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丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)『男のポケット』装幀・イラスト 和田誠(1936.4.10-2019.10.7) 新潮社 1976年4月刊  新潮文庫 1979年5月刊

丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
『男のポケット』
装幀・イラスト 和田誠(1936.4.10-2019.10.7)
新潮社 1976年4月刊
240ページ
1976年8月10日9刷
2017年10月5日購入 ブックオフ 108円
https://www.amazon.co.jp/dp/4103206020
新潮文庫 1979年5月刊
1979年9月10日五刷
272ページ
カバー・カット 和田誠
解説 粕谷一希(1930.2.4-2014.5.30)
https://www.amazon.co.jp/dp/4101169039
購入年月日古書店不明 80円
https://www.amazon.co.jp/dp/4101169039



『夕刊フジ』
1975年4月~8月連載
コラム100篇

朝酒
美男について
われ発見せり
何になるべきか
次の思想
写真と味
太陽の色
サツマノカミ考
美しき五月となれば
食通知つたかぶり
雀球といふもの
ハムレット異聞
空白の一年
故郷の水
新幹線七不思議
粋であること
モンロー神話
東京駅です
春の終り
大洋ホエールズ論
大豆の糊
夕食のタクアン
文藝講演といふもの
御当地ばなし
バーへゆく時間
イズムとは何か
女からもらつた羽織
お菓子の記憶
人種間題を論ず
切り裂きジャック
狂歌の楽しみ
夢二懐旧
発明苦心談
若且部の修行
他人の空似
アイスクリーム百杯
京都ことば
相撲といふ遊び
馬の名前
巨人びいきに与ふ
ロシアの大学生の拍手
料理人のゐる家
雨の男は定九郎
人生の書
駅から十五分
昼さがり
文士のタイトル
華燭の典
みどりの黒髪
都市生活の叙事詩
ツララをゆでる
文学的な庭
わたしの声について
朝食の諸問題
固まつた雨だれ
両雄並び立つ
公卿の姓について
日本一のスパイ
ノンキナトウサン考
三つの言葉

「…男のポケットにはまだほかに、
冗談や雑学や世間話もはいつてゐる。」
[まえがき]

「目黒三田に住むことにした一番の動機は
豆腐だつたやうな気がする。
豆腐は大の好物で、夏なら冷奴、冬なら湯豆腐、
目がないのだが、困るのは、
近頃はろくな豆腐屋がないことである。
 … 
目黒三田なら恵比寿が近い。
恵比寿ならヱビス・ビール。
ビールの工場がある。
ビールを作るには水が肝心。
とすれば、あのへんは水がいいにちがひない。
水がよければ、きつと、いい豆腐屋があるだらう。
どうです、整然たる論理の展開でせう。」
p.18「われ発見せり」

「[花札の]小野道風とむやみに大きい蛙のゐる雨の札。
以前は、あれが違つてゐた。
驚くなかれ、昔の雨の札には
[忠臣蔵五段目の]山崎街道の定九郎が描いてあつた。
それぢやあ教育上いけないといふので、明治何十年かに、
小野道風に変へられたんださうです。
たぶん、教育勅語のころでせうね。
とにかく、すこぶる滑稽な改悪といふしかない。」
p.104「雨の男は定九郎」

私は歌舞伎を観たことがないので、
「定九郎」については、
安野光雅(1926.3.20-2020.12.24)
『繪本仮名手本忠臣蔵』朝日新聞出版 2010.9
https://www.amazon.co.jp/dp/4022507837
https://www.facebook.com/tetsujiro.yamamoto/posts/838504196224221
と、
三遊亭圓生 六代目(1900.9.3-1979.9.3)
のCDで聴いた落語の芝居噺
「中村仲蔵」、
https://www.youtube.com/watch?v=S1IJ6_scTsU
でしか知りませんけど。

五年前に読んだ絵本。安野光雅 『繪本 仮名手本忠臣蔵』 http://goo.gl/a6ZC6d #bookmeter 朝日新聞出版 2010年9月刊。2010年10月23日読了。 見開き2ページで一場面を描いた絵が31枚。...

