刊
310ページ

https://note.com/fe1955/n/nd6424820220b
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
『低空飛行』
装幀 池田満寿夫
新潮社 1977.5

https://note.com/fe1955/n/ncecbb5720ade
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
『日本文学史早わかり』講談社 1978.4
『無地のネクタイ』岩波書店 2013.2
池澤夏樹(1945.7.7- )
「メイキング・オブ・文学全集」
『池澤夏樹、文学全集を編む』河出書房新社 2017.9

https://note.com/fe1955/n/n6affaef46310
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
『古典それから現代 丸谷才一対談集』
構想社 1978年5月刊
堀口大學(1892.1.8-1981.3.15)
平野謙(1907.10.30-1978.4.3)
司馬遼太郎(1923.8.7-1996.2.12)
岡野弘彦(1924.7.7.- )
谷沢永一(1929.6.27-2011.3.8)
大岡信(1931.2.16-2017.4.5)
久保田淳(1933.6.13- )
岩松研吉郎(1943.10.31-2019.8.24)
関容子(1935.5.24-)
「丸谷才一さんのスーツ」
『銀座で逢ったひと』
中央公論新社 2021.9

https://note.com/fe1955/n/n3c0584d6e951
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
『コロンブスの卵』
筑摩書房 1979年6月刊
363ページ
「徴兵忌避者としての夏目漱石」
『展望』1969年6月号

https://note.com/fe1955/n/n1cb8080f344e
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
『遊び時間 2』
大和書房 1980年2月刊
287ページ
レイモンド・チャンドラー
『プレイバック』
清水俊二訳
「しつかりしていなかったら、生きていられない。
優しくなれなかつたら、生きている資格がない」


https://note.com/fe1955/n/n766d60240b79
『オール讀物』
1982年5月特別号
文藝春秋
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
「好きな背広 2
 ちよつと政治的?
 アメリカ橋
 小説作法」
和田誠(1936.4.10-2019.10.7)
東海林さだお(1937.1.30- )
椎名誠(1944.6.14- )

https://note.com/fe1955/n/na23a2eb002ed
『オール讀物』
1982年7月特別号
文藝春秋
392ページ
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
「好きな背広 4
 扇の風
 馬芝居
 タイム・マシーン的方法」
 いしいひさいち
 椎名誠
 東海林さだお(1937.1.30- )
「男の分別学
「のぞき部屋」について
 急に痴漢になったような気がして」
椎名誠(1944.6.14- )
「全日本賛否両論型録 国鉄問答」
いしいひさいち(1951.9.2- )
「忍者無芸帖」

https://note.com/fe1955/n/n8d39fb24356a
『オール讀物』
1982年8月特大号
「第28回 文藝春秋漫画賞
 植田まさし(1947.5.27- )
戸板康二(1915.12.14-1993.1.23)
「泣きどころ人物誌 永井荷風の勲章」
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
「好きな背広 5
 佐々木邦の糞尿譚
 麻雀必勝法
 二日酔ひの研究」他

https://note.com/fe1955/n/nf7b96d51f990
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
「好きな背広 6
 パロディ白秋詩集
 顔について
 画家の来訪
 雑誌づくし」
『オール讀物』
1982年9月特別号
文藝春秋 1982年8月刊

https://note.com/fe1955/n/ne7c88687dcfd
『オール讀物』
1982年11月特別号
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
「好きな背広 8
 甲子園の土
 料理雑誌の編集長
 孫の手考」
田辺聖子(1928.3.27-2019.6.6)絵と文
「絵入り随筆
 まことより嘘がたのしや……」

https://note.com/fe1955/n/n6884d26dc428
『オール讀物』
1983年1月新年特別号
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
「好きな背広 10
 犬の名前
 コルク考
 偏読」
黒岩重吾(1924.2.25-2003.3.7)
森浩一(1928.7.17-2013.8.6)
「蘇我氏と卑弥呼」

https://note.com/fe1955/n/na04841444a88
『オール讀物』
1983年3月特大号
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
「好きな背広 12
 赤と白
 理屈学入門
 恐怖」
戸板康二(1915.12.14-1993.1.23)
「泣きどころ人物誌
 松井須磨子の香水」

https://note.com/fe1955/n/n534af899ac1a
『オール讀物』
1983年5月号
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
「好きな背広 14
 ほととぎす
 影響について」
山藤章二(1937.2.20- )
「山藤章二のオール曲者
 立川談志
 東海林さだお
 百目鬼恭三郎」

https://note.com/fe1955/n/n755f00287f6f
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
『好きな背広』
文藝春秋 1983.8
文春文庫 1986.11
『オール讀物』
連載エッセイ集
第一冊(全十一冊)

https://note.com/fe1955/n/n1998cbebf2ac
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
『挨拶はむづかしい』朝日新聞社 1985.9

https://note.com/fe1955/n/n17b237a668df
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
『世紀末そして忠臣蔵 丸谷才一対談集』
立風書房 1987年9月刊

https://note.com/fe1955/n/n0d04f004682c
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
『新々百人一首』新潮社 1999.6
丸谷才一・大岡信(1931.2.16-2017.4.5)
「詞華集と日本文学の伝統」『新潮』 1999年8月号

https://note.com/fe1955/n/n8df1c95b5881
大岡信(1931.2.16-2017.4.5)
『おもひ草』
世界文化社 2000.2
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
由良君美(1929.2.13-1990.8.9)
大岡信「日本の「中世」の特色」
『國文学 解釈と教材の研究』1973年9月号
丸谷才一・大岡信
「詞華集と日本文学の伝統」
『新潮』 1999年8月号

https://note.com/fe1955/n/n56fdad7f55bb
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
『樹液そして果実』集英社 2011.7
『後鳥羽院 第二版』筑摩書房 2004.9 
『恋と女の日本文学』講談社 1996.8

https://note.com/fe1955/n/na3ae02ec7a01
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
「昭和が発見したもの」
『一千年目の源氏物語(シリーズ古典再生)』
伊井春樹編  思文閣出版 2008.6 
「むらさきの色こき時」
『樹液そして果実』集英社  2011.7

https://note.com/fe1955/n/n2b8658079955
林望『源氏物語の楽しみかた(祥伝社新書)』祥伝社 2020.12
『謹訳 源氏物語 私抄 味わいつくす十三の視点』祥伝社 2014.4
『謹訳 源氏物語 四』祥伝社 2010.11
『謹訳 源氏物語 五』祥伝社 2011.2
丸谷才一「舟のかよひ路」
『梨のつぶて 文芸評論集』晶文社 1966.10

https://note.com/fe1955/n/nfa05714e8ec4
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
『袖のボタン』
朝日新聞社 2007年7月刊
192ページ

https://note.com/fe1955/n/na6c90e3b93cc
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
『人形のBWH』
文藝春秋 2009年11月刊
320ページ

https://note.com/fe1955/n/nd41726da27bb
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
『快楽としてのミステリー(ちくま文庫)』
筑摩書房 2012.11

https://note.com/fe1955/n/nf236daad7399
福永武彦・中村真一郎・丸谷才一
『決定版 深夜の散歩 ミステリの愉しみ』
講談社 1978.6

https://note.com/fe1955/n/n26e000989c48
福永武彦・中村真一郎・丸谷才一
『深夜の散歩
 ミステリの愉しみ(創元推理文庫)』
東京創元社 2019.10

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