Posted by 山本 鉄二郎 on Tuesday, June 9, 2015

「犯人は、塩冶判官(えんやはんがん)の家老だった
斧九太夫(おのくだゆう)の子、
斧定九郎(さだくろう)という悪役である。
身を持ちくずして、街道で追いはぎを働いている
というもっぱらの噂だった。
これがなかなか粋なこしらえで、
月代(さかやき)はややのびて浪人風、
黒羽二重の紋付き、朱鞘の大小、
蛇の目傘という出で立ちである。
もっとも定九郎はこの局面だけしか出ないのだから、
思いっきりゆっくりと存在感のある芝居をするのもむりはない。
盗った財布を口にくわえ、左足を踏みだして見得をきるや、
雨にぬれた紋付きをゆっくりしぼり、
血にぬれた刀をゆっくり拭いて、
破れ蛇の目を開いて高くかざす。」
安野光雅『繪本仮名手本忠臣蔵』
p.29「五段目 山崎街道二つ玉の場」


和田誠さんが描いた「定九郎」

『丸谷才一批評集 第三巻
 芝居は忠臣蔵』
文藝春秋 1995年12月刊
全六巻 第一回配本
376ページ
https://www.amazon.co.jp/dp/4165041408
https://www.facebook.com/tetsujiro.yamamoto/posts/6352883191452933

『丸谷才一批評集 第三巻 芝居は忠臣蔵』文藝春秋...

Posted by 山本 鉄二郎 on Sunday, October 24, 2021

和田誠(1936.4.10-2019.10.7)
『Black & White in Wadaland
 和田誠モノクローム作品集』
愛育社 2010.8
https://www.amazon.co.jp/dp/4750003840
https://www.facebook.com/tetsujiro.yamamoto/posts/1081096238631681
 
https://note.com/fe1955/n/ncbceea41d912

「丸谷才一さんとの仕事の上での出会いは1970年、
『女性対男性』文藝春秋
で装丁と挿絵を担当した時で、
翌年が
『大きなお世話』朝日新聞社。
次が
『夕刊フジ』の連載エッセイ
「男のポケット」の挿絵になる。
丸谷さんのご指名だった。
前の二冊で合格点をいただいたのだろう。

『夕刊フジ』の連載は百回にわたって毎日続く企画。
ぼくは新聞連載小説の挿絵を描いたことがない。
百回もデイリーで描いたのは
「男のポケット」と、やはり『夕刊フジ』の
丸谷さんの連載
「軽いつづら」1992-93 だけである。

「男のポケット」の頃から
丸谷さんの著作の装丁や連載エッセイの挿絵など、
ほとんど全部ご指名を受けるようになった。
『楽しみと冒険』など、
丸谷さん企画のシリーズものの装丁も。

1992年から2010年まで、
丸谷さんは毎日新聞書評欄の顧問をされていた。
丸谷さんの提案で、紙面が一新された初回から、
フロントページの「私が選んだ文庫ベスト3」
(のちに「この人・この三冊」)の挿絵を担当。
顧問は池澤夏樹さんに引き継がれたが、
ぼくの挿絵は続いている。」
p.638

https://www.amazon.co.jp/dp/4750003840

https://www.facebook.com/tetsujiro.yamamoto/posts/1081096238631681

昨日読み終った本。 和田誠『Black & White in Wadaland 和田誠モノクローム作品集』愛育社 2010年8月刊。 http://bookmeter.com/b/4750003840...

Posted by 山本 鉄二郎 on Wednesday, July 20, 2016


読書メーター
丸谷才一の本棚
登録冊数178冊 刊行年月順
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091201

高校生の頃(1970-72)に読んだ
福永武彦・中村真一郎・丸谷才一
『深夜の散歩 ミステリの愉しみ』
早川書房 1963.8
https://note.com/fe1955/n/n26e000989c48
https://note.com/fe1955/n/n49dc2860af81
https://note.com/fe1955/n/nf236daad7399

以来五十年以上読み続けてきました。

読書メーター開始以前に読んだ本が多いため
メモを記入していない本も多いですけど、
ご笑覧いただけましたら幸甚と存じます。

"発表年月日順・丸谷才一作品目録.xls"
エクセルファイル(約三千行)
単行本・文庫本90数冊分の
目次・初出・書評対象書を、
発表年月日順に並べ変えて
編成、作成中。
完全編年体・丸谷才一全集
(の目次・内容一覧)

1925年8月27日誕生
2012年10月13日逝去
「ゆがんだ太陽」
『秩序』第1号(1952年1月発行)

「わが青春の一ページ
 桐朋学園音楽科60周年記念
コンサート・祝賀会での挨拶
 2012年10月8日」
『別れの挨拶』集英社 2013年10月刊

を夢想(妄想)してます。


https://note.com/fe1955/n/n49dc2860af81
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
『梨のつぶて 文芸評論集』
晶文社 1966.10

https://note.com/fe1955/n/n3c66be4eafe5
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
『日本詩人選 10 後鳥羽院』
筑摩書房 1973.6

https://note.com/fe1955/n/n39b0bac5071d
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
『星めがね』
集英社 1975年10月刊
320ページ
[写真]
「新聞や週刊朝日などで多くの書評を書き続けた
丸谷才一氏 1968年」

https://note.com/fe1955/n/n6458c3ec5b1e
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
『遊び時間』
装釘 山藤章二(1937.2.20- )
大和書房 1976年12月刊
285ページ
中公文庫
カバー 山藤章二
解説 金関寿夫
中央公論社 1981年10月刊
310ページ

https://note.com/fe1955/n/nd6424820220b
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
『低空飛行』
装幀 池田満寿夫
新潮社 1977.5

https://note.com/fe1955/n/ncecbb5720ade
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
『日本文学史早わかり』講談社 1978.4
『無地のネクタイ』岩波書店 2013.2
池澤夏樹(1945.7.7- )
「メイキング・オブ・文学全集」
『池澤夏樹、文学全集を編む』河出書房新社 2017.9

https://note.com/fe1955/n/n766d60240b79
『オール讀物』
1982年5月特別号
文藝春秋
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
「好きな背広 2
 ちよつと政治的?
 アメリカ橋
 小説作法」
和田誠(1936.4.10-2019.10.7)
東海林さだお(1937.1.30- )
椎名誠(1944.6.14- )

https://note.com/fe1955/n/na23a2eb002ed
『オール讀物』
1982年7月特別号
文藝春秋
392ページ
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
「好きな背広 4
 扇の風
 馬芝居
 タイム・マシーン的方法」
 いしいひさいち
 椎名誠
 東海林さだお(1937.1.30- )
「男の分別学
「のぞき部屋」について
 急に痴漢になったような気がして」
椎名誠(1944.6.14- )
「全日本賛否両論型録 国鉄問答」
いしいひさいち(1951.9.2- )
「忍者無芸帖」

https://note.com/fe1955/n/n8d39fb24356a
『オール讀物』
1982年8月特大号
「第28回 文藝春秋漫画賞
 植田まさし(1947.5.27- )
戸板康二(1915.12.14-1993.1.23)
「泣きどころ人物誌 永井荷風の勲章」
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
「好きな背広 5
 佐々木邦の糞尿譚
 麻雀必勝法
 二日酔ひの研究」他

https://note.com/fe1955/n/nf7b96d51f990
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
「好きな背広 6
 パロディ白秋詩集
 顔について
 画家の来訪
 雑誌づくし」
『オール讀物』
1982年9月特別号
文藝春秋 1982年8月刊

https://note.com/fe1955/n/ne7c88687dcfd
『オール讀物』
1982年11月特別号
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
「好きな背広 8
 甲子園の土
 料理雑誌の編集長
 孫の手考」
田辺聖子(1928.3.27-2019.6.6)絵と文
「絵入り随筆
 まことより嘘がたのしや……」

https://note.com/fe1955/n/n6884d26dc428
『オール讀物』
1983年1月新年特別号
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
「好きな背広 10
 犬の名前
 コルク考
 偏読」
黒岩重吾(1924.2.25-2003.3.7)
森浩一(1928.7.17-2013.8.6)
「蘇我氏と卑弥呼」

https://note.com/fe1955/n/na04841444a88
『オール讀物』
1983年3月特大号
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
「好きな背広 12
 赤と白
 理屈学入門
 恐怖」
戸板康二(1915.12.14-1993.1.23)
「泣きどころ人物誌
 松井須磨子の香水」

https://note.com/fe1955/n/n534af899ac1a
『オール讀物』
1983年5月号
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
「好きな背広 14
 ほととぎす
 影響について」
山藤章二(1937.2.20- )
「山藤章二のオール曲者
 立川談志
 東海林さだお
 百目鬼恭三郎」

https://note.com/fe1955/n/n755f00287f6f
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
『好きな背広』
文藝春秋 1983.8
文春文庫 1986.11
『オール讀物』
連載エッセイ集
第一冊(全十一冊)

https://note.com/fe1955/n/n1998cbebf2ac
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
『挨拶はむづかしい』朝日新聞社 1985.9

https://note.com/fe1955/n/n17b237a668df
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
『世紀末そして忠臣蔵 丸谷才一対談集』
立風書房 1987年9月刊

https://note.com/fe1955/n/n0d04f004682c
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
『新々百人一首』新潮社 1999.6
丸谷才一・大岡信(1931.2.16-2017.4.5)
「詞華集と日本文学の伝統」『新潮』 1999年8月号

https://note.com/fe1955/n/n8df1c95b5881
大岡信(1931.2.16-2017.4.5)
『おもひ草』
世界文化社 2000.2
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
由良君美(1929.2.13-1990.8.9)
大岡信「日本の「中世」の特色」
『國文学 解釈と教材の研究』1973年9月号
丸谷才一・大岡信
「詞華集と日本文学の伝統」
『新潮』 1999年8月号

https://note.com/fe1955/n/n56fdad7f55bb
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
『樹液そして果実』集英社 2011.7
『後鳥羽院 第二版』筑摩書房 2004.9 
『恋と女の日本文学』講談社 1996.8

https://note.com/fe1955/n/na3ae02ec7a01
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
「昭和が発見したもの」
『一千年目の源氏物語(シリーズ古典再生)』
伊井春樹編  思文閣出版 2008.6 
「むらさきの色こき時」
『樹液そして果実』集英社  2011.7

https://note.com/fe1955/n/n2b8658079955
林望『源氏物語の楽しみかた(祥伝社新書)』祥伝社 2020.12
『謹訳 源氏物語 私抄 味わいつくす十三の視点』祥伝社 2014.4
『謹訳 源氏物語 四』祥伝社 2010.11
『謹訳 源氏物語 五』祥伝社 2011.2
丸谷才一「舟のかよひ路」
『梨のつぶて 文芸評論集』晶文社 1966.10

https://note.com/fe1955/n/nfa05714e8ec4
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
『袖のボタン』
朝日新聞社 2007年7月刊
192ページ

https://note.com/fe1955/n/na6c90e3b93cc
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
『人形のBWH』
文藝春秋 2009年11月刊
320ページ

https://note.com/fe1955/n/nd41726da27bb
丸谷才一(1925.8.27-2012.10.13)
『快楽としてのミステリー(ちくま文庫)』
筑摩書房 2012.11

https://note.com/fe1955/n/nf236daad7399
福永武彦・中村真一郎・丸谷才一
『決定版 深夜の散歩 ミステリの愉しみ』
講談社 1978.6

https://note.com/fe1955/n/n26e000989c48
福永武彦・中村真一郎・丸谷才一
『深夜の散歩
 ミステリの愉しみ(創元推理文庫)』
東京創元社 2019.10

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